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2022.07.14

「間取りの決め方」風通しを重視した事例を徹底解説!

「デザインの始め方」連載4回目。風通しの良い快適空間…思考整理術をご紹介

「間取りの決め方」とは?

いざ、リノベーションの設計をはじめようとしても何から手を動かし始めるんだろうと漠然と不安を持っている方も多いのでは?
中古マンションリノベーションで住宅設計をしていた編集部メンバーにとっても大きな困り事だった始め方。事例をもとに始め方を解説する連載企画の第4回目。

今回はご夫婦の事例を交えて、思考プロセスをご紹介いたします。

事例の紹介

ここからは実際のリノベーションの事例をもとに解説してみます。

【参考事例 データ】
・家族構成:ご夫婦
・物件面積:63m²
・築年数:21年(リノベーション完工時)
【お施主様の要望】
・風通しの良い快適な空間
・便利な暮らしをしたい
・個人スペースが欲しい
・しっかり収納量確保※詳しい情報はこちら(リノベる。サービスサイトより)

私が間取りを決める上で一番大切にしていたのは「軸」でした。この「軸」の傾向としては、お部屋全体の設計に大きく関わる要望や、複数の部屋への影響がある内容などがこれにあたることが多かったかと思います。

連載1回目になぜ「軸」に注目したかのか記載がございます。

本案件のお施主様の要望では「風通しの良い快適な空間」が大きな「軸」となったようです。

思考の流れ

簡単に思考の流れをまとめますとこのような流れでした。

要望:風通しの良い快適な空間

・LDKが一番長く滞在している
・エアコンは1台で省エネに暮らしたい
・帰ってきたときにワクワクしたい

室はコンパクトに、LDKを大きく
・LDKと隣接する寝室は室内窓で風を通せるようにしエアコンは無しに
・無窓の玄関であっても明るく風が通るように、寝室~WIC~玄関まで風が通るように同線を通しドアも無しで繋げる
・好みの色や素材をちりばめてワクワクを

いつも、このように要望一つ一つを掘り下げていき、住まいづくりにリンクさせていっていました。もし、この掘り下げに不足情報があればお客様に遠慮なく聞いていくことが必要かと思います。
というのも、ここの認識が間違って進めてしまったことがありましたが、せっかく練ったプランを大きく描き直すことになり失敗をしてしまったことがあったのです。
不特定多数の方が利用する用途の建築とは異なり、あくまでも個人の空間で、個人の意見が判断基準となりますので、ご自身の持っている常識は一旦疑って良いかと思います。というよりも住宅はそれくらい自由なものですし、そこがリノベーションならではの醍醐味ですので楽しんでいたところでした。

「風通しの良い快適な空間」以外の要望は、どのようにブレイクしていったのか下記にまとめます。

ケース事例:リノベーション後の様子

リノベーション前の間取り

リノベーション後の間取り

実際の写真

 

寝室と大きな窓で繋がる開放的なLDK、
スポットライトにはスマート照明も

寝室~WTC~玄関までの繋がり

左:廊下に面した洗面には好みのモザイクタイルでアクセント
右:上部のデットスペースを利用した収納

左:ご主人用の半個室のワークスペース
 右:奥様用のキッチン横のワークスペース

イメージが湧いてきましたか?

当然ながらこれ以外にも考えるべきことや、微調整している部分は大いにあります。そもそも、お客様も十人十色で一つの始め方では対応しきれないと思います。是非、自分なりの「間取りの決め方」を作り上げてみてください。

筆者:千葉剛史 Takashi Chiba
大学建築学部を卒業後、オフィスデザインを手がける企業に新卒入社。その後、以前より強く関心のあったリノベーションを仕事にするべく「リノベる」へ。以来、数多くのお客さまの住まいづくりに携わる。現在はコーポレートデザイン本部ブランド戦略部に在籍し広報を勉強中。趣味は外遊び。友人と登山やキャンプを楽しむ。

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