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2020.07.06

【みんなの失敗談】コンクリートブロックは壊しちゃダメだよ!!


この記事のポイント!

  • 先輩の失敗談で学びを得ましょう!
  • マンション管理規約は、何がなんでも読み、不明点は確認する(管理規約がすべてではない、、!?)
  • 大事なことは、関係者を巻き込んで早急に話し合いの機会をつくること。
  • 自分はミスしないという過信は、ゴミ箱の中に、、、

「みんなの失敗談」とは?

多くのことをお客様と一から決めて、多くの方が関わり作り上げていくリノベーションによる「住まい」。
どうしても失敗によるトラブルは発生してしまいがちです。
しかも、住まいは工事中であれば常に後ろに次の作業が控えていますし、既にお引渡しをしていれば住んでいる状況ですので早急な対応が必要です。
一方で住まいに関するトラブルは知識と経験に伴い、対応スピードは左右されてしまうことも多いでしょう。

「どうしよう、、」と考え始めただけでパニックに陥り、初手が遅れてしまい、場合によってはさらなるトラブルを生んでしまうかもしれません。

出来れば経験したくない、失敗の事例をご紹介して、皆さんが同じ失敗を繰り返さないように、是非一読していただけたらと思います。

この記事では、マンションの管理規約に関するトラブルを中心に解説していきます。
「管理規約で見るポイントがわからない、、」「専有部の問題について、くわしくない、、」という若手の方には必見です。

「コンクリートブロックは壊してはダメ?…」そんなの知ってた?

Aさんの担当するリノベーション工事の中盤に近隣に住むマンション管理組合の理事長が、

急に工事現場を覗いてこの言葉を言い放ったようです。

「コンクリートブロックは壊しちゃダメだよ!」

基本的にマンションには管理規約というマンションの住人が自分たちの共有財産であるマンションを維持するために作られた住人用のルールブックのようなものです。この中に工事に関するルールに記載があり、そのルールに準じてリノベーションを行います。また、工事内容を明記した書面を用意し、事前にマンションへ工事申請も原則必要となります。

見落としがあったのか?

では、実際に壊してはダメと言われたコンクリートブロック壁に関してルールがあったのか?見落としたのか?そして、工事の申請で間違った報告をしたのか?早速Aさんは確認をしました。
工事の規約には以下の内容が書かれていました。

 

「…表面仕上げ部分を専有部とする…」

唯一、コンクリートブロック壁を壊してはダメな理由があるとしたらここだけでした。なかなか意味がわかりづらい文章ですがAさんはこの文章に関して管理人に事前に確認を取っていたようです。

この文章だと表面以外の下地部分(骨組み)は変えてはならないという認識で、間取りの変更がそもそもできないって話となり、間取りの変更に伴うリフォーム・リノベーションができないと思いますがどういう背景でしょうか?

 

こんなAさんの問いに対し管理人さんは「そうですね、工事申請を頂いた上で管理組合や管理会社がジャッジすると思います。」との回答だったようです。プランニングに大きく影響しますので、お客様と相談の上、平面図がある程度まとまったタイミングで先行して工事申請を行っていたようです。その申請時には平面図、そしてマンションのエントランスへの掲示用のお知らせを提出。そのお知らせにはしっかり赤字でコンクリートブロック解体に関して明記していたようです。
申請の結果は「受理」。そして、無事に着工して工事が進む中のこの出来事だったようで「ダメだよ!」と言われた瞬間、頭の中で「?」が飛び交ったようです。

「これは話合うしかないな…」

というのも、もし規約の文章の通りであれば、お客様の要望の実現性は皆無になりますし、一方で工事をしなおす費用はミスリードとしてAさんサイドが持つことになります。ざっと、数百万の損失になるでしょう。

どうやってリカバー?上司に相談した?

工事はどんどん進んでいますので、Aさんは早急に対応を必要となりました。どんな対応を行ったのでしょうか?
ここでの対応は基本的に以下です。

  1. まずは経験のある上司に相談し対応方法を設計
  2.  ①で設計された方法を現場の親方と対応方法や費用負担について協議
  3. お客様へ謝罪+対応策を提案
  4. 対応策実行

そして具体的にはこんな流れでした。まず、既述の通り管理組合・管理会社含めた話し合いの早急なセッティングです。通常は住人であるお客様が話し合う必要がありますが、あくまでも代理人としてAさんが話し合いの場に入って話す方がスムーズと、お客様と相談の上で判断し、話し合いを行いました。管理会社担当は、住人同士で話しあって決めていただければOKとのことで、理事長・副理事の方とAさんの3人で行ったようです。まず、Aさんからは工事申請の通りに工事をしているだけなのでこのまま進めさせていただきたいと意見を延べます。

 

その後理事長さんはこう答えました。

壊してしまった物は仕方ない。申請の確認を誤って通してしまったのもこちらの責任です。しかし、みんなの暗黙のルールとして、コンクリートブロックの壁、天井や戸境壁のコンクリートの手前の壁下地は手を加えたとしても復旧が必要なルールになっているとのことでした。

つまりこういう主張でした。

上記のオレンジ部分が共用部として自由に変更してはならないということです。

話し合いの結果は?理事長も知らない?

