この記事のポイント!
- まず聞こう!「何年後に売却します?」
- 費用も間取りも余白を持とう!
- 売却視野に入れてても攻めたデザインあり?!
いざ、リノベーションの設計をはじめようとしても何から手を動かし始めるんだろうと漠然と不安を持っている方も多いのでは?
マンションリノベーションで住宅設計をしていた編集部メンバーにとっても大きな困り事だったデザインの始め方。
要望により設計に特徴が出やすい内容を厳選し、何を考え始めないといけないかの設計テクニックをお伝えします!
目次
売却を視野に入れたいんですけど…
ライフスタイルが多様化された現在、住まいに求めることも多種多様となってきています。
その中で特にマンションリノベーションはそのソリューションとして選ばれることが多く、住宅設計の中でも様々要望に当たり悩むことが多いです。
例えば…
「売却を視野に入れたいんですけど..」
この記事ではこんな要望をお客様から受けた時に、【何を考えるべきか?何を注意すべきか?】についてご紹介させていただきます!
①売却の時期を確認する?
売却するにして、いつ頃をイメージしているのかが重要かと思います。
中古マンションを買ってリノベーションを行うワンストップサービスの中で、設計担当として行うのであれば予め情報が取れているので問題の無いことかもしれません。
一方で、物件購入が伴わない相続により譲り受けた物件や、既に住んでいる物件のリノベーションなのであれば必ず自ら確認をしておきたいところです。
この背景は、通常のリノベーションであっても一緒かもしれませんが、自分の暮らしに住まいを合わせること重要なためです。
一方で期間が見えていればそこ期間の暮らしを想像していただければ良いわけです。
例えば、計画はあるがまだお子さんがいない状態で、5年後に売却する想定をします。
教育方針により異なるかもしれませんが、小学校に上がるタイミング、つまり6~7年後に必要になる子供部屋は作らないはずです。
どこまでやるべきかの目安になりますので確認をおススメします。
また、売却をするうえで、無駄な作りこみをするとその物件を購入するターゲットの幅を狭めることにもなりかねないです。
②再利用できるものは活かす?
これもある種、通常のリノベーションも一緒かもしれませんが、売却を前提に考えているお施主様の場合、筆者はより厳密に確認をとっていました。
なぜかというとシンプルに【イニシャルコストを抑えたい】のが理由です。
ただ、20~30年立っているユニットバスやトイレ、給湯器、そしてそれを繋げる配管たちはもう限界を迎えているはずで、そのまま使うことは、部材の経年劣化による消耗を原因とした水漏れ事故の発生や機器の故障もあり得る危険な状態ですので避けたほうが良いです。
③間取りに余白を残す?
「①」の部分でも記載しましたが、売却をするうえで、無駄な作りこみをするとその物件を相客する際の購入するターゲットの幅を狭めることにもなりかねないです。
また、売却後に新しく所有者となる方のライフスタイルを想像して余白を作ることを計画することもおススメします。
例えば実際にあった例では、以下のような例があります。
- LDKだけど壁を新たに設ければスイッチや照明など電気設備はいじらなくても部屋を増設できるように準備しておく
- ワンルームで布団生活のお施主様の場合、毎日の出し入れを行いやすい押し入れをつくる必要があるが、その押し入れも使わない場合はデスクとしても使えるように工夫しておく
④機能性も意識する?
実際に売却する上で、フックになる機能性を添えておくのはありなのでは?と筆者は考えています。
例えば、浴室乾燥機、食器洗い機など機器のオプションや、断熱性や防音性の向上を狙ってインナーサッシを付けたり、物件を購入する側をイメージして動機付けとなるような選定をすれば、イニシャルコストがかかる部分ではありますが、実際に自身が住んでいるときのメリットも存分にあるので検討するのは大ありかなと思います。
⑤あえて攻めたデザイン?
ここまで、比較的保守的なテクニックでしたが、もう一方で在処と思うのが、自身のためのこだわりをそのままつく抜けるアイディアです。
刺さる人には刺さりますがターゲットが狭くなるやり方です。
一方でこだわり抜いたエッジの効いた住まいは市場に多くあるわけではないので、ある種希少性は上がり、近隣相場よりも高く売却できたり、貸せたりできる例も少なくないかと思います。お施主様次第で提案するのはありかもしれません。
当然ながらこれ以外にも考えるべきことや、微調整している部分は大いにあります!少しでも皆さんに役立ってれば幸いです!