この記事のポイント!
- インターネットはマンション全体で一括して通信回線契約していればそのまま利用
- 1次飛び込み位置の確認・共有は必須
- 配線は配管の中に!
- インターホンや防災防犯設備は連動式に注意
前回の記事では、マンションリノベにおける弱電とは?弱電の種類はどんなの?など、基本的な事について説明してきました!
今回は実際に工事を行う際の注意点を解説していきます!
▼前回の記事はこちら
目次
電話・インターネットLAN工事の注意点
過去記事にもあるように、電話とインターネットLANは方式が多種多様です。
マンションによって対応方法・関連業者も変わり、配線方式毎の詳細は書ききれないので、大まかなポイントをみていきます!
何よりもまずは〜前編〜で書いたように必ず『マンションの配線方式を確認』が大切です。
ポイント①:各住戸に回線まで通っている場合
大元(1次)だけでなく各住戸・各ジャックまで、マンション全体で通信システム会社と契約をしてる場合
➡︎専有部の配線を抜いたり,切断,隠蔽すると、回線を使って使用する設備が使用できなくなります。
- 光回線方式(光電話・光ネット・光TVなど)
- CATV=ケーブルテレビ方式
が配線方式になっている場合が多いです。
この場合、管理費・共益費に契約料や使用料が含まれている可能性があります。
状況や計画によっては、マンション全体で契約してる通信システム会社に連絡が必要な場合もあります。
現地調査の際に、
「何の線がどこまで来ているのか?」
「リノベ工事で触っていい線・ダメな線は何か?」
をしっかり確認しておきましょう。
※管理人さんは詳細を把握していない場合が多いので注意して下さい。
ポイント②:1次飛び込み位置の確認
電話機を繋げる場合は勿論、電話配線を用いてインターネット信号を送る方式もあります。
ADSL方式・VDSL方式・ISDN方式がこれに該当します。まず、大元の幹線=1次の専有部への飛び込み位置は絶対に確認してください!メンテナンスやインターネット通信業者が工事をする時に、位置が分かっているとスムーズなので現場確認の時や引き渡し時にお客様に場所を説明しておきましょう。
最終図面をお渡しする場合は手書きでもいいので書き込んであげると親切です。
ポイント③:配線用の配管は必須
1次飛び込み位置から電話機やモデム・ルーターなどの機器設置場所のジャックまで配線をする場合、まず配線用配管を施工し、その配管の中に配管を通す様にしましましょう!
配線は基本、天井・壁・床下の中を通しますが隠蔽される為、配線のみだとメンテナンスの際や通信会社が工事をする際に通せなくなってしまいます。そこで、配管を設けておけばリノベ工事が終わっても配線を通す道が確保されるのです。また、配線自体を保護する役目もあります。
画像引用:古河電気工業株式会社 HP
ルーターなどから各部屋にLAN配線を計画する場合や、将来的にLAN配線を通したいけど今は必要ないという方にも、空配管だけリノベーション工事で施工しておきましょう!
後々、配線を通すのに空配管が施工してあればスムーズです。
逆に配管が無いと線が通せず、壁や床などを剥がさないといけなくなります。
インターホンもリノベ工事に関係する?
インターホンで注意が必要なのは、+αで連動機能がある場合です!
主な+αの機能 | 詳細 |
---|---|
オートロック解錠 | オートロックマンションの場合、インターホンに解錠ボタンが付いていることが多いです。 |
警報 | 非常ボタンなど警報機能が付いている場合があります。 何処に通報が行くのかなど、連動システムを確認する必要があります。 |
インターホンに連動機能が付いている場合は、機器の新設が難しくなります。
オートロックをはじめ、マンション全体の連動システム=オーダーメイドのような物なので1戸だけ変えることは出来ません。表のカバーだけを交換することは可能な場合もあるので、ご要望があった場合は確認してみて下さい。
また、配線を触ることは控えた方がいいので、設置場所は制限される可能性が高いので注意しましょう!
注意が必要な「防災設備」について
あまり弱電のイメージが無いかもしれませんが、防災設備も弱電に入ります。
ただし、全てではなく防災システムと連動しているが該当します。
具体的には以下です。
- 連動式自動火災報知器
- 非常ベル / 警報ベル
前述の連動機能付きインターホンと同様に、機器を新設することは難しく、カバーが無い商品が多いので基本は既存利用になるかと思います。また、移設も難しいです。
どうしても移設・増設が必要な場合は、管理会社や管理人に確認をしましょう!出来ない場合もあれば、可能でも配線工事中はシステムを止めてもらわないといけない場合があります。
勝手に工事をして、警報音がマンションに鳴り響いたり、システムが作動し警備会社の方が駆けつける事態にも成り兼ねないので気をつけて下さい!
重要なポイントに絞ってみてきましたが、それでも頭が痛くなる内容ですよね。
マンション毎のシステム・配線方式によって出来ること / 出来ないこと、しなければいけないことが異なるので、一番最初に書いた様に『マンションの配線方式=配線経路とシステムの確認』が本当に重要になります!
専門分野になるので、間違った自己判断をする方が危険です。
まずはしっかり確認をして、それを元に専門業者に相談をすることをオススメします!
▼関連記事はこちら