Aさんはこの物件の工事するまでで数十件のマンションでリノベーションを担当していたようですが、はじめてみたルールでもあり、なぜこのルールがあるのかの理屈がわからず、Aさんは理事長に聞いたようです。しかし理事長も理由はわからずでした。

Aさんは経験から、コンクリートブロックは工事の騒音が大きいため解体NG、天井壁の下地は少しでも生活音を隣接住戸へ行かせない為の対策なのではと推測。

その効果に対し、デメリットとしてコンクリートブロックが解体できなければもともと小さい浴槽を今後ユニットバスのサイズアップもできないですし、天井壁の下地も共用部扱いですと工事の自由度もさがり、リフォームやリノベーション前提の中古流通の中で資産性が落ちやすいマンションになるのではないかとお話したようです。

あくまでもこの意見はいろいろな見解もあるかと思いますが、この話し合い以後ルールが変わり、コンクリートブロックの解体はOK、梁回りの下地は専有部として解体可能というルールとなったようです。とはいえ、規約の変更は理事長の意見で変えられるものでは無く、理事の方含め組合の総会の中で決める必要があります。Aさんの現場を既に走っている最中でしたのでその旨お話すると、理事長からは「全責任は自分が取るので進めて良い」と言われ工事はスタートを切れました。唯一変更した箇所は壁現しの予定が復旧を必要となった場所があったためこの部分のみお客様へご説明の上、Aさんのミスリードとして追加費用を負担したようです。

 

ちなみにその物件は大規模なリノベーションがそもそも経験がなかったようです。そのため、住人の皆さんが工事の規約への疑問を持つことなく過ごしていて、このルールが原因かわかりませんがリノベーション・リフォームを前提とした中古販売もなく、住人の新陳代謝も少なかったようです。しかし、このAさんのリノベーションをきっかけとして多くのお部屋でリノベーションが行われているようだと、Aさんは教えていただけました。

自分はミスしないだろうという過信をもってない?

こんな失敗は自分はしないと思っていれば大きな誤解です。自分がしなくてもチームのどなたかがする可能性もありますし、多くの案件を行っていれば必ず失敗はついて回ります。しかもリノベーションはありがたいことにどんどんニーズは上がっているので、はじめて一緒に工事を行う工務店や職人も必ず増えていくでしょう。今回のように竣工から40年近く経ってはじめてリノベーションを体験するマンションとも出会うかもしれません。

匿名Aさんは、このような失敗はまり語りたくないようですが後輩にあえて伝えることがあるようです。「猿も木から落ちる」ではないですがそんなマインドになっている方がいた場合にはお話をするとのことでした。とはいえ、この失敗は本来であれば起こらない失敗のようです。どんな方法でしょうか?

予防策は、管理規約を隅々まで確認すること?

予防としては下記です。
管理規約の中で、プランに関わる事で少しでも疑問点があれば実践しておきたい対策方法かもしれません。


  1. 管理規約を隅々まで確認をする。
  2. 管理人、管理会社担当に管理規約以外に書面やルールがないか確認。
  3. 曖昧な表現がある場合プランニングに入る前に管理人ではなく、管理会社担当と組合(理事長や理事の方)に直接確認を取る。
  4. 話し合いや確認をとった内容は、そのドキュメントに対し、話し合いを行った面々の印鑑やサインを記載し保管。もし紙が厳しいようであれば直接メールを送り、お互いが確認できるように残す。

 

上記内容はやりすぎのように感じるかと思いますが、理事長含め近隣住人はあくまでも専門家ではないのでここまでリードしてやっとケアになるとAさんは言います。管理会社がフォローするかも担当次第ですので、やはり自分でフォローが必要になるかと思います。また、これらの対応を通しAさんが徹底したのはお客様の「あくまでも代理」で動いているというポジショニングです。

一見、ラインを引いて無責任なイメージかと思いますが、あくまでもお客様自身で購入したマンションの工事を請けているわけなので正しい立ち位置です。この立ち位置を間違えると、お客様自身の当事者意識は薄れ、真摯に対応している動きであっても不信感や不満の矛先がデザイナーに向いてしまうだろうとAさんは仰っていました。いざとなった時は共有財産についての話合いの為、住人同士の話合いとしてお客様が出てきてもらう必要も発生することもあるためのようです。