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2023.02.02

【業界研究】建設・建築業界の現状と今後を徹底解説!

【業界研究】建設・建築業界の現状と今後を徹底解説!

~この記事でわかること~

  • 建設・建築業界は重層下請構造になっている
  • 建築投資額は昨年度に比べ若干の増加
  • 世界情勢により建築資材が高騰している
  • 職人の高齢化や人材不足が大きな課題
  • 今後は短期的に見ると旺盛になる見通し
  • 長期的には人口減少によるマーケットの縮小が予想される

みなさんこんにちは!

近年では新型コロナウイルスやウクライナ情勢により、様々な業界が影響を受けています。
建設・建築業界も例外ではありません。
更に日本では人口減少に伴う少子高齢化などが問題として挙げられています。

では一体建設・建築業界はどのように影響を受けているのでしょうか。

今回は、建設・建築業界の現状、課題や今後についてご紹介していきます!
是非みなさんも建設・建築業界全般の動きについて考えてみてください。

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建設・建築業界にはどのような業種があるの?

大まかに「建設・建築業界」と言っても一体どのような業種があるのでしょうか。
ちなみに建築業界とは建物に関わる業種に対し、建設業界とは建築物を含んだ土木や河川などのインフラや設備全般のことをさします。

建設業界は基本的にはピラミッド型の構造をしています。元請け業者であるゼネコンが国や地方公共団体、民間企業から案件を受注します。ゼネコンはその下請けであるサブコンに発注し、更にサブコンがその下請けの職人を抱える中小の事業者に発注するという構造になっています。

引用:ビジネスIT

ディベロッパー(発注者)
都市開発やマンションの新築など土地の開発をメインに行う企業です。
もちろん発注者は国や地方公共団体などの場合もありディベロッパーだけではありません。

ゼネコン(元請)
建築工事一式、土木工事一式を請け負い、発注者との交渉、工程管理、原価管理、施工管理など工事全体のトータルプロデュースを行います。
ゼネコンの売上トップ5は大林組、鹿島建設、大成建設、清水建設、竹中工務店で、スーパーゼネコンと言われています。

サブコン(1次下請)
ゼネコンから電気設備工事や空調工事など専門分野の工事を請け負います。内容によっては発注者から直接受注する場合もあります。
サブコンから更に2次下請けに発注する場合もあり、徐々に企業の規模は小さくなっていきます。

設計事務所
ゼネコンとは独立した立場にあり、敷地調査・法令上の規制の確認・基本設計・実施設計・見積チェックなどを行います。設計事務所の中でも意匠設計、構造設計、設備設計などの分野があります。

その他関係企業
建築工事に使用される重機を製造する企業、仮設資材を提供する企業や建材販売会社などがあります。

住宅業界の場合はゼネコンの部分にハウスメーカーやリフォーム会社が位置しますが、やはりピラミッド型の構造をしています。

建設・建築業界の現状とは

日本における建設・建築業界の現状はどうなっているのでしょうか。

国交省によると、2022年度の建設投資は66兆9,900億円となる見通しで昨年度より0.6%増となっています。
内訳を見ると政府投資が22兆5,300億円(前年度比3.7%減)、民間投資が44兆4,600億円(前年度比2.9%増)となっており、公共工事の建設投資は減っていますが、民間工事の建設投資額が増えている為、全体的に昨年度に比べ若干の増加となっています。

引用:業界動向サーチ

民間工事の建設投資額が増加した理由としては、都心部の再開発が挙げられます。渋谷駅周辺では100年に1度と言われる大規模再開発が進んでおり、虎ノ門周辺で森ビルが開発している「麻布台ヒルズ」は2023年に開業予定となっています。
また、東京駅八重洲周辺でも三菱地所によって再開発が進められています。
東京だけでなく、みなとみらいや千葉など首都圏の各所で再開発が進んでいることから民間工事の投資額が増加しました。

しかし一方で、2021年のウッドショックや2022年のウクライナ情勢の影響などから建築資材費が高騰しました。日本建設業連合会によると、2022年12月における建築資材物価は2021年1月と比較して土木部門が24%、建築部門が29%、平均で27%も増加しています。したがって、全建設コストは平均13~16%も上昇しています。

