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2022.08.28

マンションリノベのインターネット回線工事「注意点3つ」

マンションリノベのインターネット回線工事「注意点3つ」

〜この記事でわかること〜

  • インターネットの契約形態を確認
  • トラブル回避のため一次入線の飛び込み口を把握
  • 飛び込み口には点検口を設けよう!

 

2020年以降、WITHコロナで在宅勤務に働き方が変わった世帯が多い中、インターネットは以前にも増して私たちを外の世界とつなげるパイプになっています。しかしながら、通信設備に苦手意識を持つ人も多いのも事実。

 

今回は、知っているようで知らないマンションリノベ/インターネット回線工事の基礎知識に触れてみましょう!

 

今主流のインターネット回線

現在、インターネットと言えば、『光回線』を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか?

しかし、1999年に登場した『ADSL』という回線があるのをご存知でしょうか?
数年前までは、この電話回線を利用する『ADSL』でインターネットをするお客様もいらっしゃいましたが、安定した通信速度を維持する光回線の台頭と動画サービスやネットゲームの拡充によって、今や、フレッツ光の対応カバー率が東西共に90%を超えている状況となっています。そして、NTT東日本・西日本のADSLは、2023年1月31日にてサービス提供が終了が決まっています。

この回線の世代交代に伴い、お施主様が混同しがちなことがあります。

 

「引っ越したらインターネットが使えるものでしょ?」

 

電話回線のADSLに慣れていて光回線のことをよく理解していない方は、電気工事を伴うリノベーション工事をしていると、光回線の配線までしていると誤解されることがあります。しかし、基本的に光回線は契約元の業者が行うもので、リノベーション施工者側で対応することはありません。

 

電気計画の電話回線の位置をお施主様に確認するときにあわせて、インターネットについてもお話しておきましょう!(ポケットWiFi派の方もいらっしゃいます!)

 

注意点①  マンションのインターネットの契約形態を確認した?

戸建ての場合と異なり、マンションでは、管理組合で既にインターネット契約をしている場合があります。
光回線が配線されていることもあるので、重要事項説明書(略して重調)に記載のインターネット設備と契約種別を確認しておきましょう!

個人ではなくマンション契約の場合でも、専有部内の配線は一般的に区分所有者のものとみなされる場合が多いですが、既設通信配線やルーターは共有部の専用部としてみている可能性もあるため、誤って廃棄しないように管理会社に確認してください。
このようにマンションでのインターネット状況はそれぞれ異なりますが、大別すると以下3パターンです。

さくっと、覚えておきましょう!

 

インターネット状況特徴
光回線がない
(ADSLなどの旧回線が配線されている)
築古マンションに多い
マンションの共有部分まで光回線が引き込まれている宅内への配線の引き込み工事とプロバイダ契約が必要
各住戸まで光回線が配線されているマンション単位でプロバイダ契約が行わており、即利用可能。室内にルーターなどの通信機器がある場合がある。

注意点②  一次入線の飛び込み口を確認した?

さて、インターネット契約状況もわかったし、お施主様のインターネットについてお話したし、もう大丈夫か・・・!と思ったアナタ、『電話線の一次入線の飛び込み口』は把握できていますか?

 

一般的に、光回線業者が電話線から光回線に差し替える際に重要になる箇所が1次入線と新規電話線の結線の場所です。専有部外から光回線を宅内のモジュラージャック先まで配線する際に、結線の箇所で光の配線がつっかえることがあるため、『点検口』を設けることを推奨します!(マンション単位で別途光回線を引いている場合は、その1次飛び込み口に点検口をつけましょう)

 

 

点検口もなく、光回線の引き込みが上手くいかない場合は、光回線業者も手を尽くせずに諦めてしまい、お施主様の不満に繋がります。場合によっては、塞がれている1次入線の飛び込み箇所を壊すように光回線業者から要望されることがあります。

せっかく作ったお部屋に後から穴をあけることがないように、点検口は事前に設置しましょう。またお施主様から「見た目が不格好になるから点検口をつけたくない」とご希望された場合は、配線ができないリスクを伝えて改善案がないか検討しましょう。

 

注意点③  点検口をつけた?

実際に一次入線飛び込み用の点検口を設けた実例をご紹介します。

 

壁付点検口の例

 

排水管の点検口のように大きな作業スペースを有する必要がないので、コンパクトなサイズにするように、写真のように鉄板で隠したり、コンセントと同じメクラプレートをつけて、見た目の違和感を最小限にすることもあります。

 

床下点検口の例

 

レイアウトの変更で、一次入線が廊下の中央に位置することになったため、床下点検口のような目立つものはつけたくないというお施主様の意向から、フローリングの板材をカットして、蓋にした簡易点検口を作った例です。もしも配線がうまくいかなかった場合は木栓ビス止めをしてある箇所を外せば結線の部分が確認できます。

 

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【前編】マンションリノベで注意すべき弱電のポイント

【後編】マンションリノベで注意すべき弱電のポイント