~この記事でわかること~
- ディテール次第でトラブルも?
- リノベで人気の室内窓の納まりを理解しよう!
- わからないことは先輩に即相談!
- 小さいお子さんがいる場合は慎重に選定しよう!
住宅設計を行う上で必ずインプットが必要になるのが、細かいディテール(詳細)です。このディテールのおさめ方次第で、トラブルを生むこともあります。しっかり理解して設計を進めていきたいですね!
この連載では、リノベーションによる住まいの設計をしていれば必ず描くこととなるディテールの描き方例をご紹介します。
もちろん、取り上げる以外のおさめ方もいろいろありますので皆さんの先輩の図面をディテールを中心に集めても良いかもしれません。(筆者もリノベ設計をはじめた直後に、先輩たちの図面集めを行いました!)
是非、インプットしておきましょう!
目次
室内窓とは?
今回、取り上げるのは「室内窓」です。
マンションリノベーションでは基本的に専有部にあたるため、位置を変えることや増やすことはできません。その為、多くのマンションは北面南面に面する居室には窓を設けられますが、その間に部屋作った場合は窓に面することができない部屋になり、換気ができなかったり、採光も得られない、快適とは言えない部屋となってしまいます。
そこで出てくるのが「室内窓」です。また、デザイン的にもお洒落なアクセントにもなるためリノベーションの設計では人気があります。連載の中で一度取り上げましたが、それ以外の種類も知りたいとのご意見多数頂き今回はその続編です!
今回、開閉のできる「可動窓」を二種類取り上げようとと思います。ただ、可動の方法はいろいろありますし、枠材も木製なのかアイアンでやるのかなど選択肢も豊富にあるのが「室内窓」です。前回同様ですが、価格的に抑えることができる木製の枠の「室内窓」にフューチャーして、簡単な手書き図面にておさめ方をご紹介します。
室内窓のおさめ方 – ①
1つ目の開閉可能な室内窓は「引き違い窓」です。
起用する金物によっておさめ方が異なりますのでしっかり金物の詳細をご確認の上でおさまりを検討しましょう。今回選定したのは戸車と甲丸レールを起用してスムーズに開閉ができる形にしています。
レールを真鍮にすることによりデザイン的なアクセントを付けることも可能です。引手なども同素材にするなどしっかりお施主様と協議をして変えることもできます。
引き違い窓は、金物によってはスムーズがゆえにお子さんが力強く開閉をおこない、故障に繋がったなんてケースもあります。小さいお子さんがいる場合はその点もしっかり伝えたうえで選定していただくことが重要かと思います。
室内窓のおさめ方 – ②
2つ目も①同様に、開閉可能な室内窓の「両開き窓」です。
上記イメージのように昔ながらの波打つ吹きガラスなどを選定すれば、クラシックな印象がつくので個人的には好きなおさめ方です。丁番を軸に開閉をするシンプルな形ですがそれ以外にも「つまみ」や角度の調整を行うパーツなど、アクセントにもなる金物も使用するのが特徴です。
BEST社WEB カタログより
例えば、以前使用した金物では上記の「平角調整器」(BEST社)です。これを使うことにより設置方次第で角度域は変わりますが、自由な角度で止めることが可能になります。
サイズ次第ですが、①の「引き違い窓」と比べ、大きく開くので動線と絡む位置での設定は注意が必要です。
ワンポイントアドバイス
今回取り上げた窓は設定次第ではあるかと思いますが、必要となる壁の厚みが70mmよりも厚くする必要も出てくることはしっかり抑えておきたいです。これを怠ると、壁に対しだいぶ枠がでっぱることとなるので注意です。ちなみに以前「引き違い窓」を設置した際には枠:100mm。壁厚:90mmに設定しました。他の壁との絡みもしっかり確認して図面に落とし込みましょう。
いかがでしたでしょうか?
地味な部分かもしれませんがリノベーションの設計者としては理解しておきたい部分だったかと思います。是非インプットもしっかり行った上で良い提案に繋げていただければ幸いです!
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