~この記事でわかること~
- マンションの管理規約は隅々まで読み込もう
- 打ち合わせは毎回目標を決めて!議事録はきちんとつけよう!
- 収納スペースを侮るな!
- 工事中は共有部分の整理整頓まで心がけよう
みなさんこんにちは!
いつの時代にも「成功に失敗はつきものだ」とか「失敗は成功のもと」などと言いますが、なるべくならば失敗はしたくないですよね。
特にマンションのリノベーションとなれば、お客さまが何十年にも渡って住み続ける大事な場所なので、気持ちよく快適に住み続けていただきたいものです。
しかし、残念ながらリノベーションは「クレーム産業」と言われている現実もあります。
そこで今回はマンションリノベーションにおいてよくある失敗談と防止策について紹介していきたいと思います。
ぜひ参考にしてください!!
目次
物件選びでの失敗談
まずは物件選びでの段階での失敗談です。
《Case1》
マンションの制約が多く、思い通りの間取りにできなかった。
《防止方法》
マンションには管理規約と言ってマンション独自のルールがあり、例え専有部分であってもリノベーションに制限がある場合があります。
マンションのリノベーションに慣れていないと管理規約を見逃しがちです。
具体例としては、
・床材の遮音等級に制限がある。
・フローリング禁止。
・既存の床材と同等の床材を使用しなければならない。(既存床材が塩ビタイルであれば、リノベーション後も塩ビタイルを使用する等、床材の変更ができない。)
・水回り設備は移動してはいけない。
・分電盤の容量に制限あり。
全てのマンションに当てはまる訳ではありませんが、こう見ると意外と制約がありますよね。
トラブルを防止する方法としては、管理規約のリノベーション部分の内容を蔑ろにせず、隅々まで読んでお客さまに説明しましょう。不明点があれば管理会社に確認しましょう。
また、マンション購入前のお客さまについては購入前に必ず管理規約を確認しましょう。
▼こちらの記事も参考にしてください!
管理規約の見方はこれで完璧!マンションリノベ前に知っておきたい管理規約のポイント5選
《Case2》
壁式構造のマンションだったり、住戸の中心部にパイプスペースがあったりと動かせないものが多く、希望の間取りにできなかった。
《防止方法》
マンションには主にラーメン構造と壁式構造の2パターンがあり、ラーメン構造は柱と梁が躯体になっているのに対し、壁式構造は壁でマンションを支えている為、壁がコンクリートでできており、解体する事ができません。もちろん穴を開ける事もできません。
パイプスペースも専有部分にあっても、パイプスペースは共有部分になるので手を加える事ができません。
その為、現地調査時やマンション購入前に上記内容をきちんと説明しましょう。その上でできるラフプランなどを提示しましょう。
壁式構造かどうかやパイプスペースの位置については竣工図面から確認する事ができます。また、現地調査時に天井の点検口から天井裏を覗き、躯体の壁の位置を確認しましょう。
壁式構造の場合、間取りの自由度には制限がありますが、室内に構造躯体が見えたりとラーメン構造にはない良さを持っています。壁式構造を上手く利用するのが設計者としての腕の見せどころです。
《Case3》
配管口の穴がなく、エアコンを設置する事ができなかった。
《防止方法》
リノベーション後にエアコンの台数をリノベーション前の台数より増やそうとすると外壁に追加分の配管を通すための穴が開いておらず、追加でエアコンを設置する事ができなかった。という事がよくあります。
さらに、最近のエアコンは多機能のものも多く、そのような機種は配管の本数が増える為、既存の配管口の大きさでは不十分な場合もあります。
現地調査の際に、配管口の大きさや他に配管が通りそうな開口があるか確認しましょう。また、マンション購入前のお客さまには前もって説明しましょう。
プラン作成時での失敗談
次に打合せ段階&プランの作成時での失敗談です。
《Case1》
打ち合わせが思うように進まず、大幅に着工時期がずれた。
《防止方法》
着工時期がずれることはよくあります。しかし、着工時期が大幅にズレてしまうと、お客さまにとっても迷惑がかかります。
その為、初回の打ち合わせの際に着工までの打ち合わせのスケジュールや打ち合わせ内容を明確にし、お客さまとスケジュール感を共有しましょう。また、毎回の打ち合わせの際に今回の打ち合わせのゴールをお客さまと共有しましょう。打ち合わせ終了時には議事録と共にペンディングになっている事項、いつまでに決めなければならないかを共有しましょう。これをやることで、ダラダラと打ち合わせ回数だけ重ねてしまう事が少なくなります。
《Case2》
収納スペースがが少なく、荷物が入りきらなかった。
《防止方法》
間取りを考える際、どうしてもLDKのような居住スペースを広くし、収納スペースは削減しがちです。しかし生活する上での荷物は意外と多く、荷物が入りきらなかった。という事もよくあります。LDKの広さも大事ですが、収納が少ないと地味にストレスがたまります。
マンションの場合、収納スペースは床面積の8パーセントから10パーセントは必要と言われています。
また、やみくもに収納スペースを確保するだけではなく、何を収納するかも重要です。せっかく収納スペースを確保しても収納するもののサイズに合わず、無駄な空間ができてしまうこともよくあります。
