~この記事でわかること~
- 洗面の通路幅は用途によって調整しよう!
- 洗面カウンター高さは750〜850mmが適切
- 必ず洗濯機の型式・品番をお客様に確認!
皆さん、朝起きてから一番最初にやることは何ですか?
コーヒーの準備、植物の水やり、カーテンを開ける・・・・
などなどありますが、まずは顔を洗って歯を磨いてシャキッと目覚めたい!という方も多いと思います。
そんな朝の身支度から洗濯、そして、コロナ渦では更に手洗いうがいの重要性が再認識され、毎日の生活の中で特に使用頻度の高い「洗面所」ですが、建売のマンションでは最小限に設計されていることも少なくなく、お客様からもリノベーションでガラッとイメージを変えたい!という要望の多いスペースです。
そこで今回は、リノベーション時に知っておきたい快適な洗面周りの基本寸法について確認していきましょう!
目次
洗面所の通路幅はどのくらい必要?
まずは、洗面所内の「通路幅」についてです!
洗面の通路幅は最低でも800mm以上で設定することが一般的と言えます。
これは、以前紹介した廊下の通路幅での考え方と同じように、「通る対象の寸法」と「動作寸法」を基準に設定されています。また、日本の住宅、特にマンションでは洗面所に洗濯機を設置するケースが多いので、この800mm以上という通路幅は洗濯機の搬入を配慮した際にも最低限確保しておきたい寸法となります。
洗濯機の設置寸法についてはこの後のパートでも詳しく紹介しますが、過去に
「廊下・洗面所の通路幅は900mm確保していたけど、洗面所の建具の開口有効寸法を確認し忘れていて、お引っ越し後、搬入の際に洗濯機が入らないとお客様から連絡が来た・・・・・・・」
という失敗談を聞いたこともあります。
そのため、洗濯機を洗面所に設置する場合は、建具の開口有効寸法は最低でも
750mm以上
は確保するようにしましょう!
※洗濯機の種類によって異なる場合があるので、必ずお客様の洗濯機の型式・品番事前に確認のこと
また、お客様が大人数の家族で朝の身支度のために洗面所を何人かで同時に使うことが多い場合や、洗面所で室内干しをしたいというご要望が出ている場合などは、この800mmという最低寸法の通路幅では少し窮屈に感じる可能性が高くなります。
この場合には、最低でも通路幅
1000mm以上
は必要になります。
そのため、洗面所の通路=800mmが常に最適解ではないので、お客様が日常生活の中でどの様に洗面所を使いたいかをよく確認してから、適切な寸法を設定する様に心がけましょう。
住宅の通路幅の考え方については、こちらの記事で細かく説明していますので、通路幅って何を基準に考えればいいんだっけ・・・?と少し不安になった方は合わせて読んでみてください!
洗面カウンターの基本寸法
では次は、洗面カウンター周りの基本寸法を見ていきましょう。
洗面台の高さを設定する際、
750mm〜850mm
の間が最適と言われています。
※ここで言う洗面カウンターの高さは、床から洗面ボウルのふち(下図参照)を指しています。造作で洗面カウンターを設計する際は、置き型or埋め込み型等どの洗面器を採用するかによってカウンターの高さは異なりますので、注意しましょう!
引用:パパサラダ
最適な洗面カウンター高さの計算方法として、身長÷2前後mmと言われることが多いですので、この計算式を基本にしながらお客様のお好みの高さを実際に計測し決定することをおすすめします。
また、各メーカーのユニット洗面台を採用する際は、700mm・800mm・850mmから3サイズから高さを選ぶことができる商品も多いので、お客様に実際にショールームで高さを体験していただくのが良いでしょう。
引用:工事屋さん.com
【要注意】洗濯機のサイズは念入りにチェック!
最後に、うっかりしがちな洗濯機周りの寸法の確認です!
皆さん、洗濯機置き場の寸法は通常どの程度で設定していますか?
縦型orドラム式、また洗濯機の容量によって適切なサイズは異なりますが、大体の場合は、
奥行 × 幅=750mm × 750mm
を確保しておくと、洗濯機の品番が確定していない場合や将来的な買い替えを見据えた場合にも無理のない寸法と言えるかと思います。
また、洗濯機の扉を最大限に開いた際に壁や棚との干渉がないかも必ずチェックする様にしましょう。一般的な洗濯機の扉開放時に干渉を避ける寸法は下記の図を参考にしてみてください。
ドラム式の場合
縦型の場合
※洗濯機の種類によって扉の開け方・サイズに差があるので、これはあくまで参考寸法とし、製品詳細を必ず確認のこと
「洗濯機が入らない・・・・とお客様からお引っ越しの際に連絡が来た」
という失敗談を耳にすることは少なくありません。若手・ベテランデザイナーに関わらず、うっかりしてしまいがちな部分でもありますので、
・必ず洗濯機の型式・品番をお客様に確認!
・製品寸法を図面に落とし込む!
※扉を開けた際の軌道の確認も忘れず
を徹底する様にしましょう!
さて、今回は暮らしの有効寸法シリーズから「洗面編」をお届けしましたが、いかがでしたでしょうか?
今後も、住宅の色々な寸法にクローズアップしたシリーズもお届けできればと思いますので、この寸法が知りたい!!等のリクエストありましたら「お問い合わせ」ページよりお気軽に教えてください。
それでは、またお会いしましょう!
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