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2023.11.23

どこに付けたらいいの!?コンセントの種類や設置場所など徹底解説!

どこに付けたらいいの!?コンセントの種類や設置場所など徹底解説!

~この記事でわかること~

  • アース線付きコンセントが義務付けられている家電製品に要注意!
  • 消費電力の大きい家電製品は専用回路が必要
  • コンセントで後悔しないようにするためにはお客さまの日々の暮らしを詳細にイメージすることが大切
  • コンセントの設置高さも重要!
  • 建具や家具などに干渉しないように気を付けよう

みなさんこんにちは!
突然ですがみなさんは竣工後にお客様から「ここにもコンセントを付けた方が良かった。」「このコンセント邪魔だな。」と言われたことがありませんか?引き渡し後に実際に住んでみてお客様が後悔する事の一つに、「コンセントの位置、数量」があります。
原因としては設計打ち合わせの段階では暮らしているときの細かい動線のイメージが沸かず、実際に使ってみて必要と感じることがあるからです。

そこで今回は「コンセントの種類や設置場所」について解説していきます。
是非参考にして頂けると嬉しいです!

コンセントの種類について学ぼう

もうみなさんはご存じかもしれませんが・・・。まずは「コンセントの種類」について紹介していきます。

住宅で使用される基本的なコンセントはこちらです。

引用:Panasonic HP

次によく使われる電気配線図をご紹介します。(会社によって若干の違いがあるので、会社で使用されている基本図面も参考にしてください。)

壁付きコンセント。基本となるコンセントです。黒塗り部分が壁側にきます。
壁付き2口コンセント。3つ口の場合は数字が3に変わります。
エアコン専用コンセント。
接地極付きコンセント。冷蔵庫、電子レンジのような水回りのコンセントやエアコンは接地極付を使用することが義務付けられています。
接地端子付きコンセント。アース付きコンセントとも言います。洗濯機などで使用されます。
TV用コンセント。
電話用コンセント。
インターネット用LAN。

引用:Panasonic HP

コンセントを計画するときに考えるポイント

ではここからはコンセントの位置を考えるときのポイントをご紹介します。
引っ越し後の暮らしのイメージをいかに詳細にイメージできるかがカギです!
まずはお客さまにご協力いただいて以下のことを考えていきましょう。

Point1 現在使用している家電製品をピックアップする

まずは現在のお家で使っている家電製品をピックアップしましょう。冷蔵庫、洗濯機、電子レンジのような大物家電だけではなく、携帯、パソコン、電気シェーバーなど電気を使うもの全てをピックアップしましょう。

Point2 現在使用している家電製品の使用場所を考える

次にそれらの家電製品をどこで使用しているか考えましょう。今現在たこ足配線になっている場所はコンセントが足りていない場所です。またコンセントが無いため、本来使いたい場所ではない所で渋々使用している場合もあります。その場合は本来使いたい場所を考えましょう。

Point3 現在使用している家電製品を使用するタイミングを考える

例えば、テレビや冷蔵庫のコンセントは基本的にはずっと差しっぱなしなので、そのコンセントは他の家電製品が使用することはできないと考えた方が良いでしょう。寝る時に携帯を充電するためのコンセントは寝るタイミングでしか使用しませんが、枕元にスタンドライトなどがある場合、携帯の充電と同じタイミングで使用するため、コンセントは2つ必要になります。

Point4 新規に購入する家電製品について考える

リノベーション後に新たに家電製品を購入するお客様も少なくありません。
打ち合わせの段階から新たに購入する家電製品について考えておきましょう。 新たに家電製品を購入する場合は、どこでどのように使用するかもヒアリングしましょう。

 

また、以下の表は内線規程による部屋の大きさに対しての必要コンセント数です。参考にしてみてください。
なお内線規定とは電気の安全を確保するための民間自主規格です。

引用:Panasonic HP

コンセントを設計するときに気をつけるポイント

次に設計の立場で気を付けるポイントをご紹介します!

Point1 アース線が必要か

先ほども出てきた「アース線」ですが、アース線は家電製品と地面を繋いでおり、漏電した際にアース線を伝って電気を地面に逃がす役割をしています。
電化製品の中にはアース線の設置が義務付けられているものがあります。


【対象電化製品】
・洗浄便器
・洗濯機
・電子レンジ
・食洗器
・冷蔵庫
・エアコン
・衣類乾燥機
・台所、厨房、洗面所及び便所に施設するコンセント

主に水回りのものや容量が大きいものが対象となります。

逆にアース線を取り付けてはいけない場所もあります。
【アース線を取り付けてはいけない場所】
・ガス管
ガス漏れの際に引火してしまう恐れがあります。
・水道管
水道管は通電性の低い樹脂製のものがほとんどなので、電気を逃がすことができずアースの役割を果たしません。
・電話のアース
電話回線内に既にアースが設置されているため、アース線を設置すると二重に設置することになり、落雷の際に電話が壊れてしまう可能性があります。

