
この記事のポイント!
- 弱電の工事をする前に「マンションの配線方式の確認」は必須!
- テレビ配線が直列(送り)配線の場合、工事をする=他の住戸に迷惑が掛かる
- 工事をする日時を前もって知らせるのが礼儀
デザイナーの皆さんの中でも、電気関係はどうも苦手…………という方は多いかと思います。
そこで今回は、マンションリノベの電気工事、その中でも特に頭を悩ませる「弱電工事」に関わるポイントに焦点を当ててまとめてみました!是非チェックしてみてください!
目次
弱電とは?
さて、弱電とは何でしょう?
電力を通信用(情報伝達や機器制御)に使用する分野・電気設備の総称で、マンションで見られる主な弱電設備は主に5つです。
- テレビ共聴
- 電話
- インターネットLAN
- インターホン
- 防災防犯設備(オートロックセキュリティ、連動式火災報知器など)
マンションリノベ弱電工事の最重要ポイント!
最も重要なポイントは1つです。『マンションの配線方式=配線経路とシステムの確認』です!!!!!!
理由はお分かりでしょうか?
マンション=共同住宅 ➡︎ 弱電の配線も共同
だからです。これはマンションリノベの大前提なので、この認識がない方はこれを機に頭に叩き込みましょう。配線方式によって、リノベーション工事で手を加えると他の住戸の弱電が遮断されたり、マンション管理システムに影響が出たりします。
最悪の場合、抜いたり切断してはいけない線を工事してしまい、引き渡し後にその弱電が使用出来なくなり、もう一度天井・壁・床を剥がして配線し直し、状況によってマンション全体の配線工事・・・・・・・
なんてことになると、数百万〜1千万という恐ろしい費用が発生し、多大な迷惑が掛かる可能性もあります。これを防ぐためにも、事前にしっかり竣工図を確認・不明な場合は管理会社に必ず確認をしてから工事を進めましょう。
テレビ配線はどんな種類があるの?
テレビ配線方式は2種類です。
種類 | 仕組み |
---|---|
直列(送り)配線 | ・受信アンテナから分岐された同軸ケーブル(幹線)が最上階から最下階まで繋がってテレビ信号を送る方法 ・以前は主流だった方式 (※下から上に信号が送られる方式もある) |
スター配線 | ・受信アンテナから幹線の分配器で信号を等配分して各住戸に個別にテレビ信号を送る方法 ・最近の新築マンションで主流になってきている |
テレビ配線の何に注意が必要?
リノベーション注意が必要なのは『直列(送り)配線方式』の場合です。
例えば、4階でリノベーション工事をする場合には、上からの送り配線では3階・2階・1階のテレビに影響が出ます!よく起こる影響と対策をみてみましょう。
影響①:テレビ配線の工事中はテレビが映らない
リノベーション工事でTVコンセントの位置を変える場合、テレビ信号を一時遮断して工事を行います。テレビ配線が繋がっている先の階(例の場合は3〜1階)へも信号が行かないので、必然的にテレビも映りません。
【対応策】
現場側と協議しテレビ配線工事を行う日時を決め、決まったら影響が出る住戸の方へ必ずお知らせをしましょう!お知らせもせずに工事をして、在宅でテレビを見ている方は突然テレビが消えて映らなくなったり、録画していた方は録画できなかったりするとクレームに成り兼ねます。
影響②:工事後にテレビの映りが悪くなる
リノベーション工事でTVコンセントの数を既存より増やすと、テレビ配線工事後に配線先の階(例の場合は3〜1階)のテレビの映りが悪くなる可能性があります。
一つに繋がっている同軸ケーブルは信号量が決まっていますので、信号が必要なコンセントが増えたら、他のコンセントが受ける信号量が減り、映りが悪くなります。
【対応策】
TVコンセントを既存より増やす場合は専門業者に要相談!レベル調査(≒通信量)をすることをオススメします。プラン時に増設できない可能性があることを説明しておきましょう!同軸ケーブル(幹線)から直接分岐させるのはNG。分岐可能な場合も金属製分配器(コネクト)を使用し、工事後にレベルを必ず確認すること。
影響③:切断したら最後
正しい知識を持った専門業者・職人が工事をするかと思うので無いことを願いますが、、、マンションの配線方式を知らずに既存の配線を遮断したまま・切断すると、勿論、配線先の住戸ではテレビが映らなくなります。そのままにすれば100%クレームになるのはお分かりですね。
【対応策】
現場側に丸投げするのではなく、確認した配線方式を報告・共有しましょう!配線方式など必要な情報は、図面に特記するなど文字でも共有し、情報漏れや認識違いなどのミスを予防する工夫を!
次回・後編記事では、弱電についてさらに深堀りしていきます!!
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