この記事のポイント!
- 床材によっては、暖房効果が半減してしまう場合もあり!
- 家具が重たすぎると、床暖房が壊れるかも、、、
- 床暖房って本当に必要?
前回の記事では、床暖房の種類や特徴について解説してきましたが今回は実際に施工する際の注意点をまとめています!
さっそく見ていきましょう!
目次
【注意点①】管理規約と遮音規定の確認は必須!
【管理規約】
まず、床暖房を計画する為にマンションの管理規約に反していないか確認が必須になります。
▼工法や熱電源の種類・設置
例えば、温水式の場合、熱源機(給湯器など)を床暖房対応タイプにする必要があり設置可能か確認が必要。
また、温水式の温水パイプ(熱源機⇆温水パネル)を新たに通せるか確認が必要=熱源機の設置場所は躯体外の場合が多く、追加パイプが通せる穴が躯体に空いている必要がある為。多くのマンションは躯体の穴空けNG。
(引用元:Rinnai HPよりデジタルカタログ内)
▼遮音規定
例えば、床仕上げ材(下地に規定がある場合もあり)に遮音等級の指定がある場合、床材によっては床暖房の効能が減退してしまう可能性も出てきます。
そもそも、管理規約の内容によっては床暖房を設置出来ない可能性もあるので、現地調査と合わせてしっかり管理規約の内容を確認し、必要に応じて管理組合等に確認・相談をしましょう!
【注意点②】床材の選定は、慎重に。
▼床材の選定
床暖房を設置すれば、床下には熱が発生し、湿気や乾燥で仕上げ材が反りやすくひび割れしやすい環境になります。
床仕上げ材は必ず床暖房対応のものを選ぶ必要があります!
複合フローリング・無垢フローリングは共に床暖房対応の商品を出しているメーカーも増えているのでチェックしてみて下さい。
また、床暖房を設置することで通常(床暖房を設置しない場合)より床材に影響が出やすい旨をしっかり事前に説明し、ご理解いただいた上で計画しましょう!
【注意点③】適材適所に配置すること!
マンションや既存の状態などにより、床暖房の設置に制限が出る場合がありますが、それとは別に設置する場所(部屋)や目的によって適した種類の床暖房を選定しましょう!
電気ヒーター式・温水式でも其々種類があります。
設置範囲や使用時間、立ち上がり時間や温まり方、ランニングコストなど其々の特徴を鑑みて、適した床暖房を提案して下さい。
【注意点④】その家具、置いて大丈夫?
▼荷重
ピアノなどの重たい家具や家電を床暖房の上に置くのは極力避けて下さい。
上から圧力が掛かることで、床暖房の機能が低下したり支障が出る可能性があります。
プランニングの時点で分かっている際は、設置範囲を調整したり、下地の補強をしたりして対策する必要があります。
また、荷重が集中しないように家具の脚に敷板などを敷いて分散する様な工夫も大切になります。
▼蓄熱
クッションやラグ,脚のないタイプのソファなどは放熱の妨げになり、それらの物を長時間置いておくと熱が籠り、床材のひび割れや変色の原因になります。
熱がこもった状態で動かす際は火傷に注意が必要になります。
【注意点⑤】それって本当に必要なんだっけ?
床暖房がある家に住んだことがある方のお話しをお伺いすると、「床暖房は数回しか使ったことがない」「最初の頃は使っていたけど使わなくなった」という声をよく聞きます。
まず、床暖房をご希望される理由をしっかり確認して下さい。
- どうして設置したいのか?
- どの空間で・誰が・いつ・どれくらいの時間使う予定なのか?
- お客様のライフスタイルに床暖房は必要なのか?
そして、床暖房を設置することで客様の生活が豊かになるのかを考えて下さい。
住まい手にとってより良い住まいになる為の設備かを判断して提案、または別の方法の提案ができる設計者になりましょう!
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