現在、建築/住宅系の学生さんで住宅の仕事に携わりたい!と思っていても、住宅業界ってどんな業種があってどんな会社があるの?と思う方、多いのではないでしょうか?
住宅業界といってもその幅は広く、主に新築戸建てを扱う企業もあれば、マンションを取り扱うディベロッパー、中古物件のリノベーションなど業界内の企業や仕事は多岐にわたります。
今回は、そんな住宅業界を知っていただく第一歩として、カオスマップを作成してみました!
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目次
カテゴリ
住宅業界と聞いて、みなさんが思い浮かべるのはどんな業種・会社でしょうか?
今回は住宅業界の企業の中から、
- パワービルダー
- 総合ディベロッパー
- マンションディベロッパー
- ハウスメーカー
- リフォーム・リノベーション
- 設計事務所
という分類でそれぞれの特徴をご紹介します。
パワービルダー
一般的には、戸建分譲を得意する建売住宅販売業者のことを指します。
住宅街を歩いていると、時々似たタイプの戸建住宅が綺麗に並んでいる区画がありますよね?あのような街並みを作っている企業がパワービルダーと呼ばれています。
主に郊外の土地に、割安な住宅を大量生産することで他の企業がマネできない魅力的な価格で提供できる一方で、顧客の希望にあわせて作るというよりは、スピード感のある家づくりに注力している場合が多いです。
その他パワービルダー業界の特徴としては、飯田グループホールディングスが業界の中心となっており、一建設・アーネストワン・飯田産業・東栄住宅・アイディホーム・タクトホームのグループ会社6社が、平成13年に上場を廃止して飯田グループの傘下となり経営統合されたという経緯があります。
ex.) 飯田産業、ファースト住建など
総合ディベロッパー
不動産業界の仕事内容は、多岐にわたりますがその中でも「企画」・「開発」をメインとするのがディベロッパーです。
中でも総合ディベロッパーは、新築マンション開発にとどまらず、大規模商業施設や、レジャー施設の建設も含め、幅広い大規模建築を開発しており、街づくりに寄与している業界といえます。
また、大規模建築物を作るという面では、ゼネコンや組織設計との違いがイメージしづらいとの声も聴きますが、ゼネコンや組織設計が建築物の設計や施工などが「作る役割」を担う一方で、ディベロッパーは、その土地に何を作るべきか?という「作るものを決める役割」を担っています。
住宅事業としては、分譲マンションの開発がメインで、マンションを建設する土地やターゲット層の選定などの企画の段階から携わります。
ex.) 住友不動産、東急不動産、東京建物、野村不動産
マンションディベロッパー
総合ディベロッパーと異なる点は、住宅を専門に企画・開発をしている点で、主にマンション開発を手がけるディベロッパーのことを指します。
マンションと一言でいっても内容は様々で、タワーマンションの様な大規模分譲マンションの開発を得意とする企業もあれば、個人が所有する土地に対して、投資用のアパート建設をメインとしている企業もあります。
また各社、単なる居住用ではなくジムやコンビニ等、様々な設備、施設を入れることで独自のロイヤリティを持たせて、ブランド展開をしています。
一方で都心部や駅近などの人気エリアには、既に建物が建っている場合が多いため新しくマンションを建設できる土地は減ってきており、不動産経済研究所調べによると、新築マンションの供給戸数は全盛期(2000年)の約半分以下となっています。
ex.)コスモスイニシア、タカラレーベン、穴吹興産
ハウスメーカー
戸建の注文住宅事業をメインとしている企業を指します。
パワービルダーとの違いは、お客さんの要望に合わせて設計するため、要望を十分にくみ取るためのコミュニケーション能力が必要となる場合が多いです。
ただ企業によっては顧客対応は営業、プランニングは設計というように分かれている場合もあるので、詳しく調べる必要があるでしょう。
また、企業によって自由設計の場合やプレハブ工法である程度型が決まっている等、設計の自由度の違いがあるのもハウスメーカーの特徴ですので、設計の自由度を重視する人はその企業の使用している工法なども調べておきましょう。
業界の今後の展望としては、長期的な人口減少や職人不足の影響を受けて、マンション同様に需要はゆるやかに減少していくと考えられています。
野村総合研究所のデータによると、持ち家戸建の需要は2030年には2018年の約2/3に程度になるとも言われています。
そのため、積水ハウスや大和ハウス等の最大手企業は海外展開や商業施設事業等を行うなどして多角的に事業展開を進めています。
ex.)大和ハウス,積水ハウス,一条工務店
リフォーム・リノベーション
リフォームとは、主に古くなった住まいを新築時の状態に近づけることを指し、リノベーションは、間取りから内装・配管などすべてをゼロから作り直すことで、機能を刷新し、新しい価値を生み出す改修を行うことを指す場合が多いです。
さらにこの業界を大きく分けると、業者が物件を仕入れて今後お客さんが入居することを想定して既に改修工事をした状態(リフォーム済みの状態)で売り出す『買取再販方式』と、お客さんが中古住宅を購入したのちにお客さんの暮らしやライフスタイルに合わせてリノベーションを行っていく『請負型方式』があります。
また、近年空き家問題や人口減少に伴い、既存ストックの活用が重要視されはじめ、国の政策としても中古住宅流通やリフォーム市場の倍増を目指すなどの動きがでてきています。
その結果、異業種からも新規参入が増えており、急速に成長している業界でもあります。
ex.) インテリックス、グローバルベイス、リノベる、リビタなど
設計事務所
設計事務所の特徴は、ずば抜けた設計力の高さからデザイン性の高い家づくりを実現できる点にあります。
仕事内容としてはクライアントのご要望に合わせて設計や設計監理を行い、施工は工務店などに委託します。
そのため独立的な立場で両者の間に立って仕事を進めていくことが求められます。住まいに対してのこだわりがあり、個性的な家づくりがしたいという方には良い選択肢の1つと言えます。
ex.) 隈研吾建築都市設計事務所、ブルースタジオ、 スキーマ建築計画
まとめ
一言で住宅業界と言っても、業種や会社によって仕事内容が大きく異なります。また、各カテゴリの中もより細かな分類があるので、まずは業界理解を深め自分に合った企業選びをしましょう。
また昨今、空き家問題が騒がれているなか、新設住宅の着工数は減少し続けており、住宅業界の大きな課題となっています。
そういった状況に伴い、多角的に事業展開を進めている企業が多いです。
こういった大きな課題に各企業がどう向き合っているかという点は、皆さんの今後の人生を考える上で、重要な企業選びの軸といえるでしょう。
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