みなさん、こんにちは。
今日もホウレンソウでお仕事されてますか?
先週ホウレンソウの相談編をお届けしましたが、まだ”ほうれん草”が恋しい場合はこちらの記事から読んでみてくださいね。
【相談編はこちら】
リノベーション設計者・監理者にとって、多様な関係者と連携する業務では、ホウレンソウ(報連相)スキルは肝になります。
今回は前回に続き報連相の「連」の部分、連絡編をお話いたします。
目次
連絡、甘く見てませんか?
「そもそも、連絡ってわざわざ記事で読むものなの?」なんて思っていませんか?ただ伝えるだけでしょと。
しかし仕事をこなしていくうちに連絡の内容は、業務範囲の拡大に比例して多様化していき、関わる人も増えていきます。複数の業務を抱える中で、この連絡対応をいかに処理するかによって業務の手間が簡潔になることも、膨張することもあるのです。
例えば・・・
近隣の居住者様から騒音クレームで「担当者から説明がほしい」との電話を受けて、案件担当者に社内チャットで入電の件と対応依頼の連絡をした。
担当者から返答はなかったが、対応しているだろうと思っていたら、翌日改めて同じ近隣の方から「担当者から連絡がなかった、どうなっているんだ!!」と電話があり、工事中止を要求されるほどお怒りになってしまった。
この場合、担当者が返答せずに対応していなかった点はさておき…電話対応者として、入電があったことを伝えたことで連絡業務が終わっているという認識も、クレームがこじらせる一端となっています。
連絡は、相手が連絡を受け取ったか、内容が伝わっているかがわかるまでが「ホウレンソウの連絡」の業務なのです。
この例の場合は、担当者のスケジュールを確認して連絡可能な時間に返答がなければ、担当者へ電話をいれる。
さらに夕方までに返答ができないような状況であれば、近隣の方へご連絡し日を改める旨お伝えする対応が必要です。
一言で「連絡」するといっても、伝えるだけではないのです。
連絡手段のいろは
連絡をするにあたって、連絡手段の基本的なものをおさえておきましょう。大別して以下の通り。
手段 | 連絡の内容/対象 |
---|---|
口頭(対面) 電話 | ・簡単な連絡 ・緊急度合いが高いもの |
文書(書面) メール チャット FAX | ・数字を伴うもの ・伝言では間違いを起こす恐れのあるもの ・重要なもの ・制度化されているもの ・方針 ・所定の様式があるもの |
朝礼 会議 社内報 掲示 | ・多数の人 |
マンションの管理人さん宛だと電話以外にFAXや郵送での書面対応が多いですね。
OPTを把握せよ
TPOをわきまえて、冠婚葬祭で礼服に着替えることがあるように、「ホウレンソウの連絡」では、OPTをとらえることで物事が円滑に進められることがあります。
前者の礼服のTPOは、Time「時」、 Place「場所」、 Occasion「場合」と言われますが、連絡ではOPT、Occasion「場面(場合)」、People「人」、Timing「タイミング」かを把握すると、どのように伝えるべきかが判断しやすくなります。
連絡のOPTをさらにかみ砕くと、
- [O]:どのような場面か(重要度・緊急性を見極める)
- [P]:誰に伝えるべきか
- [T]:連絡時機はいつすべきか
このO→P→Tの順番で連絡内容を整理して、連絡手段を使い分けましょう。
連絡の優先順位
さて、連絡手段を使い分けることができても、複数案件を掛け持ちしはじめると連絡が滞ってしまうことがあります。このような場合は、優先して連絡するものをふるいにかけることが必要です。
連絡の優先順位の基準として、前述のOPTの[O:どのような場面か]の部分をみて、大きく3つに分類してみました。
① 重要度・緊急度の高い連絡
・漏水などの早急に対応が必要な状況
・顧客クレーム
・近隣クレーム など
② 24時間以内に対応したほうがいい連絡
・顧客への通常案件対応
・お礼
・軽微な社内業務連絡 など
※定休日や休暇等で対応できない場合は事前にお伝えしておくか、休み明けに連絡する旨をお伝えする。
③ 時機をみて計画する連絡
・案件業務に関わる社内調整
・管理会社(管理人)への申請等の確認
・商社や工務店への発注、見積
・工務店への工事進捗確認
・近隣挨拶
・定時業務報告
・社内アンケート など
優先順位としては、①は言わずもがな優先的に行いますが、②と③については、③の連絡するべき納期によって②よりも早く処理をする判断をしましょう。
※相手からの返答を求めるような連絡については、相手と連絡をみる日時、返答にかかる期間を把握(わからなければ確認)した上で、他の連絡との優先順位を決めていきましょう。
まとめ
最後にざっくりと今回のまとめです。
<ホウレンソウの連絡 POINT>
- ① 連絡は、相手に内容が伝わっているかわかるまでが業務
- ② OPTを把握して連絡手段を選択する
- ③ 連絡の優先順位をつける
このようにして、連絡するという業務は一見簡単にみえますが、その対応次第で連絡者が内容や関係者の状況をどのように把握しているかがみてとれるものでもあるのです。
今回は、報連相のど真ん中、連絡編をお届けしました。
もちろん連絡業務が滞るような状況に陥ったときは、「相談」をお忘れなく!
では今度は、「ホウレンソウ」の報告編でお会いしましょう!
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