打ち合わせの際はどれくらいの荷物があるか、どのようなものがあるのかを確認しましょう。また、用途に合わせた場所に収納を設置しましょう。
《Case3》
梁があり希望の位置に水回りが動かせなかった。
《防止方法》
マンションの梁をまたいで水回りを動かす際は要注意です。梁は躯体の一部なので新たに穴を開ける事ができません。その為、換気扇のダクトは梁に沿ってクランクさせなければいけないのですが、クランク箇所にゴミが溜まってしまうので基本的にダクトを梁に沿ってクランクすることはしません。
慣れないうちは図面に梁の位置を赤ペン等でマークをし、まず最初に水回りを動かせる範囲をマーキングしておくと良いでしょう。
マンション購入前に梁の位置が分かるようであれば、購入前に水回りを動かせる範囲を説明した方が親切です。
また、躯体壁周囲の小梁も注意が必要です。梁せいがあるとユニットバスに干渉してしまう恐れがあるので、設計時には梁を見落とさないようにしましょう。
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換気ダクトの計画について~マンションリノベ基礎知識~
《Case4》
壁紙の色が想像以上に明るかった。
《防止方法》
壁紙のように広い面に色がついたものを貼る場合は小さいサンプルの色に比べて、実際に施工した時の方が色が明るく見えます。また、打ち合わせ室でサンプルの色を見るのと実際に現地でサンプルの色を見るのでは見え方が異なる場合があります。これは光源が違うため、光のあたり方で色の見え方が異なるからです。
その為、壁紙、塗料、フローリング等は打ち合わせの際に色を確認するだけでなく、実際に現地に行って色の最終確認をすることをおすすめします。
また、壁紙などは実際に壁に貼ってみるのと机に置いて見るのでは見え方が異なるので、実際に壁に貼って色やデザインを確認をしてください。
《Case5》
家具が配置できなかった。
《防止方法》
せっかく素敵な間取りができても家具が配置できなかったら意味がありませんよね。
これは設計の際に家具の配置を考えず、間取りのみに集中してしまった為です。
設計する時は事前にお客さまの持っている家具の寸法を確認して図面に落とし込みましょう。家具を図面に落とし込む事で、コンセントや電気配線も配置しやすくなります。
《Case6》
打ち合わせ内容と違う!
《防止方法》
リノベーション工事あるあるの失敗談の一つなのではないかと思います。
これは議事録を隅々まで書く事で失敗を防止する事ができます。リノベーション工事は初回打ち合わせから引き渡しまでの期間が長い事が多く、打ち合わせ内容も覚えているようでも忘れてしまいます。
決定事項はもちろんの事、なぜそうなったのかや、お客さまのさりげない発言もメモしておくと良いでしょう。また決定事項については、お客さまと打ち合わせ終了時などに読み合わせをするなどし、情報を共有しましょう。
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【みんなの失敗談/番外編】施主からの「そんなの言われてない…!」どうやって防ぐ?
施工段階での失敗談
最後に施工段階での失敗談を紹介します。
《Case1》
玄関の幅が足りなく、天板などが搬入できなかった。
《防止方法》
一枚板の天板・・・憧れますよね。しかし、搬入経路に十分な広さがないと搬入が難しくなってしまいます。
大きめの天板のようなものを搬入する際は事前にエレベーターの内寸や階段の寸法をはかって確認しましょう。また、玄関や廊下の曲がり角も注意が必要です。搬入可能か確認しましょう。大きい天板に限らず、ソファのような大きめの家具や冷蔵庫なども搬入経路に問題がないか確認が必要です。
《Case2》
共用廊下が汚れてしまった。
《防止方法》
リノベーションに汚れはつきもの。といってもマンションの住人みんなが使う共用部分は綺麗にしておきましょう。共用部分はみんなのものであって、自分たちだけで使えるものではありません。
工事以外の些細な事でトラブルを起こしたくないですよね。
防止策としては、まず工事前に共用部分の写真を撮りましょう。これはもし傷がついていた場合に、工事前からの傷か工事中についた傷か判断する為です。
次に養生は入念に行いましょう。工事中に養生シートが剥がれてしまう事もあるので、定期的に確認しましょう。破れていたりしたら、新しいものに変えましょう。
また、毎日工事終了後は整理整頓を心がけ、綺麗な現場を意識しましょう。
当たり前の事ですが常に意識するのは難しいものです。
定期的に産業廃棄物などをエントランス前に置いておく事もあるかと思いますが、事前に管理人さんに伝えておくと心づもりをしておいてくれる事が多いです。
管理人さんとは定期的にコミュニケーションを取り、良い関係性を構築しておくと工事もやりやすいです。
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まとめ
今回はリノベーションを通しての失敗談防止策をご紹介しましたがいかがでしょうか。今回紹介した内容はどれも失敗しやすい事例ばかりです。
この記事を読んでくださっている方の中には心当たりのある方もいらっしゃるのではないでしょうか。リノベノシゴトでは他にも様々な失敗談を掲載していますので、是非参考にして同じ失敗はしないようにしましょう!
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