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2022.02.18

一筋縄ではいない!?マンションリノベのエアコン事情

~この記事でわかること~

  • 室外機置き場は事前に確認
  • 専用コンセントはエアコンに適した種類を選んで!
  • 設置面の壁には下地補強を!
  • 室内機と室外機は出来るだけ近くに設置
  • 『先行配管(隠ぺい配管)』は冷媒管の種類にも注意

夏は蒸し暑く・冬は寒い日本の住宅に欠かせないのがエアコンですよね。
恐らくマンションリノベでもほとんどのお客様がエアコン設置を希望されるかと思います。
みなさん、エアコンの設置ってどこにでも簡単にできると思いますか?

エアコンが普及する前のマンションや、リノベーションで間取りを変更する場合、設置場所を変更・追加する場合などは、エアコンの設置が一筋縄ではいかない可能性が出てきます。
そこで、前半ではエアコン設置の基本知識や注意点を、後半ではマンションリノベでよく耳にする『先行配管』についてお話してきます。

エアコンを設置するのに本体以外に何が必要?

引用元:コジマネット HP

基本の “き” になりますが、エアコンは室内に設置する本体=室内機だけでは動きません!
まずは一般的なエアコン設置に必要な物を確認しておきましょう。

<本体以外に必要な物>
①室外機
搭載されている「圧縮機」で冷媒ガスを循環させる

②専用コンセント
エアコンは消費電力が大きい為、コンセントは「専用」

③冷媒管
冷媒を循環させる為の室外機⇆本体に接続された2本の配管

④ドレンホース=排水管
室内機に溜まった空気中の水分を外部に排出する為の配管

室外機って何処に置くの?

室外機ですが、設置する場所は基本的に限られていることがほとんどです。
室外機は意外と大きく重いので、設置予定の室外機の寸法は事前に押さえておく必要があります。

マンションによっては管理規約やルールによって、設置可能場所が決まっている場合もあるので事前に確認をしましょう!
外壁などへの新規ボルト打ちがNGなマンションも多く、新規で金具による外壁固定や天吊設置が難しい場合もあります。

<離隔距離が必要>
ベランダや共用廊下の床に設置する際は、メーカー規定の離隔距離を確保する必要があります。
離隔距離など設置規定が満たせない場合は、設置は難しく設置出来る他メーカーを探す必要が出てきます。

<配管を通す外壁スリーブが必要>
エアコン本体⇔室外機をつなぐのが2本の冷媒管で、加えて本体からのドレンホースは基本的に外に出します。
すなわち、エアコンを設置するには外壁に配管類を通すスリーブが必須ということになります。(※ドレンホースは例外もあります)

外壁の新規スリーブ開口はNGなマンションが多く、その場合は既存のスリーブを利用する必要があります。
吸気スリーブなどをエアコン配管用に使用する場合もあるかと思いますが、本来の機能が低下または無くなることになります。別の方法で対策をとるなどし、その旨やリスクをお客様には事前に説明しておいて下さい。

専用コンセントは種類があるの?

先にも述べたように、エアコンは消費電力が大きい為、専用コンセントにする必要があります。
また、コンセントを専用にすることに加えて種類がいくつかあるので注意が必要です!

設置するエアコンが、
①「100V」or「200V」
②「15A」or「20A」
によってコンセント形状が異なります。

引用元:DAIKIN カタログ

対応畳数が広い機種は「200V」が必要になります。
ただし、マンションによってはそもそも200Vが使用できない可能性もあるので、現地調査の際に事前確認をしておきましょう!

本体はどの壁に設置してもいい?

次にエアコン本体ですが、後から好きな場所に設置できる訳ではありません。
コンセントの位置や配管・室外機との関係だけでなく、設置場所で気を付けたいポイントがあります。

<設置箇所には下地補強>
エアコンはある程度重さがある為、設置面の壁には補強下地が必要になります!
ブラケットを壁面に取り付けるのにビスが効かないと意味がありません。
PBではなく、しっかりビスが固定される強度のある下地を施工するように、図面でも指示することをオススメします。

<スリーブ位置にも注意>
冷媒管が長くなると効率が低下し、選べる機種等が限られる可能性があるので、室内機と室外機は出来る限り近い場所に設置するようにしましょう!
室内に配管や配管カバーが長く見えると、見た目も美しくないですよね。

外壁面にACスリーブが無い部屋は設置出来ない?

引用元:松崎電機株式会社 HP

エアコンは本体(室内機)と室外機が出来る限り近くに設置し、『露出配管(隠蔽しない)』とするのが望ましいですが、それが難しい場合もあります。
⬇︎
露出配管が難しい場合に検討されるのが『先行配管(隠蔽配管)』です!

