~この記事でわかること~
- 割付は美しく見せるための配置
- 割付によって仕上げの雰囲気が異なる
- タイルは目地割りが重要
- 張り始めや基準が要
- 固定家具や洗面、鏡、キッチン、便座の位置にも注意
リノベーションでも人気の高いタイルや無垢フローリング。
壁や床の仕上げに選ばれる方も多いかと思いますが、素材や色などどの商品にするかを選んで終わり!じゃないんです。
タイルやフローリングをどんな貼り方(張り方)や組み方にするかで同じものを選んでも雰囲気が大きく変わってきます。
施工する床・壁に、①どこから②どのように貼っていくか③目地の位置などを正確に決めることを『割付』と言います。
『割付』は意匠的に美しく見えるように配置を考える必要があり、種類もいくつかあり、選んでいる物や出したい雰囲気に合わせて的にした『割付』を考えるようにしましょう!
必要に応じて割付を図面に表した『割付図』を作成して、お客様や現場との相違をとる大事な作業になります。
では、実際にどのような割付があるのかみていきましょう!
目次
割付の基本
【 タイル 】
割付の原則は、施工する面に対して左右対称に貼る割付です。
また、端部には材の1/3以下の物が入らないようにするのが理想です。
基準線は施工面の長手方向に設けるのが一般的ですが、施工面の形状が複雑な場合などは、割付図を描いて熟考する必要があります。
仕上がった時に半端なタイルが目立つところにあると、固定設備・家具の設置位置と変にずれてしまう恐れもあるので、その点も忘れずに割付を考えるようにしましょう!
※トイレ床の大判タイル※
特にトイレの床などに大きめのタイルを敷く場合は、便座の芯に合わせると綺麗に割付られる場合が多いです。
逆に、便座の芯とタイルがずれていると結構気になるので注意が必要です。
引用:東リ
【フローリング】
フローリングの割付の基準=貼り始めは大きく分けて2種類になります。
①壁側から貼る
最後の列に貼るフローリングの幅が細くならないように注意して割付をしましょう!
引用:床材屋
②中央から貼る
部屋の中心に基準線を引き、基準線から左右2方向に貼っていきます。
同時に作業ができるので工数削減になる貼り方です
引用:床材屋
タイルの張り方の種類
タイルの場合、「どのようにタイルを置いていくのか」で目地のデザイン・見え方も変わってきます。そのため、『目地割り』と言ったりします
タイルは形や大きさも種類が豊富にある為、目地割りの種類も多いのですが、今回は正方形・長方形のタイルを例には目地割りの種類をいくつかご紹介いたします。
①通し目地(いも目地)
シンプルにまっすぐタイルを並べた貼り方です。
目地が縦横まっすぐに通り、見た目にもスッキリとしていてよく見られる割付になります。
引用:上村建陶株式会社
②破れ目地(馬踏み目地)
タイルを半枚ずらして貼る貼り方で、馬が踏んだ足跡のように交互になっているため、馬踏み目地・馬目地とも呼ばれています。
アクセントをつけた貼り方として選ばれることが多い貼り方です。
引用:上村建陶株式会社
③四半目地
貼る場所の垂直・水平に対して45度斜めに貼っていく貼り方です。
端部はカットが必要で、施工面積に対して多めに材料が必要になります。
引用:上村建陶株式会社
④たて貼り千鳥目地
破れ目地(馬踏み目地)の縦バージョンです。
長方形のタイルや縦に長い壁面に用いる場合が多いです。
縦に目地が通るので、壁に用いる場合は空間を高く見せる視覚効果が生まれやすくなります。
引用:上村建陶株式会社
⑤やはず貼り・網代貼り(ヘリンボーン)
斜め交互に貼っていく貼り方です。
四半目地と同様に端部はカットが必要な為、タイル自体余剰を見て発注が必要になります。
アクセントなど個性を出したい場合にオススメです。
引用:上村建陶株式会社
⑥イギリス貼り・フランス貼り・アメリカ貼りなど
2種類のサイズがあるタイルでは、その配列でさらに種類があります。
レンガなどでも見られることが多いのがフランス貼りで、国の名前がついているのが面白いですよね。
引用:上村建陶株式会社
フローリングの貼り方の種類
フローリングはタイルに比べると大きさや形のバリエーションがあるわけではありませんが、材料や色だけでなく幅や長さなどの種類が有り、貼り方にもいくつか種類があります。
①乱貼り
長さが一定ではないさまざまな長さの材を四方に貼る手法で、最も一般的なフローリングの貼り方です。
長さがそろった材を集める必要がないので、比較的安く仕上げられる傾向があります。
引用:WOODTEC
②定尺貼り(千鳥貼り・りゃんこ貼り)
同じ寸法の材を一定の幅で交互にずらしながら貼っていく方法。
規則性があり整然としたシンプルな印象の表情になります。
引用:WOODTEC
③斜め貼り
壁に対して、床板を斜めに貼り上げる方法。
モダンな印象になり、動きのある空間になります。
引用:WOODTEC
④寄木貼り:ヘリンボーン(フレンチヘリンボーン)
ニシンの背骨の形に似ていることからヘリンボーンと呼ばれる寄木貼りの一種。
日本では杉綾模様・矢羽型とも言われています。
北欧やフレンチなど海外スタイルが似合う、洗練されたオシャレな雰囲気が特徴で近年人気の貼り方です。
複雑な分、施工費や時間・材料費がかかってきます。
引用:WOODTEC
⑤寄木貼り:市松貼り
短い材を正方形に組み交互に配した貼り方で、レトロな雰囲気もあります。
市松とは、江戸時代の歌舞伎役者、初代佐野川市松がこの模様の袴をはいていたことに由来するデザインで、壁紙など様々な商品で見られる模様です。
ヘリンボーン同様に空間のアクセントにオススメです。
引用:WOODTEC
今回はタイルとフローリングの割付をみてきましたが、いかがでしたでしょうか?
素材や色など商品を選ぶだけでなく、それを施工する空間・場所にどのように貼ったら美しくなるか?雰囲気が出るか?まで考えて、設計できるといいですね!
商品によって、おすすめの貼り方やNGな貼り方などもあるので、資料やメーカーに問い合わせてしっかり確認しておきましょう!
また、お客様・設計者・施工者では貼り方の認識が異なる場合もあるので、割付図を作成することもオススメです。
分からない時は先輩や現場側に、どんどん質問や相談をしてみてください!
少しでも参考になれば嬉しいです。
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