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2022.07.31

リノベーションの現地調査って実際どうやるの?~【第2弾】排水・換気・電気設備、マンション編~

マンションリノベの現地調査って実際どうやるの?~【第2弾】排水・換気・電気設備編~

この記事のポイント!

  • 排水経路は【排水方法・壁排水芯の高さ・PSの場所】の3つを確認!
  • 排気経路によってはダクトを露出させる?
  • 既存にはない設備を取り付ける場合は、メーターボックスを見よ?

前回の「現地調査ってどうやってるの?~持ち物と採寸編~」の記事から引き続き、今回は以下の現地調査で確認する項目の⑤~⑦の設備にまつわる3項目をお届けします。

見方がわかれば、竣工図が手元になくても経路の想定ができるようになりますよ。


<現地調査で確認する項目>
① 水平面寸法
② 垂直高さ寸法
③ 建具、開口部寸法
④ 壁厚
⑤ 排水経路
⑥ 換気経路
⑦ 電気通信・防犯設備
⑧ 仕上げ・下地
⑨ 専用部分の可動・劣化状況
⑩ 既存利用品はないか
⑪ 共用部の搬入経路


では、前回お伝えした、持ち物の白図の4枚目に排水・換気・電気等の設備まわりを記載していきましょう!

⑤ 排水経路

フルリノベーションで、設備機器を移動する場合、特に重要になるのが、排水経路です。

既存の排水経路からどのように新しいプランで設備機器を配置するかによって、床の高さや壁の厚みに影響がでます。

3STEPでチェックしていきましょう!

STEP1:排水方法を確認する

排水経路を記載する前にまずは、排水方法を記載しておきましょう。
現調時に記載しておく排水方法の種類については、以下の3種類です。

a~cの記号は、既出の記事の「現調でわかる排水方法の種類」にあわせて記載してますので、排水方法については、こちらで復習してくださいね。


参考画像:洗面台下の床排水・壁排水

スラブ下排水のときは、給水経路は天井造作を通って壁から設備機器へ配管されることが多いので、排水チェックとあわせて給水管が床と壁どこからでているか、確認しておきましょう。

STEP2:壁排水芯の高さを採寸

移動する可能性のある設備機器が壁排水の場合は、排水芯の高さを計測しておきましょう

便器の後ろやキッチンの点検口を見たときに壁排水や横引き配管があれば写真を撮っておくと楽です。

参考画像:便器の壁排水芯チェック

STEP3:PSを探す

設備機器の排水方法を確認したら、PS(パイプスペース)を探しましょう
竣工図で確認できなくても販売図面に記載されていたり、PSの接続部には点検口が設けられていることが多いので、壁・床・天井に点検口がないか探してみましょう。

それぞれの排水方法とPSの位置を把握すると、排水経路が置床の下なのか、壁の中を通っているのか、スラブの下なのかを想定する鍵となります。

 

また点検口がある場合は、竪管に接続されている横引き配管の方向が経路想定のヒントになります。


参考画像:浴室点検口からスラブ下配管をみる

⑥ 換気経路

リノベーションでは既存天井をなくして既存天井面をみせることがあるので、排気経路によっては、ダクトを露出させるかを検討しなければなりません。

次の4STEPSで設計前にダクト経路をおさえておきましょう。

STEP1:機械換気設備チェック

キッチンのレンジフード、浴室や洗面所・トイレの換気扇をチェックしましょう。
20階以上の高層マンションの居室の場合は、第一種換気になっているので、天井内にロスナイがあり、メインの水回りの他の居室にガラリ(換気口)があります。

STEP2:天井点検口をチェック

浴室などの天井点検口から換気設備機器に接続されているダクトの方向をみて経路を想定しましょう

STEP3:自然換気口のチェック

高層マンション以外のほとんどのマンションでは、第一種換気で、寝室やリビングなどの外気に面する居室には外部につながる給気口が設けられています。

新しいプランで、既存の給気口をふさがないように給気口の位置を把握しておきましょう。

参考画像:室内給気口

STEP4:室外から排気口・給気口を探す

基本的に室外の壁面に排気口や給気口が露出しています。共用廊下やバルコニーへでて、換気口がないか探してみましょう。

基本的に排気口がΦ150のものはキッチン用、Φ100のものは浴室や洗面所用です。

※集中ダクト方式でダクトスペースがある場合は、販売図面や竣工図で一見PSにみえる空間がレンジフードの排気先になっています。レンジフードの排気口が見当たらない場合は図面を確認しましょう。

参考画像:バルコニーからみる換気口とスリーブ
(最上部:排気口、中部:エアコン用設備スリーブ、下部:給気口)

排気機器のスタート地点から排気口のゴールがわかると、途中に梁型や下がり天井があるので排気経路の想定がしやすくなりますよ!

⑦ 電気通信・防犯設備

電気関連で確認することは大別して以下4点です。

1.分電盤の電気容量をみる、単相3線か2線か?

スマート分電盤の場合は、サービスブレーカーに契約容量の記載がないので管理会社や電力会社に契約上限を質問。

単相2線の場合は200Vの電気機器が使用できないので要注意。

参考画像:①の箇所に容量と単相3線か2線か記載あり
引用元:nomu.com

2.TV端子の箇所

現状よりTV端子の個数を増やしたり大きく移動すると、TVのレベルが下がって繋がっている他の住戸の視聴状況に影響がでる。

(ブースターをつける等の対策が必要)

3.電話端子の位置

光ファイバーなどネット契約する際に既存の電話端子から配線を差し替えて工事することがあるので、既存位置を把握しておく。

(リノベ計画によって、既存の配線とび込み位置には点検口を設置する)

4.防犯・防災設備

オートロックの有無、インターホンの交換の可不可、自動火災報知設備(または住宅火災報知器)の設備を確認。

 

特にセキュリティ会社などに通信接続されているインターホンや火災報知器は、断線するとサイレンがなるため、事前に管理人や管理会社に工事の際の注意点を聞いておく。

おまけ:既存にはない設備を取り付ける場合は?

既存宅内になかった設備を新設する場合は、以下の2点もみておきましょう。
一般的にメーターボックス内にありますよ。

ガス容量

給湯器の容量をあげたい場合や床暖房を新たにガスで新設したい場合は、ガス容量もおさえておきましょう。

 

マンションでは、一般的に4号か6号のメーターがついています。

※24号給湯器を使用したい場合は、6号のガスメーターへの交換が必要です。
※交換の場合は、容量UP可能かマンションの管理組合に確認しましょう。

参考画像:ガスメーターの容量チェック箇所
引用元:交換できるくん

水道の水圧

築古マンションや最上階の住戸の場合は、水圧が弱い場合があります。

タンクレストイレを設置する場合などは、事前に確認しておくといいでしょう。

 

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