先行配管(隠蔽配管)とは:
ドレンホース・冷媒管・連結配線(渡り配線)を、壁の中や天井裏に隠し、室内側から配管が見えない施工方法です。

先行配管にする場合は、計画段階で設置する機種を決めておく必要があり、また施工難易度も高いので注意点やリスクを加味して計画しなければいけないんです。

『先行配管』のメリットは?

『先行配管』の注意点をお話しする前に、まずはメリットをみていきましょう!

<見た目がスッキリ>
配管の大部分が隠れる為、室内の見た目がスッキリして綺麗です。
室内に現れる配管が減るので、家具の干渉などインテリアへの影響も少なくなります。

<エアコンを設置出来る可能性が広がる>
室外機置き場や躯体スリーブなど他の要素も関係しますが…
下記の様な本来はエアコンの設置が難しい場所にも設置が出来る可能性が増えます。
・外に面していない部屋(ACスリーブが無い部屋)
・室外機と距離がある場合

『先行配管』は高リスク!?

では『先行配管』にはどんなリスクや注意点があるのかみていきましょう!

【冷媒管の問題】
◆冷媒管の長さ
エアコンは冷媒管が長くなるほど冷暖房効率が低下します!
先行配管では、ほとんどの場合が室外機までの距離が遠く=冷媒管が長くなります。
そうなると、冷暖房が効きづらくなったり、電気代が高くなる可能性があります。
また、エアコンによって冷媒管の長さが決まっていたりするので事前に確認が必要です。

◆冷媒管の太さ
一般的な家庭用のエアコンの冷媒管には主に2種類の太さがあるんです。
①2分3分配管:5.6W以下のエアコンに多い
②2分4分配管:6.3W以上の容量の大きいエアコンに多い
冷媒管を先に施工し隠蔽するので、配管の太さを間違えると大変なことになるので、LDKなどに畳数の大きいエアコンを設置する場合は特に注意が必要です。

【ドレンホースの問題】
勾配がないと排水できないため、ほとんどの場合、先行配管でドレンホースも外部に持っていくのは難しくなります。
そのため、先行配管の排水は、生活排水(キッチン・洗面・浴室など)の配管にドレンホースを接続して排水する場合が多いです。
⬇︎
◆臭気問題
外部に排水していない為、接続している排水の臭気がドレンホースを介して逆流しエアコンから出てきてしまう場合があります。
⇒ 対策:臭気の逆流を防ぐ、専用の排水トラップを設置

◆壁内部の結露問題
冷えたドレン水が流れる際に、壁内部で結露が発生する可能性があります。
⇒ 対策:断熱ドレンホース+接続させる排水PV管にも保温材を利用

【高機能エアコンの設置不可】
「高機能付きエアコン」は別途配管が必要になったり、ゴミの排出が必要になったりします。
そのため、先行配管では「高機能付きエアコン」の施工・設置条件を満たさない場合がほとんどで、設置は難しいです。

『先行配管』は取り付けるのも一苦労??

先行配管で配管工事(リノベ事業者)と設置工事(家電量販店)を別にする場合、トラブルが起こりやすくなります。

一例を挙げると、
「家電量販店:そもそも先行配管の場合は設置を承れない」
「配管と機器が上手く接続できない」
「お客様:エアコンが動かないけど、どっちに連絡すればいいの?」
など、設置の際と居住後に問題が発生する可能性があります。

そのため、可能な限りエアコン取り付けもリノベーション工事で行うようにお客様に提案することをおすすめします!

【メンテナンスまで考えよう】
先行配管にする際は配管の接続部や曲がり部分に『点検口』を設けることをオススメします!
配管の接続部は問題が起こりやすく、曲がり部分は破裂や亀裂が生じやすいので、直ぐに確認・対応できるように『点検口』を設けておくと安心です。

エアコンの既存利用はしていいの?

既存のエアコンを移設する場合や、今の住まいで使っているエアコンを持ってくる場合も注意が必要です。
既存利用で場所も変えず配管も触らない場合は問題ありませんが、冷媒管を一度外す=移設する場合は使用や機能にリスクが伴うので、お客様に事前説明し合意を得た上で工事を行いましょう!

冷媒管は銅管に保温材が巻かれていて、銅管の状態を外見から判断しづらく、一度使用すると硬化する性質があります。
最悪の場合は配管から冷媒ガスが漏れ、エアコンが正常に作動しない可能性も出てきます。

また、機種によっては冷媒管の長さに制限がある場合があるので、設置場所によっては適さない場合もあります。

移設するエアコンの品番などから、設置条件を確認しましょう。判断が難しい場合などは、設置工事の業者や先輩に相談するようにしましょう!

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