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2022.07.17

「引き戸」の納まりを解説!【教えて先輩!第2弾】

「引き戸」の納まりを解説!【教えて先輩!第2弾】

この記事のポイント!

  • ディテール次第でトラブルも?
  • みんなおなじみの引き戸の納まりを理解しよう!
  • わからないことは先輩に即相談!
  • 艶の具合を選ぶのにも意味が、、?!

住宅設計を行う上で必ずインプットが必要になるのが、細かいディテール(詳細)です。

このディテールのおさめ方次第で、トラブルを生むこともあります。しっかり理解して設計を進めていきたいですね!この連載では、リノベーションによる住まいの設計をしていれば必ず描くこととなるディテールの描き方例をご紹介します。

もちろん、取り上げる以外のおさめ方もいろいろありますので皆さんの先輩の図面をディテールを中心に集めても良いかもしれません。(筆者もリノベ設計をはじめた直後に、先輩たちの図面集めを行いました!)

是非、インプットしておきましょう!また【教えて先輩!】シリーズは毎週金曜日更新です!

 

引き戸とは?

今回、取り上げるのは「引き戸」です。

マンションでは、基本的には「開き戸」と「引き戸の二択かと思います。中には両開き戸、折れ戸、カーテンで仕切るなんて方法もあるかと思いますが、「引き戸」はその中でも主要な戸に分類されるかと思います。

では、早速おさめ方を簡単な手書き図面でご紹介します。

 

引き戸のおさめ方 – ①

床を無垢フローリングを貼り、周辺の壁は塗装の前提で図面を作成しています。見ての通り、そこまで複雑なおさまりではありません。引き戸自体をどれだけ「壁になじませるかを目指したデザインかと思います。その為、金物や目立たないように上部の振止用の金物は既製品でも代用品があるかもしれませんが、オリジナルで制作することを前提にしています。

一点抑えておきたいことは、廊下や居室に戸が出っ張るため、引き戸を設置して、明ける際の引き込み箇所へはモノをおくことができないゾーンとなることです。もし無理やり家具などを置く場合壁から戸の厚み分離した位置におく必要があります。家具のレイアウトを考える際には注意しましょう。

また、この扉は下へ必ず戸当りを付ける設定にしていますが、勢い良く閉めると、上部の溝に刺さる振れ止めが扉を溝を突き抜けてしまい、外れてしまう場合もあります。小さなお子さまなどいたずらをしてしまう場合あがある場合は別の方法を提案することも良いかもしれません。

 

引き戸のおさめ方 – ②

これも「①」同様に、無垢フローリングを貼った前提の図面となっています。①との違うところは、枠があるところと、廊下や居室側に戸が出っ張らないことです。上部に吊りレールを仕込むことにより、ゆっくり閉まるようになるソフトクローズの吊り金物を選べば小さなお子さんが勢いよく閉めたとしても戸が痛まないで済みます。

デメリットとしては、枠が目立つこととと、戸を入れ込むために、壁が厚くなっている点です。

デザインをこだわりたい場合はノイズになる場合がありますが既製品でもこの形状のものも多いのでコスト削減を検討する意味では既製品へ切り替えることもアリです。もし既製品に切り替える場合必要な壁の厚さが変わるため注意が必要です。

しっかり確認しておきましょう。

 

ワンポイントアドバイス

戸を検討する場合、デザインとしてできる限り壁となじませたい、そう思う方も多いのではないでしょうか?

なじませる方法として、ディテールの話ではありませんが、壁の塗装と同材同色で塗装をすることが良いかと思いますが、一点デメリットとしては、リノベーションで多く使われる白色でなおかつ、艶消しの塗装を起用する場合は、手垢などの黒ずみが目立ちやすい可能性があります。壁になじみ切るという意味では逆効果になりますが少しでも艶がある塗装にしておいた方が黒ずみが付きづらくなるかと思います。筆者は壁は艶消し、扉は五分艶にしてたりしていました。しっかりお客様へ説明の上で選んでいただいた方がトラブルの回避に繋がるかとも思います。

いかがでしたでしょうか?
地味な部分かもしれませんがリノベーションの設計者としては理解しておきたい部分だったかと思います。是非りインプットもしっかり行った上で良い提案に繋げていただければ幸いです!是非ご活用ください!

 

 

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