マンションリノベーションをするなら、やっぱり水回りも新しく綺麗にしたいですよね。
実際、水回りを計画に含めてリノベーションすることは多いです。
既存マンションの水回りは一般の居住用であれば、キッチン・お風呂・トイレは元々設置されていることがほとんどだと思いますが、かなり築古のマンションなどでは、既存の洗濯機置場が、室内ではなくベランダの場合があります。
その場合、「リノベーション後は、洗濯機どこに置けば?室内には置けないの?」と疑問に思いますよね。
そこで、今回の記事ではその疑問にお答えしていこうと思います!
目次
室内に洗濯機置場がないってどういうこと??
そもそも、室内に洗濯機置場がないってどういう状況か分からない方もいるかもしれないので、主な例を挙げてみます。
元々洗濯機置場がない
築年数のあるマンションに見られる傾向で、当時は洗濯機自体が普及していなかった為、置場まで計画されていなかった。
外のベランダや共用廊下に洗濯機置場がある
雪国などではほとんど見かけないかと思いますが、主に室内のスペースを少しでも確保する為に、室外に置場を設けた。稀に、洗濯機用水栓はあるけど排水は都度浴室に流す(在来浴室の壁から洗濯排水の管が出ていることも)荒業のマンションもあります。
そして、室内に洗濯機置場がないマンションをリノベーションする場合、ほとんどの方が「室内に洗濯機置場が欲しい!」とリクエストされます。
さて、皆さんはそのリクエストに何と答えますか?
『リノベノシゴト』を読んでいる皆さんなら、安易に「大丈夫です!」とは言えない理由何となく予測がつきますよね……?
1にも2にも『排水』
新たに室内に洗濯機置場を計画する場合、何に注意が必要か分かりますか?
「???」という方はしっかり復習をしていきましょう!
ここでのポイントは『排水』です。
『排水』は洗濯機だけでなく水回りを計画する上でとても重要なので、まずは過去の排水についての記事をしっかり読み込んでください!
【実践編】床の高さは何cmあがる?排水勾配で床高さを計算しよう!
既存の排水を読み取るべし!
まず、洗濯機の排水種類は『雑排水』になります。
新規で洗濯機を設置する=新規で洗濯機用排水を設けるということになり、既存の排水配管に接続しないといけません。この既存の排水管の位置・様式によって、洗濯機用排水を設ける際の注意が変わってきます。
すなわち、既存の雑排水管がどの様になっているかを把握しておく必要があります。
そこで重要になるのが、計画前の事前調査・確認です。
過去の記事で現地調査の重要性やポイントをまとめているので、忘れてしまった方は読み返して下さいね!
洗濯機の排水量を侮ることなかれ!
既存の排水管が重要な理由が『洗濯機の排水量』です。
ドラム型の洗濯機は節水タイプが多いですが、縦型は水を溜めて洗うため一度の排水量は多くなります。
一度の排水量が多い=排水管へ流れる水量が増える➡︎排水管の許容量以上の排水があると流れにくくなる(詰まる)
最悪の場合は、洗濯機パンから排水が溢れたり、洗濯機用排水と繋がっている他の排水口から水が溢れてくる可能性が出てきます。(特に溜まった水をまとめて流した直後は、水の勢いが強く排水が追いつかない場合があります)
既存の排水管チェックポイント①
◆単独配管:
キッチンや浴室がそれぞれ単独で1次排水管に繋がっているタイプ。
◆合流配管:
浴室+洗面,キッチン+浴室+洗面の排水が一緒になって1次排水管に繋がっているタイプ。
出来る限り排水量が少ない排水管に接続するとよりリスクが軽減されます。
一般的には排水量が多いのは:
浴槽>洗濯機>キッチン(食洗機)>洗面
キッチンが単独配管で浴槽+洗面が合流配管の場合、リスク面からキッチンの排水管に洗濯機用排水を接続することをおすすめします。
ただし、レイアウトにも影響がでることが考えられるので、お客様の意見も踏まえての検討が必要になります。
既存の排水管チェックポイント②
【配管方式】
◆床スラブ上配管方式
◆床スラブ下配管方式
特に注意が必要なのが、『床スラブ下配管方式』の場合です。
マンションにもよりますが、床スラブ下の排水管はリノベーション工事での交換等が難しい場合が多く、経年変化・劣化している可能性が高く、詰まりやすくなっていることがあります。
特に排水管が鉛管の場合は、管自体が柔らかく劣化しやすいので早い段階で施工業者との協議をおすすめします。
何よりも事前の説明!!
上記の注意点はありますが、恐らく、室内に洗濯機置場を新設することが可能な場合が多いかと思います。
ただし、今までなかった設備を新設する場合はリスクを伴うことが大いにあります。
そこで大切なのが、お客様への事前説明です!
- 「現状はどうなっているか」
- 「希望を叶える為の方法はあるのか。その方法は何か」
- 「考えられるリスクは何か」
出来れば現地調査を報告する際に説明し、理解を得て議事録にも残しましょう。
そして、プラン決めの際や実際に工事が始まった際にも再度説明するのが良いでしょう。
これが後々のトラブル回避に繋がります(本当に大事!)
難しくは考えず事実をしっかり丁寧に説明してあげましょう!!
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