また、後ほど建設業界の課題としても記載するのですが、職人の高齢化や若者の建設離れにより、人材不足に陥っています。

 

建築・建設業界の課題について

では建築・建設業界ではどのような課題に直面しているのでしょう。

・人材不足

日本では少子高齢化が進んでおり、年々人口が減少し人材不足が叫ばれています。
建設業界も例外ではなく、先ほども記載した通り人材不足が問題となっています。
その理由のひとつに、いまだに建築業界は「3K」(きつい・汚い・危険)というイメージがあり、現在では更に「給与が安い・休暇がない・厳しい」を追加し、6Kと呼ばれることもあります。
そのため、若手世代を中心に業界離れが進んでいます。

建築業界では人材の確保が課題となっており、国土国交省は新たに「給与・休暇・希望」という意味の「新3K」を掲げ、建設業界を目指す人を増やすための取り組みをしています。

・職人の高齢化

建物を建てるのには職人の力が必要となります。
しかし、若者の建築業界離れが進み、職人も高齢化が進んできています。国交省の統計によると、全産業における55歳以上の就業者の割合が約29%に対し、建設業は約33%の就業者が55歳以上なのです。そしてなんと29歳以下は約11%しかおりません。

引用元:国交省

数年後にはそのベテラン勢が一斉退職する時期がやってきます。その際にあとを担う若手勢が育っていないのが現状で、若手の育成が課題となっています。
高齢化が進む理由はやはり上記記載の内容が挙げられます。また建設業界は古い価値観が残っている業界でもあり、それが若者の価値観と合わなくなってきています。

・I T化の遅れ

世界的にIT化が進むなか、建設業界はI T化に遅れを取っています。いまだにアナログな業務が多く、業務のやりとりはファックスで行う現場も少なくありません。それらが長時間労働や人手不足になる原因でもあります。
なぜIT化が遅れているかというと、建設業界は1つの案件に対し複数の企業が関係しており、企業間でのやりとりを密に行います。その為、一社でもIT化の導入に反対すると思うようにIT化が進まなくなってしまいます。
また、先ほど述べた通り、他の業界に比べて高齢者が多くIT化に対する抵抗を感じている人が多いのも事実です。
IT化を進めることで人材不足の解消にもつながっていきます。

建設・建築業界の今後について

最後に建設・建築業界の今後について紹介していきます。

ここ数年間は大阪万博、リニア新幹線、高速道路など公共工事を筆頭に東京都中央区・港区や大阪市北区を中心とした都市の再開発など大規模プロジェクトが目白押しです。

引用:森ビル

また近年の大規模災害の復興事業にも建設費用が導入されています。
更に省エネ住宅の新築・改装など今後しばらくの需要の高まりが予測されます。

しかし、日本の人口の減少にともない、長期的に見ると国内のディベロッパー需要は減少していくと予想されています。その為すでに多くのディベロッパーは海外に目を向け、国内事業で蓄積したノウハウを展開し海外事業に力を入れています。今後も海外事業は増えていくでしょう。

引用:国交省

また、日本政府は「2050年までにカーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指す」と宣言しています。それに向け、建設業界でも脱炭素に向けた取り組みを進めています。

働き方については、2024年4月1日から罰則付きの時間外労働の上限規制が適用されます。これは上限規制の時間月45時間、年360時間に違反した企業には罰則が科されるというものです。その為、建設業では生産性向上に向けての取り組みが必要となってきます。

 

 

さて、今回は建設・建築業界の現状と今後をご紹介してまいりました!

新型コロナウイルスの影響でプロジェクトにも遅れが生じたりしていましたが、最近では止まっていたプロジェクトも徐々に動き出したりしています。

一方で既に建設・建築業界に携わっている方は肌で感じていると思いますが、人材不足や3Kの改善は急を要しなければなりません。

私たちもそれらの課題にどう向き合い、どう行動していくか真剣に考えていく必要がありますよね。
日本の建設・建築業界は我々です。より良い業界を目指していきましょう!

では、また次の記事でお会いしましょう!

 

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