~この記事でわかること~
- ディテール次第でトラブルも?
- 片開き戸・両開き戸のおさめ方を理解しよう!
- わからないことは先輩に即相談!
住宅設計を行う上で必ずインプットが必要になるのが、細かいディテール(詳細)です。このディテールのおさめ方次第で、トラブルを生むこともあります。しっかり理解して設計を進めていきたいですね!
この連載では、リノベーションによる住まいの設計をしていれば必ず描くこととなるディテールの描き方例をご紹介します。もちろん、取り上げる以外のおさめ方もいろいろありますので皆さんの先輩の図面をディテールを中心に集めても良いかもしれません。(筆者もリノベ設計をはじめた直後に、先輩たちの図面集めを行いました!)是非、インプットしておきましょう!
目次
開き戸とは?
今回、取り上げるのは「開き戸」です。
マンションでは、基本的には「開き戸」と「引き戸」の二択かと思います。中には折れ戸、カーテンで仕切るなんて方法もあるかと思いますが、「開き戸」はその中でも主要な戸に分類されるかと思います。「開き戸」も大きく分けると “片開きタイプ ” と ” 両開きタイプ “ があります。
では、早速おさめ方を簡単な手書き図面でご紹介します。
引用元:LIXIL HP(ラサッシ カタログ)
開き戸のおさめ方 − ①
まずは最も主流な一枚扉で片側に開く「片開き戸」です。一般的には開口部両側を枠でおさめることが多いかと思います。枠にも種類があり大きく分けると「固定枠」と「ケーシング枠」の2種類があります。今回はよりスッキリ見える固定枠でおさまり例をあげてみました。壁仕上げより枠が少し出ることで綺麗に仕上がります。
蝶番=ヒンジと呼ばれる金物が付く吊り元や、開き勝手(方向)をどちらにするのかも十分検討し、図面に落とし込みましょう。
開き戸のおさめ方 − ②
また、ワンランク上の空間にするおさめ方として、開口部片側を壁と同じ仕上げでおさめ、枠のないミニマルなデザイン方法もあります。
リビングなどメインの居室側から見た際に「壁になじませる」「扉のデザインをより引き立てる」などの時にオススメです。図の例のように仕上げを巻き込んでおさめる場合、枠が無い分開口部角の強度が落ちるので、開口部周囲だけでもPBではなく強度のある下地を使用することをオススメします。
開き戸のおさめ方 − ③
次に、2枚扉の別名:観音開きとも呼ばれる「両開き戸」です。
その中でも扉が大小分かれるタイプでリビングドアとして用いられることも多い “ 親子ドア ” のおさまり例をみてみましょう。このおさめ方の特徴的なところは、” アストラガル ” を子ドア側に取り付けて、親ドアの戸当と隙間の目隠しするところかと思います。子ドア側には可動タイプのストッパー ” フランス落とし ” を仕込みます。
アストガルとフランス落とし
ワンポイントアドバイス
一般的に開き戸は引き戸よりも気密性・遮断性が高く、防音や防寒対策にもなり、玄関からリビング・寝室への入口などの建具として設けらることが多いです。特に肩開き戸はデザインが豊富にあり、デザインの面から選ぶ方もいらっしゃるかと思います。
また、引き戸では危険なため設置が難しいペット用ドアも取り付けることも出来るので、ペットを買っている方にはオススメですね。開き戸は開閉時にスペースが必要で、人の行き来が多い動線上に設ける場合は開き勝手(向き)など注意が必要です!開き過ぎないようにする為に、ドアストッパーやドアクローザーを設置したり、風圧などで勢いよく閉まるのを予防するソフトクローザーなどを取り付けるなど、必要に応じて金具等を追加するようにしましょう。
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