「みんなの失敗談」とは?
多くのことをお客様と一から決めて、多くの方が関わり作り上げていくリノベーションによる「住まい」。
どうしても失敗によるトラブルは発生してしまいがちです。
しかも、住まいは工事中であれば常に後ろに次の作業が控えていますし、既にお引渡しをしていれば住んでいる状況ですので早急な対応が必要です。
一方で住まいに関するトラブルは知識と経験に伴い、対応スピードは左右されてしまうことも多いでしょう。
「どうしよう、、」
「何が原因なんだろう、、」
「お客様になんて言おう、、」
こんなことを考え始めただけでパニックに陥り、初手が遅れてしまい、場合によってはさらなるトラブルを生んでしまうかもしれません。
しかし、失敗談はあまり先輩たちも語ってくれないものです。そこで、編集部が匿名を条件にリノベーションの先輩(以下、匿名Aさん)にインタビューをして参りました。新たな「匿名Aさん」を捕まえ、今回は連載第四弾です。
今だから話せるそんな失敗談を是非皆さんの業務に、是非活かしていただけたらと思います。
「え?引っ越しに間に合わない?…」
Aさんの担当するリノベーション工事の後半に、工務店の親方さんからの電話がなったようですました。
「え?引っ越しに間に合わない?…」
通常であれば終盤の塗装工事などの仕上げの段階でした。
Aさんとしては床のフローリングが貼られて、壁の下地としての間柱が立った状態を迎え、お客様と未決定事項もなく、あとは現場が無理のない予定の通り走ってくれればと安心をしていたので困惑し、急遽現場で状況確認をすることにしました。
現場に行くとまだ塗装工事が一切入っていない状態でした。一方で、一週間後にはお客さんに確認し、その二日後には引き渡しという状況とのことでした。
どうやってリカバー?
一番の原因は順調と思っていたAさんの最終変更を行った図面の提出の遅れを工務店サイドが工事工程調整しきれなかったことです。
しかし、親方はそれを何とかしようと黙ってギリギリまで調整をしていたのですがとうとうカバーできない状態になり報告したようでした。
つまり原因はAさんの図面の提出遅れ、現場の自身の確認漏れ、工務店とのコミュニケーション不足でした。
ここから、どんな対応が必要なのでしょうか?
ここでの対応は、以下を行いました。
- まずは経験のある上司に相談し対応方法を設計
- ①で設計された方法を現場の親方と対応方法や費用負担について協議
- お客様へ謝罪+対応策を提案
- 対応策実行
具体的にはどんな流れ?
まず、残りの工事内容と行程の見直しをAさんと工務店サイドと整理を行ったようです。
ここでのポイントはできる限り遅れの少ないようにするのは当然ですが住宅の限られた空間の中での作業は多数の職人が入って作業をするとトラブルになったり逆に工事が遅れる原因にもなりかねないので圧縮しすぎないことです。
また、引っ越し後にも一部工事をさせていただくことも検討していくことです。
引っ越し後に残す作業としては、まずはお客様の生活に困らない内容であることが大前提です。
そして、家具や家電を置いた後も荷物をなるべく移動させずに作業できること、最後に粉塵の出ない作業にすることのようです。
Aさんが残した作業は、幸いなことに入居後すぐには使わない部屋があったのでその周辺の作業を残す形と、一部照明設備の取付を残すことでお客様へも相談の上で、決定することができたようです。
自分はミスしないだろうという過信
こんな失敗は自分はしないと思っていれば大きな誤解です。
自分がしなくてもチームのどなたかがする可能性もありますし、多くの案件を行っていれば必ず失敗はついて回ります。しかもリノベーションはありがたいことにどんどんニーズは上がっているので、はじめて一緒に工事を行う工務店や職人も必ず増えていくでしょう。
Aさんは、このような失敗はまり語りたくないようですが後輩にあえて伝えることがあるようです。「猿も木から落ちる」ではないですがそんなマインドになっている方がいた場合にはお話をするとのことでした。
とはいえ、この失敗は本来であれば起こらない失敗のようです。どんな方法でしょうか?
予防策は?
予防としては下記です。
- 引っ越しはお引渡し予定日の1~2週間後に設定頂く。
- 工事前にできる限り未決定事項は残さないで工事中の変更を減らす。
- 図面は工事工程に送れないように工務店へ適切なタイミングに余裕を持って共有する。
- 工事中の進捗は必ず週一回は行う。※大切なのは工程表どおりに進んでいるかの確認なので写真だけでもOKかもしれません
シンプルですが①の引っ越し予定日についての案内はAさん的にはとても大事だったようです。
工事は人の手で作っていくものですのでどうしてもエラーはありますし遅れてしまうものです。当然工事期間が短くなることは関係者全員にとってメリットですので短縮に努力することは正です。しかしながら、無理な行程は記述の通りトラブルを起こす可能性もあります。
しっかりバランスを取って行くことが重要なようですね。
そんな時に予備の期間があればお客様も引っ越しの再調整をしたりも必要がなくなりますし一石二鳥ですね。
今後も編集部では、失敗談をお話していただける次なる「匿名Aさん」が見つかれば、情報をお伝えしていこうと思います。是非お楽しみに。