- 棚板には集成材や合板がオススメ!
- ゴム材はコスパ抜群!
- 使用用途に合わせた板材を選ぼう!
- 塗料との組み合わせも含めて提案の幅を広げよう!
みなさん、こんにちは!
リノベーションにとって切っても切り離せないのが「造作」。みなさんもお客様から造作の依頼を受けたこともあるのではないでしょうか。
造作の中でも特に頻度が高いのが棚板や収納ではないかと思います。
造作は自由度が高いため、その空間に合ったオリジナルのものを作り上げることができます。
一方で自由度が高いため、どんな素材を使っていいのか戸惑う人も多いはず。
そこで今回は造作の中でも頻度の高い「造作棚」や「棚板」に絞り、どんな素材を使っているか、メリットデメリットなどをご紹介していきます!
目次
造作棚・棚板に使用する素材とは?
造作棚・棚板に使用する素材にはどのようなものがあるのでしょうか。
ここでは棚板に使用する素材の特徴やメリットデメリットを簡単に紹介していきます。
【無垢材】
天然木材をそのまま1枚の板にしたものです。
天然木材をそのまま利用しているので、他の木製の素材に比べ自然の風合いを味わうことができます。
他の素材に比べ、高価で反りや割れなどが発生することが多いため、棚板に使用することはあまりありません。
【集成材】
木材の小角材を、繊維方向を合わせて接着剤でつけた木質材料になります。
無垢材よりも強度が高く、反りなども発生しにくいので構造体にも使用されます。
より木質感を出したい場合はお勧めです。
重量があるので稼働棚や長いスパンの棚板にはあまりお勧めしません。スパンを長くする場合はたわまないように気をつけましょう。
【合板】
木材を薄くスライスした単板に接着剤を貼り付け、1枚ずつ繊維方向に直交させながら積層した木質材料になります。
安価で耐久性に優れ、狂いも少ないため棚板としてよく使用されます。加工しやすいことから家具や建具などにも使用されています。
一度傷がついたら補修が難しい所が難点です。
【パーティクルボード】
木材のチップを接着剤と混ぜて成形・熱圧した木質材料です。廃材などを再利用しており、資材を有効活用している材料です。
単層、多層、3層があり、最も使われているのが3層です。3層とは大きな木片で作られたチップを小さな木片で作られたチップで挟んでいるものになります。
材質にムラがなく性能が均一かつ、加工がしやすい為、下地材として用いられますが、家具材としても用いられます。
耐水性があまりないため、水廻りには不向きです。合板に比べると劣化しやすく、耐久性に劣ります。
【OSB合板】
OSBとは「oriented Strand Bord」の略で、薄く削られた木片を交互に積層し、接着剤を付けて高温圧縮した合板です。
強度があり、加工しやすく、尚且つ安価なのにオシャレな雰囲気に仕上がる為、人気の木材です。
また、木材の破片を再利用している為、環境にも優しいのです。
インダストリアルな雰囲気が人気で、棚板にだけでなく天井や壁の仕上げ、デスクの天板などにも用いられます。
合板・集成材・無垢材については、また次回の記事で詳しく説明していきます!
造作棚・棚板に使用する木材とは?
では造作棚・棚板にはどのような種類の木材が使われているのでしょうか。
ここでは主に集成材で使用する木材をご紹介していきます。
【パイン】
パインとは松の事で、軽くて加工もしやすく、比較的安価な為、人気な木材の一種です。
パイン材は、最初は白っぽく黄色味の色ですが、経年と共に色が飴色に変化するので、経年変化を楽しめます。
パイン材には節が多いのですが、独自の節や色味がカントリー調のお部屋によくあいます。
軽くて柔らかいため、強度が必要な場合はナラやゴムのような広葉樹をお勧めします。
【タモ】
アッシュ材とも呼ばれており、家具材としてだけでなく、運動用具や楽器など幅広い分野で使用されている木材です。日本では古くから使用されている木材です。
真っ直ぐな木目と淡い色が、非常に人気が高く、家具や天板などに使用されますが、硬いため加工が難しく、また高価な所が難点です。
【ナラ】
古くから家具などに使用されてきた広葉樹の一種です。重厚で硬いため、強度が高くキズがつきにくいのが特徴です。また、リーズナブルでどのようなテイストにも合うため、よく使用される木材の一つです。
ナラ材にクリア塗装を施してナチュラルテイストに合わせたり、ヴィンテージ加工をしてインダストリアルテイストに合わせたりと幅広いテイストのお部屋に合わせることができます。
一方、硬いため細かい加工は難しいです。
【ゴム】
広葉樹の一種で、コスパが良く強度もあり木目のクセもないため、集成材としてよく使用されます。硬いため天板としても使用することができます。
また、クセが無いためお部屋の雰囲気に合わせて塗装することもできます。ナラ材同様幅広いテイストに合わせることができる優れものです。
【杉】
針葉樹の一種で、木目や節が美しく、軽くて扱いやすく耐久性もあります。
針葉樹の為、広葉樹に比べると凹みやすくキズがつきやすいというデメリットがあります。
足場板としても使用されている為、ヴィンテージ加工してインダストリアルテイストにも合わせることができます。
筆者は棚板に集成材を使用する場合、ナラ材かゴム材をよく使用していました。
棚板を選ぶ時の注意点とは?
では実際に棚板を選ぶ時の注意点を紹介していきます。
①使用場所を確認しよう!
まず、使用場所を確認しましょう。
目につく場所であれば、デザイン性や空間の雰囲気も考慮しなければなりませんが、目につかないクローゼットなどであれば、安価で軽くて強度がある合板などをお勧めします。
また、水に弱い木材もあるので、水廻りに使用するかどうかも重要なポイントです。
②使用用途を確認しましょう!
次に使用用途を確認しましょう。
こちらは棚板に置くものによって強度が変わってきます。
本のような重量のあるものを置く場合は、板厚を厚くしたり、棚板を支えるブラケットの間隔を狭くするなどして、強度を高くしましょう。
強度が足りないとたわんだり、割れたりしてしまいます。
③可動式かどうか確認しましょう!
パントリーのように収納するものによって棚板の間隔が変わる場合は、棚板を可動式にする場合もあります。可動式にすることで収納力が高まります。人目につかない場合には、プリント合板を使用することが多いです。
④仕上げを確認しましょう!
集成材や無垢材を使用する場合にはどのような塗料を塗るかもポイントの一つとなります。
塗料には大きく分けて「造膜型塗料」と「浸透型塗料」があります。「造膜型塗料」は名前の通り、表面に幕を作り木材を保護します。
水廻り、汚れやすい場所や傷がつきやすい場所には造膜型塗料がお勧めです。
耐久性や耐水性のある塗料です。一方、「浸透型塗料」は木材に塗料を浸透させ、染色する塗料です。木材本来の手触りや木目を生かした塗料です。
使用用途や使用場所に応じた塗料を選んでください。
今回は棚板・造作棚の木材について説明しましたがいかがでしたか?
最近では「見せる収納」をするお客様も多く、棚板一つとってもよりデザイン性を求められます。「人目につく場所」や「デザインの一部とする場所」など、使用場所や使用用途によって使用する板材を選びましょう!
また、日頃から先輩方の実例を見て、間取りだけでなく造作材にどのような木材を使用しているかもチェックしてみてください。
棚板一枚で、お部屋の雰囲気や使い勝手も変わってくるので、いろいろ試してみて是非棚板マスターになりましょう!
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