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2022.10.27

合板・ランバーコア・集成材・無垢材?違いと種類を解説!

合板・ランバーコア・集成材・無垢材?違いと種類を解説!
  • 無垢材は天然木ならではの風合いと温かみが!
  • 集成材は品質が均一で強度も高い!
  • 合板は水廻りが苦手
  • 特殊加工合板の中には水廻りに強い合板も

みなさん、こんにちは!
前回「造作棚」「棚板」についてご紹介しましたが、いかがでしたか?
記事の中で「合板」「集成材」「無垢材」という言葉がたくさん出てきたと思います。
リノベーションは造作部分も多く、いずれかの木質材料を使用していると思います。
どれもよく耳にする木質材料ですが、何がどう違うの?と言われると悩んでしまいますよね。特に合板は種類も豊富で「どれを使用すればいいんだろう。」と思うこともしばしば。
そこで今回は木質材料のそれぞれの違い、特徴やメリット・デメリットなどを解説していきます!木質材料ごとに特徴があるので、おうちの雰囲気や使用用途に合わせて使い分けをしてみましょう。

▼前回記事
造作棚・棚板の木材・素材を徹底解説!棚板を選ぶ時の注意点とは?

木質材料の種類とは?

「集成材」「合板」「ランバーコア」のように木材でできた材料の事を「木質材料」といいます。
木質材料とは木材を人工的に再構成し、品質のばらつきをなくし均一にしたものです。
木質材料は大きく「軸材料」と「面材料」に分けられ、「軸材料」は柱のような細長いもの、「面材料」はボードのような広い板の事を指します。
それぞれどのようなものがあるかみていきましょう。

《軸材料》
・集成材
・LVL(単板積層材)

《面材料》
・合板
・ファイバーボード
・パーティクルボード
・OSB

それではそれぞれの特徴を見ていきましょう!

無垢材、集成材のメリット・デメリットとは?

よく比較対象としてあげられる「無垢材」と「集成材」。それぞれどのような特徴があるのでしょう。

まずは「無垢材」をご紹介していきます。

無垢材とは天然木を一枚の板に加工した木材になります。
おうちの中ではフローリングに使用する場合が多いのではないでしょうか。木質材料にはない心地よさや触り心地を感じることができます。

《メリット》
・自然の風合いを感じることができる。
・肌触りが心地よい。
・調湿効果がある。
・経年変化を楽しむことができる。
・温かみがあり、ひんやりしない。

《デメリット》
・反り、割れなどが発生することがある。
・温度の変化により、収縮・膨張することがある。
・コストが高い。
・キズがつきやすい。
・天然木をそのまま使用している為、色味などばらつきがある。

では次に「集成材」についてご紹介します。


集成材とは木材の小片を集め、繊維方向を合わせて接着剤で貼り合わせた木質材料になります。
集成材には大きく分けて「構造用集成材」「造作用集成材」に分けられます。「構造用集成材」は強度が高いため、柱や梁のような骨組み部分に使用します。「造作用集成材」は、骨組み以外で鴨居のような内装や家具に使用します。造作棚も造作用集成材を使用します。
造作家具や棚板ではナラ材・ゴム材・パイン材などがよく使用されます。
木材の小片を集めて作られている為、最小の厚みは使用する木材によって異なりますが、10㎜程度と合板に比べると板が厚くなります。

《メリット》
・耐久性が高い。
・反り、割れ、収縮・膨張が少ない。
・品質が均一。
・無垢材に比べてリーズナブル。

《デメリット》
・無垢材に比べ、手触りが硬い。
・無垢材のような表情を出すのが難しい。

合板ってどんな種類があるの?

次は「合板」についてご紹介していきます。


合板とは木材を薄くスライスした単板に接着剤を貼り付け、1枚ずつ繊維方向に直交させながら積層した木質材料になります。
厚みは種類にもよりますが、2.3㎜からあります。また、サイズも3×8(サンパチ、910×2,430㎜)や3×6(サブロク、910×1,820㎜)などと規格が決まっています。
合板は色々な種類が豊富な為、ここでは造作や棚板でよく使用されるものを紹介していきます。

《シナ合板》

シナの木を使用して作った合板です。
表面は滑らかで、木目が美しく、落ち着いていてとても上品なシナベニヤ。色味は白っぽいクリーム色です。
比較的安価なのにもかかわらず、見た目も美しく、軽くて曲げに強く加工がしやすい為、建具や造作材だけではなく、内装材としても使用されます。

