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2023.05.25

【建築散歩】平成知新館に行ってみた!

平成知新館に行ってみた!

皆さん、こんにちは!
京都国立博物館「平成知新館」に行ってきました。京都の顔とも言ってもいいような歴史的な建物、京都国立博物館の明治古都館と現代建築の巨匠谷口吉生さん設計の平成知新館の対比がなんとも鮮やかでした。
古いものと新しいものの共存という視点でご紹介したいと思います。

平成知新館とは?


1897年に創設された京都国立博物館の収蔵品鑑賞施設だった「平常展示館」を建て替えたのが「平成知新館」です。設計はニューヨーク近代美術館や法隆寺宝物館などで知られる谷口吉生さんで、2014年に竣工しました。

平成知新館にはどうやっていくの?

JRの京都駅からタクシーで10分弱、徒歩で18分の場所に位置しており、蓮華王院三十三間堂の北側にあります。
京都駅からのアクセスも良い場所に位置しています。

現地に到着


平成知新館の新築に合わせて南門エントランスゲートが、チケット売り場も刷新されました。こちらの計画も谷口吉生さんの設計でモダンなつくりに刷新されました。既存棟である1897年開館の明治古都館はフランス・バロック様式をもとに日本の建築として解釈されて作られた建築です。


エントランスのゲートも平成知新館もモダンな雰囲気の建築にも関わらず、京都の歴史的な街並みの中でも違和感がなく感じました。それはどのような理由からなのか国立博物館の見学を通じて考えてみました。

旧館と新館の対比


エントランスゲートをくぐり最初に目に入ってくるのが、国立博物館の既存旧館である明治古都館と新しく建てられた平成知新館でした。
明治古都館は表門、札売場及び袖塀とともに旧帝国国立博物館として国の重要文化財に指定されています。それらの歴史ある建物群と対比するように現代の建築として平成知新館が建てられていました。

ガラスのファサード


平成知新館の建物正面はガラスカーテンウォールの外壁、建物の前には水盤が広がり、建物の要素としては現代建築の技術を余すことなく使われたものになっていました。
ただ不思議なことに最新の現代建築が突拍子もなく建てられている感覚がまったくしませんでした。
これは建物の構成する要素がどことなく日本建築の要素を連想させるものになっているからなのでは、と感じました。
外装のガラスカーテンウォールの乳白のガラスや方立のシャープに連続している様子は木造の格子や障子のように見え、建物前の水盤は日本庭園の池のように周辺の風景を写しこんでいるように見える瞬間がありました。

京都の町屋


建物内部も直線を基調として、京都の町屋をコンセプトとしてつくられていました。京都の街並みの中で目にする町屋のプロポーションや、格子のように連続する方立などの建物の要素が周辺の街並みにこの建物を馴染ませているように感じました。

まとめ


古いものと新しいものの共存は非常に難しいことではありますが、歴史や文化に敬意を払いながら新しい建物を考えることで街並みや歴史に馴染むことが出来たのかと感じました。
古い建物に似せて新しい建物を作るわけでもなく、古い建物を無視して新しい建物を作るわけでもなく、歴史を尊重しながら現代の建物を作り、この建物が50年、100年と使われていき、貴重な文化財とともに後世に残すことができるのがとても素敵なことだと感じました。