Point2 専用回路が必要か

専用回路とは分電盤の子ブレーカー(安全ブレーカーや分岐ブレーカーとも呼ばれます。)から直接コンセント一つのみに繋がれている回路のことです。


子ブレーカーの容量は一般的に20A(2000W)になっており、消費電力の大きい家電製品が一般コンセントを使用するとブレーカーが落ちたり発熱や発火の危険性があります。
ちなみにたこ足配線が発熱や発火の原因となるのもこの理由です。例えば、1つの一般コンセントにたこ足配線で600Wの家電製品を4つ使用すると、合計2400Wになるので危ないという事になります。

消費電力の大きい家電製品は専用回路が必要となります。
【専用回路が必要な家電製品】
・エアコン
・IHクッキングヒーター
・浴室換気乾燥暖房機
・電子レンジ
・食洗器

アース線や専用回路を竣工後にやり直しをする場合は、壁や天井を開けたりする可能性があり是正範囲が広がる恐れがあるので気をつけましょう。

Point3 コンセントの高さは問題ないか

コンセントの数は完璧!と思っているあなた!コンセントの高さはどうでしょうか?
コンセントの基本的な高さは15㎝~20㎝です。しかしコンセントの高さについての法律や義務はありません。
その為、お客さまの使い方に合わせた高さに設置することが重要です。例えば備え付けのデスクでパソコン作業をするのであれば、コンセントの高さは基本的な高さではなく、デスクの上部に設置した方が使い勝手が良かったりします。
こういう所でもリノベーション後の住まいでのお客さまの具体的な暮らし方、動線が重要になってきます。

なお、冷蔵庫用のコンセントはプラグが外れても気が付いたりほこりが被らないように目に見える高めの位置に、洗濯機用のコンセントは水がかからないような高めの位置に設置しましょう。

設計打ち合わせの際には高さについての確認も行いましょう!平面図だけではなく、展開図も用いて考えるとわかりやすいです。

Point4 扉や棚板などに干渉しないか

せっかくベストな位置にコンセントを設置してもドアが開いた時にコンセントに干渉してしまって使いにくい・・・。なんていうことはありませんか?
コンセントの位置を検討する時は家具や家電製品の邪魔にならないようにしましょう。例えば、キッチンのキャビネットの棚板の上にコンセントを設置したが、そこに電子レンジやオーブントースターを置いたためにコンセントが使えなくなってしまった。という失敗例もあります。この場合、少し高めにコンセントを設置していれば、電子レンジが邪魔にならずにコンセントを使用することができました。

また、家具に被らない事も重要です。電気配線図の打ち合わせをする前に家具の位置を図面に落とし込んでおきましょう。
こちらも平面図だけではなく展開図にも家具やコンセントを落とし込んで考えると、家具に干渉してしまうという事が少なくなります。

「Point5 コンセントの設置位置は妥当か

最後にコンセントの設置位置を再検討しましょう。
参考までに筆者がお客さまと打ち合わせをしていく中で、要望としてよく挙げられるコンセントの設置場所をご紹介します。

【おすすめのコンセント設置場所と用途】
・ベッドサイド・・・携帯の充電や加湿器など
・キッチンの調理台の上・・・ブレンダーやハンドミキサーなど
・ロボット掃除機の充電場所
・クローゼット内・・・掃除機の充電、スチームアイロンなど
・廊下・・・掃除機をかける時
・ダイニングテーブル付近・・・ホットプレートのような卓上で使用する調理家電
・書斎のデスク上・・・パソコン、携帯の充電など
・ソファ付近・・・パソコン、携帯の充電など

こちらはあくまでも一例です。お客さまの暮らし方に合わせたコンセントの位置を提案することが重要です!

まとめ

今回は「コンセント」についてご紹介しましたがいかがでしたか?
お客さまと電気配線計画の打ち合わせをする際にはゼロからスタートするのではなく、基本的な場所にコンセントを落とし込んだ電気配線図をベースに打ち合わせすることをおすすめします。慣れないうちはどこにコンセントを設置したら良いのかイメージが沸かないことも多いと思うので、先輩方に聞きながら図面に落とし込んでみましょう。
また、1個1個のコンセントの設置場所や高さを確認しながら打ち合わせを進めていきましょう。結構時間がかかるかと思いますが、お客さまも具体的な住まい方をイメージすることができます。

竣工後にコンセントを追加するとなると、状況によっては施工範囲が広くなり、費用も掛かってしまう場合があります。少ないよりかは邪魔にならない程度に多い方が良いと思います。特にTV周りやキッチン周りはコンセントが足りなくなりがちなので気をつけましょう。

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