~この記事でわかること~
- 室外機の置き場所、事前に確認した?
- 専用コンセントはエアコンに適した種類を選んで!
- 設置面の壁には下地補強を!
- 室内機と室外機は出来るだけ近くに設置
- エアコン移設は配管に注意が必要
マンションでの冷暖房設備と言えば、皆さんエアコンをイメージされるかと思います。実際にマンションリノベでも多くの方が設置をリクエストされます。
そこで今回は、マンションリノベーションの際にエアコン設置を計画する上で押さえておきたいポイントや注意点を見ていきたいと思います!
目次
1.エアコンを設置するには何が必要?
基本の “き” になりますが、エアコンは室内に設置する本体=室内機だけでは動きません!
まずは一般的なエアコン設置に必要な物を確認しておきましょう。
画像引用:コジマネット HP
本体以外に必要な物は?
- 室外機:搭載されている「圧縮機」で冷媒ガスを循環させる
- 専用コンセント:エアコンは消費電力が大きい為、コンセントは「専用」
- 冷媒管:冷媒を循環させる為の室外機⇆本体に接続された2本の配管
- ドレンホース=排水管:室内機に溜まった空気中の水分を外部に排出する為の配管
2.室外機は何処に置けばいい?
室外機ですが、設置する場所は基本的に限られていることが多いです。
設置スペースが必要な場合
ベランダや共用廊下の床に設置する際は、メーカー規定の離隔距離を確保する必要があります。外壁などへの新規ボルト打ちがNGなマンションも多く、新規で金具による外壁固定や天吊設置が難しい場合があります。
配管を通す外壁スリーブが必要な場合
外壁の新規スリーブ開口はNGなマンションが多く、その場合は既存のスリーブを利用する必要があります。マンションによっては管理規約やルールによって、設置可能場所が決まっている場合もあるので事前に確認をしましょう!
3.専用コンセントはどれも一緒?
エアコンのコンセントを専用にすることは先に書きましたが、実は種類がいくつかあるので注意が必要です!設置するエアコンが、以下のいずれかによってコンセント形状が異なります。
画像引用:DAIKIN カタログ
対応畳数が広い機種は「200V」が必要になります。ただし、マンションお部屋の状況によっては、そもそも200Vが使用できない可能性もあるので、現地調査の際に事前確認をしておきましょう!
4.どの壁に取り付けてもいい?
実はエアコン本体の設置場所にも気を付けたいポイントがあります。設置面の壁の補強についてです。エアコン本体はそれなりの荷重があるため下地が必要になります。可能であれば、PBへボードアンカーでの設置ではなく、しっかりビスが固定される強度のある下地を施工するように、図面でも指示することをオススメします。
また、室内機と室外機は出来る限り近い場所に設置することはおすすめです。やはり、個人的意見も入りますが見た目は美しいものではないです。可能であれば冷媒管の露出する範囲を短くしたいですね。
5.外壁面にACスリーブが無い部屋は設置出来ない?
エアコンの配管方法で『先行配管(隠蔽配管)』という方法があります。これは、配管を壁の中や天井裏に隠して施工する方法で、以下にエアコンを設置する為に用いられます。
- 外に面していない部屋(ACスリーブが無い部屋)
- 室外機と距離がある場合
この『先行配管』には注意すべきポイントが多いので、別記事で詳細を説明したいと思います!
6.エアコン既存利用はしていいの?
既存のエアコンがまだ新しい場合などは、勿体無いと既存利用することもあるかと思います。既存利用で設置場所を変える場合=移設する場合は、配管の劣化や破損に注意が必要になります。
特に冷媒管は銅管に保温材が巻かれていて、銅管の状態を外見から判断しずらく、一度使用すると硬化する性質があります。最悪の場合は配管から冷媒ガスが漏れ、エアコンが正常に作動しない可能性も出てきます。
また、機種によっては冷媒管の長さに制限がある場合があるので、設置場所によっては適さない場合もあります。お客様のリノベ前のお住まいで使用しているエアコンを持ってくる場合なども同様です。移設するエアコンの品番などから、設置条件を確認しましょう。