~この記事でわかること~
- 二級建築士資格は是非取るべし
- 費用を抑えたいなら独学
- 効率重視なら資格学校へ
みなさん、こんにちは!
建築に携わる人たちにとって、まず始めに目指す資格が「二級建築士」。
しかし、国家資格であり、なかなか簡単には試験に合格できません。大変な思いをしてまで取得する必要があるの?と思っている方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は二級建築士についてと資格を取得した時のメリット、勉強方法などを紹介していきたいと思います。
最後に筆者の体験談も紹介していくので是非最後まで読んでください。
目次
二級建築士とは?
建築士とはある一定以上の規模の建物を設計したり施工管理する場合に必要な資格になります。
一級建築士には設計する建物に制限がありませんが、二級建築士は設計できる建物に制限があります。
どのような制限かというと、
・木造建築物:3階建以下。建物高さ13mかつ軒高9m以下。延べ面積1,000㎡以下(高さによって異なる)。学校や病院などの公共施設は500㎡以下。
・木造以外:3階建以下。高さ13mかつ軒高9m以下。延べ面積300㎡以内(高さによって異なる)。
です。
一級建築士と比べると小規模になります。
また、二級建築士試験は誰でも受験できるわけではありません。
二級建築士の受験資格は
・大学、短期大学、高等専門学校、高等学校、専修学校、職業訓練校等において、指定科目を修めて卒業した者
・建築設備士
・その他国土交通大臣が特に認める者(外国大学を卒業した者等)
※実務経験:所定の年数以上必要
・建築に関する学歴なし
※実務経験:7年以上
です。
2020年度から建築士の受験資格が変わり、以前までは大学卒業後に受験資格が得られたのですが、改正後は高校などで建築士指定科目を修めた人は卒業後すぐに受験できるようになりました。
受験内容・スケジュールは?
二級建築士には学科と製図があります。まず最初に学科試験を受け、合格したら設計製図試験を受けることができます。
こちらが受験スケジュールです。
引用:建築技術教育普及センター
詳しくは下記の建築技術教育普及センターのHPをご確認ください。
建築技術教育普及センターHP
合格率はどれ位なのでしょう?
全体で25%、学科試験の合格率は40%前後、設計製図試験の合格率は50%です。
もちろん勉強しないと落ちます。設計製図試験も合格率50%と言っても、何も対策を取らないと落ちる試験です。
二級建築士取得のメリットとは?
では、二級建築士資格のメリットとは何なのでしょう。
ここでは代表的なものを4つご紹介します。
1.専門的知識が身に付く
建築全般について勉強するので、幅広い専門的な知識が身につきます。
2.お客様からの信頼度が上がる
資格を持っていることで建築の知識と経験があると認識され、お客様や取引先から信頼度が高くなります。無資格でも知識や経験が豊富で仕事ができる人もいますが、資格保有者は信頼度が上がります。
3.会社内での昇給につながる
二級建築士を取得することで基本給に資格手当てが上乗せされたり、お祝い金が出る企業もあります。また、昇格に繋がる場合もあります。
4.転職に有利
求人要項の必須項目として二級建築士をあげている企業も少なくありません。もちろん経験や実績も大事になってきますが、やはり転職に有利になります。
二級建築士になるための勉強方法は?
では、ここからはどうやったら資格を取得することができるのか、主に勉強方法をご紹介していきます。
まず、勉強方法は独学or学校に通うor通信講座の3択になります。
一級建築士の内容とほぼ同じになってしまいますが、それぞれのメリット・デメリットを見ていきましょう。
①独学
メリット
・費用がかからない。
資格学校に通うより1/10〜1/100の金額ですみます。資格学校の費用って結構な出費ですよね。
・自由度が高い。
自分のペースで勉強することができます。急に仕事が入ってしまって、学校に行けなくなるということがありません。
デメリット
・サポートしてくれる人がいない。
分からない時に聞ける人がいないため、理解するまでに時間がかかります。
・孤独になる。
一緒に勉強する仲間がいないので心が折れる時があります。
・スケジュール通りに進まないことがある。
自由度が高いが故に、スケジュール通りに進まず試験日までに試験範囲の勉強が終わらないことがあります。
・効率が悪い
試行錯誤しながら進めていくので、ポイントを抑えて説明してくれる資格学校に比べるとどうしても効率が悪くなってしまいます。
②資格学校
メリット
・効率よく勉強することができる。
ベテランの講師陣が試験に合格するための授業を行ってくれるので、効率よく勉強することができます。
・一緒に勉強する仲間がいる。
周りは同じ目標に向かって頑張っている人ばかりですので、モチベーションが維持できます。
・時事問題や新傾向対策ができる。
