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2022.08.31

水道メーターの見方を知ろう!

水道メーターの見方を知ろう!

~この記事でわかること~

  • 水道メーターは家庭の「上下水道の使用量」を計測する計器
  • メーターから漏水有無の確認が可能
  • 口径サイズで、一度に使用できる水量が決まる
  • 住宅用の口径は13mm / 20mm / 25mmが一般的
  • 口径サイズは蓋をチェック!?

皆さん、自宅の水道メーターを見たことありますか?

リノベーションだけでなく、住宅設計において重要な基盤となる設備工事。その中でも、キッチンやトイレ・お風呂など生活において「水」は欠かすことのできない要素です。

水栓やシンクの仕様、便器の性能などについては設計時に細かく調べることも多いと思いますが、水道管自体や水道メーターについての確認は大まかにしか把握できていない……という若手デザイナーの方も多いのではないでしょうか?

そこで今回は、基本的な水道メーターの見方・リノベ時に注意したい水道メーターの確認事項をご紹介していきます!デザイナーとして必ず知っておきたい基本の知識ですので、ちょっと不安かも…….という方は、ぜひ何度か読み直して頭に入れておくようにしましょう!

 

水道メーターとは?

ではまず、住宅における水道メーターの役割についてさらっと確認していきましょう!

水道メーターは、戸建てでは「量水器」と刻印されたボックス/マンションではメーターボックスの中に設置してあり、メーターの中で水圧を変化させることによって、その家庭で使用されている上下水道の使用量を計測しています。水道メーターは計量法の規定に基づき製造から8年ごとに交換が定められており、水道局が有効期間に合わせて定期的に取替え作業を実施しています。

メーターを中心に両側に配管が伸びており、片方は住宅に繋がれている配管に、もう片方の引き込み側が水道本管につながっています。本管側には止水栓(しすいせん)と呼ばれるバルブがあり、これは緊急時やメンテナンス、水道メーターの交換の際にバルブを閉めて水漏れしないようにするためのものです。

引用:株式会社IZUMIDA

住宅では「直読式水道メーター」と呼ばれる蓋のついた、直接カウンター部分を見て検針をするタイプのメーターが一般的です。また、住宅では水道メーターは主に以下のような場所に設置されています。

引用:新潟市ホームページ

ガスメーター同様、水道メーターも必ず住宅のどこかに設置されていますので、まずは自分の自宅の水道メーターの位置・記載内容を一度確認してみると良いかと思います。

 

水道メーターの見方

では早速、水道メーターの見方を確認していきましょう。

①メーターの読み方

水道メーター内の数字は現在の水量を示しています。

引用:岩手中部水道企業団

①水道メーター上部の黒地に白の数字を左から右に読みます。白地に赤の数字は100リットル単位を示します。
※例の場合、55.3を示していますが、検針の際は100リットル未満を切り捨てし、55と読みます。

②10リットル単位を示します。例の場合、6を示しています。

③1リットル単位を示します。例の場合、2を示しています。

④パイロットマークは、水道を使用すると回転します。水道を使っていないのに回転している場合は、メーターから蛇口の間で漏水している可能性があります。

この例の場合、メーター指針は55.362を示しています。現在の水量から前回の水量を差し引いた水量が、その間に使用した水量となります。

 

上記の通り、料金を算出するには①の黒地の数字を用い、②③の赤い矢印はリットル単位を示していますが、基本的に料金計算には関係していません。

また、④のパイロットマークで漏水を確認する以外にも、おうちの中で次のような状態が見受けられる場合は、漏水であることが多くありますので、覚えておきましょう。

・水洗トイレの水が少しずつ常に流れている。
・給湯器のまわりがぬれている、または水が出ている。
・地面や壁がぬれている。

上記のような症状が疑われる場合は、指定の水道工事業者に連絡の上、修理が必要となります。

リノベーション工事に際して、メーター自体の数値を確認する機会はほとんどないかと思いますが、どのように水道メーターが機能しているのかきちんと把握しておくようにしましょう!

