〜この記事でわかること〜
- 「イージーロックフローリング」なら、畳の上からフローリングを設置可能
- 畳だけでなく、モルタル・カーペットの上にも敷ける
- 釘やボンドなしのDIYで簡単施工
- 賃貸や予算を最小限に抑えてフローリングに変えたい場合に◯
- カビ・不陸調整の対策をしっかりと!!
そういえば、畳の上からフローリングってそのまま敷けるの…………?
と疑問に思ったこと、一度はありませんか?
日本の住宅では、規模の小さいマンションでも和室が設けられていることは一般的ですし、リノベーションでも小上がりを利用して畳スペースを設けたいというお客様も多いかと思います。この様に、和室が生活の一部として深く浸透している一方で、長年和室で暮らされていたお客様から、リノベを機に利便性や清掃性のためにフローリングに張り替えたい!というご要望をいただくことも少なくありません。
この場合、通常なら畳を撤去・段差調整等を行った上でフローリングに敷き直すというご提案になるかと思いますが、予算の関係でフローリングへの張り替えが難しいというケースも出てきますよね。
ここで頭にふとよぎるのが、先ほどの「そういえば、畳の上からフローリングってそのまま敷けるの…………?」という疑問です。
そこで今回は、この疑問を徹底解剖!!
畳の上からフローリングを敷く方法/そのメリット・デメリットについてご紹介したいと思います!
目次
畳の上からフローリングは敷けるのか?
では早速、結論から見ていきましょう。
畳の上からフローリングは、「敷けます!」
しかし、どのフローリングでもOKという訳ではなく、あくまで専用のローリングを使用する様にしましょう。
※コンクリート直貼り用フローリングを、畳の上にそのまま敷き込むことも不可能ではないですが、長期的な使用を前提とした場合に必ず不具合が予想されますので全くオススメできません。
最近では、TOOLBOXから「イージーロックフローリング」という商品が発売されており、ボンドや釘・タッカーなどを使用せずに簡単にDIYで畳の上からフローリングを敷くことができます。
引用:TOOLBOX
この商品の特徴は、先述の通り特殊な接着剤や施工技術がなくとも、商品本体のサネ加工により、床に置いてはめ込むだけで誰でも手軽にフローリングを設置できる点です。
裏面のカルプクッション材により、施工後のカタつき音を軽減することができ、畳だけでなく、モルタルやクッションフロア・タイルカーペットのうえに敷くことができます。また、こちらに掲載した商品は無塗装品のためオイルやステインで好みの色に塗装することが可能です。(TOOLBOXでオイル塗装品も取り扱いあり)
引用:TOOLBOX
とはいえ、お部屋のサイズに合わせてノコギリで板材のカットをする必要がありますので、タイルカーペットをDIYで敷き込むよりは少し難度が上がるかもしれません。お客様にご紹介する際にも、施工に多少の手間がかかることは事前にきちんと説明する様にしましょう。
また、この「畳の上にフローリングを敷く」という手段は、邪道とまでは行かないもののフローリング貼りの正攻法ではないので、あくまで短期的な使用を前提とした選択肢として採用することをオススメします。
詳しいメリット・デメリットについては、後の章でご紹介します!
費用はどれくらい?
この方法を検討する多くの場合が、「予算を抑えてフローリングを施工したい」または「賃貸で原状回復が必要だが、フローリング貼りにしたい」とういうケースかと思います。
そこで、前述の「イージーロックフローリング」を ”お客様がDIYで10帖の和室に畳の上からそのまま敷き込んだ場合” の概算を算出してみましたので、費用を検討する際に参考にしてみてください!
施工に必要なもの / 参考価格 ※価格は全て税抜
・イージーロックフローリング 無塗装 13ケース / ¥127,764
※畳10帖=約15.48~18.2㎡として¥9,828 × 13ケース
(1ケースあたり1.512㎡分)
・下地調整シート 1巻 / ¥10,800
・オスモカラーフロアークリアー つや消し 2.5ℓ / ¥20,240
・オスモカラー塗装道具セット / ¥3,688
・差金 / ¥390
・コンベックス / ¥980
・ノコギリ / ¥1,320
合計:¥165,182
価格参考(2022年9月時点のもの):TOOLBOX
nagai webshop
オスモ公式オンラインストア
となりました。
畳をフローリングに張り替える際は、これに加えて「畳の撤去」「下地調整」「施工手間」「工具」等の費用が必要になることを考えると、全体の費用自体は抑えることが可能と言えます。
あくまで上記の費用は、いくつか商品を元に仮に作成した参考用の概算ですので、実際の施工費用とは異なる場合があります。施工の際は必ず、自身で必要商品・価格を今一度メーカー等に正式に確認してください。
メリット・デメリット
さて、ここまで「畳の上に直接フローリングを敷く方法」の概要についてご説明してきましたが、設置にあたって何に注意をすれば良いでしょうか?
以下に、この方法を採用した場合のメリット・デメリットをまとめてみました。
メリット
・価格を抑えてフローリングを取り入れられる
・特殊な工具や施工技術がなくとも施工可
・大掛かりな工事が必要ないので、住みながらでも設置可
・畳だけでなくモルタル・クッションフロア・タイルカーペットの上に施工可
・賃貸・テナントなどで原状回復が必要でも簡単に撤去可
デメリット
・DIY施工の場合、多少の手間がかかる
・既存床下地の影響を受けやすい(歪み・きしみ等)
・下地の状況によってカビが生える可能性あり(特に畳の場合)
・境目に段差が生じる
・既存の建具と干渉する可能性あり
手軽さ・コストパフォーマンスという点からはこの方法はとても魅力的と言えます。そのため、賃貸のテナントや事務所等のリノベーションで原状回復が必須となっている案件などでは大活躍の方法かと思います!
ただ、10年・20年と長期的な使用を目的とする場合は、この方法はオススメできません。もし、住宅のリノベーションでお客様からご希望があった際は、リノベーション工事内でフローリング貼りの代替え案として提案することはせず、お引越し後にお客様ご自身で施工をしていただく形が良いでしょう。
施工方法はここからチェック
TOOLBOXのwebサイト内で、前の章でご紹介した「イージーロックフローリング」の実際の施工方法が紹介されています。写真と共に詳細手順がとても分かりやすく書かれていますので、こちらを確認してみてください!
▼該当記事はこちら
how to make / 畳の上からフローリングを敷いてみた!
さて、今回は畳の上にフローリングを敷く方法についてご紹介しました。
リノベーションの工事内で実際にこの方法で施工をする機会は少ないかと思いますが、デザイナーとして、お客様から質問をされた際に「……?」とならない様、商品や手順について把握しておくことは必要となります。
注意点を正しく理解すれば、お部屋の雰囲気をガラッと変えることの出来る素敵な手段ですので、ぜひ覚えておくと良いかと思います!
それでは、また次の記事でお会いしましょう!
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