毎年何問かは新技術や新傾向問題が出題されます。やはり独学で過去問題を解いたりするだけでは情報が不足しがちになってしまいます。
デメリット
・費用がかかる。
大手は100万位かかってしまいますよね。先行投資と考えてもなかなか躊躇する金額です。
企業によっては補助があったり、一般教育訓練給付制度が適用できる人もいるので是非活用しましょう。
・通学時間がかかる。
現在ではWeb講座などもありますが、学校が近くにない場合は通学に時間がかかってしまいます。
③通信講座
メリット
・学校に通うより費用がかからない。
独学よりは費用がかかってしまいますが、学校に通うよりは費用はかからない場合があります。
・独学より効率よく勉強することができる。
フィードバックやWeb講座を受けることができたりするので、ポイントを絞って勉強することができます。
デメリット
・分からない時にすぐ聞くことができない。
その場に講師がいるわけではないので、内容が分からない時に直接すぐ聞くことができません。
・製図対策には向かないことが多い。
特に製図が苦手な方は講師の書き方を見ながら学んでいった方が上達します。
このようにそれぞれメリット・デメリットがあり、人によって適切な勉強方法は変わってきます。
また、現在ではWeb講座、短期集中講座や模擬試験などあるので、みなさんの生活スタイルに合った勉強方法を探してみてください。
筆者の勉強方法を大公開
最後に筆者が二級建築士を取得した時の勉強時間や勉強方法について紹介します。参考になると嬉しいです。
筆者の場合は初受験が社会人2年目の時で学科一発合格、製図は2回目で合格です。
学校or独学or通信?
学科は通信講座で勉強し、製図は学校に週1で通いました。
経験からして、学科は独学でも合格できますが、製図については学校に通った方が効率よく、合格しやすいと思います。なぜなら5時間以内に平面図・小屋伏図・立面図・矩計図などの図面を描き上げなければならず、スピードとコツが必要になってくるからです。学校では試験課題に沿った授業をしてくれるので、効率的に勉強することができました。
特に今まであまり図面を書いてこなかった人には学校はお勧めです。
学校に通うとなると費用がかなり掛かるというイメージでしたが、筆者は学科の通信講座も製図の学校も大手ではないかなり格安の所に通っていました。
企業によっては資格支援制度のようなものがあり、合格後に費用が戻ってくるところもあります。
勉強時間は?
学科は2月から勉強し始め、平均で平日3時間、休日5時間位は勉強していました。
製図については、1回目はほぼゼロ(やる気がなかったのです。)、2回目は7月から勉強を始め、平均で平日4時間、休日8時間勉強し、友達とも一切遊ばず引きこもり生活を送っていました。
勉強方法は?
学科はひたすら問題を解く!筆者の場合、テキストを読んでも頭に入ってこないので、問題を解いて解説や関連事項から色々と覚えていきました。
また、通勤時間は必ず勉強にあて、携帯で問題を解いたりポケットサイズのテキストを持ち歩いたりし、隙間時間を無駄にしないよう心がけていました。
学科の勉強の時は1日のスケジュールをたて、それが終わるまでは寝ないという夜型のルーティーンでしたが、製図の時は、仕事から帰宅したら速攻寝て、早朝に勉強するという朝型に切り替えました。
製図の勉強の時も最初は夜勉強していましたが、仕事で疲れて体も頭も怠く、全く捗らなかったのです。思い切って寝てから勉強したら頭もさえ、効率がよくなったので、製図の勉強はほぼ早朝にやっていました。
ちなみに筆者は全く朝方ではありません。今考えてもよくできたなと思っています。製図は一度落ちており、また落ちたら学科からの受験になってしまう為、それだけは絶対避けたいという気持ちが勝ったのだと思います。かなり追い込まれていました・・・。
また、職場にも建築士を受験することを伝えて、少し配慮してもらっていました。
筆者の場合、勉強期間を通じてモチベーションが下がることはなかったですが、Twitterで同じ境遇の人のツイートを見て焦りを感じたり、励まされたりはします。やはり仲間がいるといいですよね。
最後に
筆者の場合、仕事との両立が一番大変だったので、今大学生で将来建築士の資格を取りたいと思っている方は、できることなら大学在学中から少しずつでも勉強を始めていくことをお勧めします。
また、受験資格を満たしているのであれば、一気に一級建築士試験にトライすることもできます。
勉強中は辛くてしんどいですが、二級建築士に合格すると達成感を味わうことができます。
また、成功体験ができるため、二級建築士取得後に壁にぶち当たったとしても、あの時頑張れたのだから。と思うことができ、メンタル面でも成長することができます。
これを読んでくれたみなさんも是非頑張って資格をゲットしてください!
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