②水道口径の確認方法

水道管は、地下に埋め込まれている配水管から、各敷地の水道メーターに引き込まれています。この管の大きさを示したものが「口径」です。口径サイズは、給水管の内寸(内径)によって定められており、一般的に家庭用では、13mm、20mm、25mmなどが使用されています。

口径サイズを大きくすると、一度により多くの水を流すことが可能です。

以前は13mmの給水管が多く使用されていましたが、新設する場合には20mm以上としている自治体も多く、現在の一般家庭用は20mmが主流になっています。(一部のマンションでは25mmが使われている場合もあります。)

では、この口径はどのように確認すれば良いのでしょうか?
ほとんどの場合、水道メーターの蓋に口径サイズが記載されており、下記画像にある「20mm」というのが口径にあたります。

引用:戸建てリノベINFO

また、検針票が手元にある場合は、そこからも確認することができます。

この口径サイズは、リノベーション時に必要な情報となりますので、現地調査の際にしっかりと確認して把握しておきましょう!

 

リノベ時に確認したいチェック項目4つ!

それでは最後に、リノベーション、特にマンションリノベの工事前に必ず確認したい水道メーターのチェック項目を3つにまとめました。

①配水管及び水道メーターの位置の確認
まずは、現地調査時に必ず配水管と水道メーターの所在地確認を行いましょう。
マンションの場合は、お部屋のすぐ隣のメーターボックス内にその他の配管と共に設置されている場合が多いかと思いますので、メーターボックスを開けて目視で確認し、その後必ず全体+細部(蓋・内部や配管のつなぎ等)の写真を何枚か撮影しておきましょう!

また、築古のマンションの場合、メーターから宅内へ引き込まれている配水管が鉄製のものがあり、そのまま使用すると腐食・漏水の原因となりかねません。メーターから先は「専有部」のため、個人でリノベーション時に合わせて配管更新を行うことができます。(マンションによっては、大規模修繕で全戸の配管を一気に更新を計画している場合もあります)

必ず工事前に、既存配管の状態をしっかりと把握・お客様に説明するようにしましょう!

②口径サイズの確認
次に、前項でご紹介した口径の確認方法をもとに既存の水道口径をチェックします。前述の通り、最近では住宅では口径数は「20mm」が一般的ですが、ではこの20mmの配管で一度にどのくらいの水を流すことができるか知っていますか?

早速、口径毎の水量・流量表を確認してみましょう!

上記の表の通り、20mm口径の配管では「47.1リットル / 分」の水を流すことができます。一般的に、この流量で住戸内に「5~13個」の水栓を設けることができると言われています。住宅で必要となる水栓は以下の6つが一般的ですね。

・台所
・洗面所
・風呂
・トイレ
・洗濯水栓
・給湯器

そのため、住宅には20mm口径の配管が最適という理由が理解できるかと思います。また、以下に口径毎の標準水栓設置数も記載しておきますので、こちらも頭に入れておきましょう!

引用:横浜市ホームページ

戸建ての際は、場合によってリノベーションを機に口径数をアップということも不可能ではありませんが、マンションリノベではほとんどの場合、個人で水道口径を変更することは許可されていないことが一般的です。そのため、必ず現地調査で口径サイズを確認すると同時に、設計時には口径に見合った適切な水栓数でプラン提案をするようにしましょう。

また、既存の口径が13mmで口径数をアップできない場合、同時使用は2つまでが許容範囲と言えます。3つ以上になると各水栓で水量不足になる可能性があるため、家族の人数が多い場合は注意が必要です。口径サイズによって同時に使える水の量に制限があるということをお客様にもしっかりと理解してもらう必要があります。

③注意事項を管理会社に問い合わせ
ここまでメーターの確認が終了したら、最後はメーターに関する注意事項を管理会社に問い合わせをしましょう。大規模修繕を控えているマンション等では、近い将来にマンション全体で配管更新を予定している場合もありますので、必ずどのように工事を進めるのが最善か管理会社に確認をすることをお勧めします!

 

 

さて、今回は水道メーターの基本についてご紹介をしました。

初めてメーターを目にする際は、「何をどう見るの・・・?」と全く検討がつかず不安になりますが、一度理解してしまえば難しいことはなく、設備機器はリノベーション時に必要な情報の宝庫と言えます。まずは既存のメーターをしっかりと読み取れるようになりましょう!

マンションリノベーションの場合は特に、既存の配管・配線状況によって設置できる設備の機能に大きく関わってきますので、今回の内容はしっかりと頭に入れておくようにしましょう!

それでは、また次の記事でお会いしましょう!

 

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