~この記事でわかること~
- ディテール次第でトラブルも?
- 小上がり収納のおさめ方を理解しよう!
- わからないことは先輩に即相談!
住宅設計を行う上で必ずインプットが必要になるのが、細かいディテール(詳細)です。このディテールのおさめ方次第で、トラブルを生むこともあります。しっかり理解して設計を進めていきたいですね!
この連載では、リノベーションによる住まいの設計をしていれば必ず描くこととなるディテールの描き方例をご紹介します。
もちろん、取り上げる以外のおさめ方もいろいろありますので皆さんの先輩の図面をディテールを中心に集めても良いかもしれません。(筆者もリノベ設計をはじめた直後に、先輩たちの図面集めを行いました!)
是非、インプットしておきましょう!
目次
「小上がり収納」とは?
今回、取り上げるのは「小上がり収納」です。都心部において、物件価格の上昇や、広い面積の物件が少ないなどの理由で、マンションリノベーションではコンパクトな面積を効率的にプランニングすることを求められることが増えてきています。
その場合ネックになってくることが収納計画です。その中で重宝されるのが「小上がり収納」です。居場所にもなりつつ、収納量を確保できるので一石二鳥ですね。
今回、そんな「小上がり収納」を二種類取り上げました。簡単な手書き図面にておさめ方をご紹介します。
小上がり収納のおさめ方 – ①
1つ目の小上がり収納は上部パネルにして収納に蓋をするタイプです。このタイプは既製品でもありますが割高になる場合や無駄な隙間が生まれてしまうことも多いため、造作を前提に作図しています。
この作り方の特徴は特に金物を使わないことです。ただ、蓋をおいているだけです。今回は上部の仕上げをタタミを前提としています。タタミだけでは沈んでしまうので合板と合わせて二層になっているパネルとしています。
ここでのポイントはタタミを薄いタイプにして、そもそも一枚当りの大きさも小さくしておくことです。厚く大きくなってしまっては重くて開閉ができないなんてこともありますので注意しましょう。基本的に小さい割付の琉球タタミのタイプがおススメです。
小上がり収納のおさめ方- ②
2つ目は側面から収納ボックスをスライドさせて引き出すタイプです。
こちらも使う金物はキャスター程度のシンプルな作りです。1つ目のタイプと比較してのメリットは収納したものを取り出しやすいところです。一方で、デメリットは床全面に収納にすることができないことです。というのも引き出しやすさを考えると収納の奥行は700~800mm程度ですのでそれ以上の奥行があったとしてもデッドスペースになってしまうことです。
造作費用はかさむかもしれませんが、手前はスライド式にして、奥は上部パネルにして開閉式にするなどハイブリットな作り方も一つかもしれませんね。
また、収納の存在を目立たせない方法としては、引き出す側面の框部分と引き出し部分の面材を一緒にし、なおかつ引手を下部に持っていくこと方法は個人的におススメです。
ワンポイントアドバイス
小上がりの高さの設定は実は悩みどころです。収納したいものに合わせて設定することもありますが、一番多い高さは椅子の座面の高さと合わすことではないでしょうか?椅子の座面は約400mm前後ですのでお客様に最終相談をした上で、高さ設定を行うと間違いないかと思います。
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