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2022.08.06

近隣承認がないと工事できない?【マンションリノベ工事の必須準備③】

近隣承認書とは?これがないと工事できない!?【マンションリノベ工事前の必須準備その③】

〜この記事でわかること〜

  • 近隣承認=工事住居に隣合う住人の人から工事承諾のサインをもらうこと
  • 近隣承認書が必要な場合は、早めの準備を!
  • 工事申請の期限から逆算して2週間以上前には承諾取得にまわりましょう!
  • 訪問する際にの服装は誠意のある服装!?
  • 何度も訪問しても不在の場合は、早めに管理人さん等に相談!

みなさん、マンション工事を行う際に、管理組合へ工事申請書類を提出したことありますか?

では、近隣承認*はどうでしょう?ん?知らない?

近隣承認書は、マンションによって必要になる近隣の方へ工事内容を説明し、ご理解と協力を得て提出できる工事承諾書類のことです。工事申請をする際に、工事住戸の近隣居住者の工事許可を証明した近隣承認書がなければ工事着手できないという管理規約もあるので注意が必要です。

 

近隣の方のライフスタイルによって、近隣承認のためにお宅を訪問してもなかなか在宅時間が合わず、会えないまま3週間経ってしまった…着工予定日がずれてしまった…なんてトラブルに巻き込まれることもあり得ます。

そうならないために、事前に近隣承認の基礎知識と取得のコツをみてみましょう。

 

この記事は、「まだ近隣承認したことない、、、」「そもそも近隣承認ってなに、、?」という方にはオススメの記事です。

*ここでは、《 工事住戸の近隣(一般的に該当住戸の直上直下両隣の4戸や周囲8戸)の専有部分工事に関する承諾 》を”近隣承認”と呼称します。

 

どうして近隣承認が必要なの?

「他のマンションでは必要なかったのに、なぜ必要なの?」
「工事申請での管理組合の許可がマンションの総意じゃないの?」

 

そんな疑問もあるかと思います。

しかし、マンションリノベでは半数とはいかないまでも近隣承認が必要なケースは割とよくあり、申請代行を担う私たちデザイナーとしては、避けては通れない必要ステップです。

 

マンションの管理形態や事情がそれぞれ異なっているように、管理規約も多かれ少なかれ違いがあります。時に、そのマンションの協議の歴史がみえてくることも。

 

そのため、管理規約で近隣承認が必要なマンションは、以下のような理由で近隣承認を得た上での工事を規定していることがあります。

 


  1. 過去に専有部分工事で近隣トラブルがあった
  2. 事前に近隣トラブルを回避するべく、近隣居住者にとって支障がある場合に当事者間での協議を促すため
  3.  マンション管理を管理組合以外が主体で行う管理者管理方式の場合(定期的に管理組合の理事会を行えなかったり、賃貸住戸を所有しているマンションなど)
  4.  直上階からの生活騒音などの苦情が発生した経緯を活かして、遮音性のある床材の使用を徹底し、近隣への配慮を促すため

 

工事に入る前に管理会社等へ過去トラブルがなかったかを聞いておくと、前述の①の二の舞にならないよう対策たてて工事を進められるでしょう。

 

種類と時期は?

近隣承認に関する書類はマンションによって名称が異なりますが、書類の主旨として以下の分類にわけられることが多いです。


  • 専有部分工事全体に関するもの:専有部工事の近隣承諾書
  • 遮音等級の規約を守った床材工事に関するもの:フローリング工事の近隣承諾書 ※使用するフローリング材の遮音性能がわかる資料を求められることもあります

近隣承認書によって、近隣承認の説明ポイントが変わりますので、管理規約や使用規則等を確認しておきましょう。

 

さらに、必ずしも近隣承認書の提出時期が同じだとは限りません。
大別して、2つの場合があります。


  • 工事申請書類とともに近隣承諾が必要な場合
    近隣の方の承諾署名が集まらないと工事申請ができないと規定するマンションが多いです。近隣承諾書のご署名をいただくための近隣挨拶は早めに計画しましょう!
  • 工事申請を出した後から着工前までに近隣承諾を集める場合
    工事申請が着工の1か月前に規定されてるマンションなどでみられます。マンションによって、管理組合の工事許可が下りてから近隣挨拶をしてほしいと希望されることがあるので、いつから伺っていいのか確認しましょう。

工事申請とあわせて申請時期も事前に確認しておきましょう!

近隣承認書提出までの流れは?

では、実際に近隣承認の取得の仕方をみていきましょう。

STEP.1

工事申請時期と近隣承認書類の提出時期の確認し、余裕のあるスケジュールを組む

※前述Aの場合は、遅くとも工事申請の2週間前に実施

STEP.2

工事説明がしやすいように以下の書類を用意する

  • 工事のお知らせ(工事内容・工事時期・連絡先記載のあるもの)
  • 工程表(詳細を求められることがある)
  • ご挨拶の品(タオルなど、用意できる場合)
  • ボールペン(すぐに署名できるように)
  • 近隣承認書の複写(書き損じ等がある場合に備える)

STEP.3

清潔感のある服装で!誠意をもって!いざ、訪問!

※特に騒音工事が発生する解体工事などの期間は丁寧にお伝えしましょう。
※署名と捺印の依頼をお忘れなく!

STEP.4

不在だった住戸への訪問の通知と承諾依頼を記載して投函する

※例えば、工事のお知らせのチラシに以下内容を書き添える

  • 訪問日時
  • 不在につき再度訪問する旨
  • 工事申請に近隣承諾が必須であること
  • ご都合によって訪問するので、お知らせいただけないか依頼

STEP.5

不在だった住戸へ再訪問!

※前回訪問の曜日や時間帯をずらしてみましょう。
※再度不在だった場合は、STEP4を再度実施し、管理人さんに在宅していることが多い時を聞いてみましょう。

STEP.6

3回目の訪問以降も不在の場合…管理人さんまたは管理会社の担当者(または管理組合の理事長)へ相談しましょう。

例えば…

  • 近隣承認取得への実施状況を説明し苦戦していることを共有
  • 近隣の方へ近、隣承諾書コピーを投函して書面での依頼が可能か打診
  • 署名された近隣承認書を、管理人室などへ投函いただく収集方法でいいか…など

STEP.7

管理規約に則って、提出!

近隣承認のポイントは、関係構築?

可能であれば、お施主様に近隣承認取得の訪問に同行いただけるように協力を仰ぐと、より円滑に進むことが多いです。

近隣の方も住まわれる方の顔が分かることで親近感を抱いてくださり、工事に対しても暖かく見守ってくださることがあります。さらにお施主様がお引越しされた後の関係性も築きやすくなります。

 

不在が続く場合は、切ない気持ちになることもありますよね。

近隣承認は、近隣挨拶と同様にマンションでお互いに気持ちよく暮らすための気遣いのカタチなので、七転び八起きで行きましょう!

 

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