~この記事でわかること~
- 新築マンションは販売数は減ったものの、販売価格は上昇
- 首都圏の中古マンションの販売価格も上昇
- 今後の中古住宅の需要・価格の見通しは?
- 中古住宅業界に関わって業界を盛り上げていこう
みなさんこんにちは!
みなさんは、ここ近年東京を中心に首都圏の不動産価格が爆上がりしているというニュースを聞いたことがありますか?
東京都内では再開発ラッシュが起きており、一億円を超える新築マンションも珍しくありません。それに伴い、中古住宅のニーズも高まり、価格も上がってきています。
そこで今回は中古住宅業界の現状や今後、また中古住宅業界に携わるにはどのような職業があるかをご紹介します!
目次
新築住宅業界の現状とは
まずは新築住宅の現状を紹介していきましょう。
日本経済新聞によると2022年の新築マンションの販売数は、前年比首都圏は12.1%減、全国では5.9%減となっています。
しかし販売価格を見ると、首都圏は前年比1.6%増(平米単価)、全国では1.1%増(平米単価)と増加傾向にあります。
【参考】
日経新聞
新築戸建て住宅に関しては、国土交通省によると、新設住宅着工戸数総戸数は前年比0.4%増ですが、注文住宅は前年比11.3%減となりました。
【参考】
令和4年度 住宅経済関連データ – 国土交通省 (mlit.go.jp)
アットホーム株式会社によると首都圏の新築戸建て価格の動向は、2017年1月を100とした場合、以下の図のように2022年以降大幅に増加しています。
引用:アットホーム
価格が上がる原因は主に2つあります。
1つ目はウッドショックや石油価格の上昇などによる建築材料費の高騰です。
2つ目は人気エリアを中心に需要に対し供給が追いついていない事が挙げられます。
中古住宅業界の現状とは
では中古住宅業界はどうなのでしょう。
東日本不動産流通機構によると2022年に売買された首都圏の中古マンションの平均価格は4,276万円、平米単価は67.24万円でした。
下の図は東日本不動産流通機構が2023年3月に発表した首都圏地域別中古マンション成約平米単価です。
資料によると、2022年は全ての月で前年を上回っていることが分かります。
引用:東日本不動産流通機構
下の図は首都圏地域別中古戸建住宅成約価格です。
中古戸建住宅も同じく、2022年は全ての月で前年を上回っています。
引用:東日本不動産流通機構
先ほども述べた通り、以前から人気エリアでは需要に対し供給が追いついていない状況にあります。そのため新築マンションの価格が上がり、それにつられて中古住宅の価格も上がっています。
一方で人口の減少に伴い地方や数十年前につくられたベッドタウンでは空き家が目立ち、人気のエリアとそうでないエリアが顕著に現れています。
また、近年では中古住宅の需要は高まってきているものの、全住宅流通量に占める既存住宅の流通シェアは国土交通省のデータによると約14.5%(平成30年)と欧米諸国と比べると1/6程度と低い水準にあります。
【参考】
令和4年度 住宅経済関連データ – 国土交通省 (mlit.go.jp)
少子高齢化が進み空き家住宅が増加する中、政府としても中古住宅の流通、リフォーム市場に力を入れています。
中古住宅業界の今後の動向
新築・中古住宅ともに価格が上がっている現状ですが、今後の中古住宅市場は一体どうなっていくのでしょうか。
ここ数年で「東京オリンピック」「新型コロナウイルス」「住宅ローン減税の縮小」等、新築住宅の価格を下げる要因はいくつかあったものの実際は新築住宅の価格は下がらず、むしろ上昇しました。今後もインフレや金融緩和が続く限りは新築住宅の価格は上昇すると考えられます。
中古住宅の価格は新築住宅の価格に連動されるため、中古住宅の価格も上昇すると予測されます。
それに伴い、購入対象を新築住宅から中古住宅に変える方も増えてくるのではないでしょうか。
中古住宅業界に携わるには
この記事を読んでくださっている方の中には中古住宅業界に携わりたい方もいるでしょう。では中古住宅業界に携わるにはどのような職業があるのでしょうか。
参考までに何種類かご紹介します。
・リノベーション会社
中古住宅の流通量の増加に伴い、リフォームやリノベーションの需要も高まります。最近では間取りに生活を合わせるのではなく、生活に間取りを合わせたいと考える人が増えました。
そのため、今後も大小問わずリノベーションの需要はあるでしょう。
またスーモのようなサイトを見ていると、以前に比べリノベーション済みのマンションもよく目につくようになりました。エンドユーザー向けだけではなく、再販用のリノベーションの設計・施工のニーズもあると考えられます。
・ホームインスペクション会社
ホームインスペクションとは住宅の状態を建築士や専門家が調査を行い、修繕すべき箇所、欠陥の有無などの診断を行うことです。
2018年の宅建業法の改正により、中古住宅の仲介時にはホームインスペクションの説明が義務化されました。なお、注意していただきたいのがホームインスペクションの実施の義務化ではなく、ホームインスペクションについての説明の義務化になります。それを受けて購入者がホームインスペクションを実施するか決めることができます。(既に実施している場合もあります。)
中古住宅の流通量が増加するにつれ、ホームインスペクションの需要も一定数あります。
・都市再生関連会社
一住戸単位ではなく、マンション単位や街の再開発に興味がある人にお勧めです。
例えばUR都市機構では築年数の経った団地に付加価値を付けて生まれ変わらせたりしています。また、各地方自治体でもまちの再開発支援などを行っているところもあり、全体的な仕組みを作るという点から中古住宅市場を活性化させようとしています。
もちろん、ディベロッパーでもまちの再開発を手がけています。特に近年では首都圏を中心に再開発ラッシュがきています。全て新しくするのではなく、古いものと新しいものをうまく取り入れた街になってほしいですよね。
まとめ
今回は中古住宅市場をご紹介しましたがいかがでしたか?
本文にも記載しましたが、日本では中古住宅の取引が増えてきているとはいえ、いまだ新築神話が根強く残っており流通量はまだまだ欧州には劣ります。
また、一極集中が進み、人気のエリアと過疎化が進むエリアが顕著に分かれます。
その為、日本では空き家対策や中古住宅流通の活性化のために様々な対策を行っています。
「スクラップアンドビルド」ではなく「ストック活用」という考え方のもと、中古住宅市場が活性化するようにできることをひとつづつ行っていきましょう
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