《ラワン合板》

ラワンとはフタバガキ科という広葉樹の総称です。
木目は目立たず、シナに比べると赤っぽく、表面はざらざらしています。
安価な上に強度が高く加工が簡単なのですが、表面のざらつきやささくれがやや気になります。

《OSB合板》

インダストリアルテイストに人気のOSB合板。OSBとは「Oriented Strand Bord」の略です。薄く削られた木片を交互に積層し、接着剤を付けて高温圧縮した合板です。
耐久性が高く、リーズナブルで気密性に優れています。雰囲気のある見た目な為、内装材や造作材として使用されることが増えてきました。耐水性はないので気をつけましょう。
構造用と内装用があり、内装用は表面がサンダー仕上げになっています。造作や内装に使用する際は内装用を使用しましょう。

《ランバーコア》

ランバーコアとは芯の部分に木片を使用し、その両面に板を貼った3層構造の特殊合板の事です。
両面に貼る板がシナ材ならば「シナランバー」、ナラ材ならば「ナラランバー」となります。
通常の合板に比べて軽く、反りが少ないのが特徴です。合板の為、耐水性はなく水廻りには向いていません。また、芯材が入っている為、側面にもビスを打つことができます。
造作材としても使用されます。

《化粧合板》
化粧合板とは、美観を目的として合板の表面に綺麗な化粧を施した合板のことをいいます。
化粧合板は大きく分けて「天然木化粧合板」「特殊加工化粧合板」の2種類に分けられます。

「天然木化粧合板」とは突き板(天然木を薄くスライスした板)を合板の表面に貼ったもののことです。表面は天然木なので、天然木ならではの木目や質感を味わうことができ、無垢材に比べて価格も安価です。
ナラ材・ウォールナット材・チーク材など人気の木材を使用している場合が多いです。

「特殊加工合板」とは合板の表面に塗装、合成樹脂、プリント紙などを貼り付けた合板のことです。木目模様のプリントを施したものや合成樹脂でコーティングし、合板のデメリットである水に弱いという点をカバーしている為、洗面台のカウンターなど水廻りでも使用することができます。
他にもメラミン化粧合板など特殊加工合板は種類が豊富なので、興味がある方は特殊加工合板の種類が豊富なアイカ工業のHPで見てみてください。
アイカ工業HP

ちなみに「ベニヤ板」は合板とは異なり、単層の板の事を指し、ベニヤを積層すると「ベニヤ合板」となります。安価で強度が高く、加工しやすい為、よく使用されますが、耐水性があまりありません。

木質材料を天板とその脚のように直角に設置する場合は、天板勝ちか縦勝ちかも検討しましょう。仕上がりが変わってきます。
また、細かいところですが合板を使用する場合は、小口の処理の仕方も打ち合わせをしましょう。

棚板に使用する場合、どれくらいの厚みが必要なの?

このように様々な木質材料がありますが、実際に使用する際は一体どれくらいの厚みのものを使用したら良いのでしょうか。

棚板の厚みは重いものを乗せるほど厚みが必要となってきます。
また、板材の厚さによって雰囲気も異なり、薄いほど軽やか、厚くなるほど重厚感がでます。
更に板材のエッジの加工の仕方によっても雰囲気は変わってきます。

具体的な棚板の厚さは、

テーブル、TVボード、天板のような耐荷重を要する場合は板厚30㎜以上
スパンの短い可動棚の場合は板厚15㎜や20㎜以上
本棚で大容量の本を収納する場合は板厚25㎜以上

になります。
しかし、棚板の支え方やブラケットの間隔によっても異なってくるので、上記の数値はあくまでも目安としてお考えください。

棚板の耐荷重についてはこちらのサイトがオススメです。

天板の耐荷重計算ツール

是非活用してみてください。

今回は様々な木質材料に触れてみましたがいかがでしたか?
合板を内装材として使用するケースも多く、特にシナ合板は天井や壁に貼るだけで、上品な木質感が生まれるのでよく使用される木質材料の一つだと思います。

また、集成材一つとっても木材の種類を変えるだけで、雰囲気や金額も大きく変わってきます。集成材や合板は塗料を変えることで木材の雰囲気もガラリと変わります。組み合わせは何通りもあるので是非色々試してみてください。

お部屋の雰囲気、使用用途や予算に合わせて、メリハリを付けて木質材料だけでなく色々な素材を提案してみましょう。

 

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