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2021.09.07

住宅リノベーション設計職ってどんな仕事?現役リノベ設計職が詳しく伝えます!(前編)

住宅リノベーション設計職ってどんな仕事?現役リノベ設計職が詳しく伝えます!(前編)

前回の記事では主にリノベーションに置けるビジネスモデルの種類と設計者の仕事内容についてまとめています。
今回はその中でも近年着工件数が増えている「ワンストップ型」のリノベーションサービスを提供する企業での設計者の仕事内容についてお伝えします。

 

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リノベーションの設計ってどんな仕事?

最近リノベーションの実例が増えていますが、業務内容について知りたい設計者の方向けにワンストップ型リノベーションの業務を軸にお伝えします。

ハウスメーカーのように今後はワンストップ型の住宅リノベーションサービスを提供する企業が増えていきますので、ぜひチェックしておきましょう。

ワンストップサービスの場合、1人で営業から設計まで担当するのはベテラン設計士でない限り難しいので、多くの場合、営業担当と設計が協力しチーム体制で進めていきます。

では早速、ワンストップ型サービスの営業工程~設計工程の内容をお伝えします。

 

営業工程について

ワンストップ型では、営業担当がお客様の希望する条件をヒアリングし、お客様の物件購入のサポートを行います。

物件持込型のリノベーションサービスの場合は、お客様が既に所有している物件の現地調査を行うところからスタートになりますが、ワンストップ型の場合は物件を購入する前段階でラフプランの作成を行い、その物件でどのようなプランが実現可能なのかを事前に確認し、イメージをお客様とすり合わせを行う場合もあります。

 

画像:マンションリノベーションのラフプラン参考

 

ラフプランは、複数の物件の中から購入を検討する場合に作成することが多く、比較検討する上で希望する間取りや条件を満たすことができるかをお客様が確認するために作成します。

営業担当は、物件の立地や条件、マンションの修繕計画などを確認し、設計担当からは該当物件でどのようなプランニングが可能かを伝えます。

新築設計におけるラフプラン作成と違う点は、中古物件の場合は解体しないと見えない部分を新築時の竣工図を参考に、想像しながら描き上げる点です。

例えば、構造壁が入っていて解体できない可能性がある壁がある等、大幅な変更をする上でリスクがある場合は、過度な期待をお客様に抱かせないように、ラフプランの段階では期待値調整を図ります。

お客様が物件の買い付けを入れた後は、営業が不動産業者と金融機関に連絡をとり、物件の売買に関する情報を集め、ローンの申し込みを行います。
そこから設計する物件が確定したところで設計者にバトンが渡され、現地調査、基本設計、実施設計、発注、施工監理と進めていきます。

基本的に設計者は意匠デザインから設備、照明計画、家具選定といった幅広い分野を1人で担当し、設計を行います。
インテリアの分野と建築の分野の両方を経験できるので、設計者として幅広く学ぶことができ、キャリアアップを目指していくことができるでしょう。

現場監理については設計士が担当します。
リノベーション設計の特性上、現場でのすり合わせが多く、施工業者やお客様とのコミュニケーションが多くなるためです。
では、続いて設計者の業務について各設計フェーズごとにどのような業務があるのかを順に深掘っていきましょう!

 

設計者への引き継ぎ

物件の売買契約締結後、営業担当から引き継ぎを行います。
きちんとお客様に寄り添いながらアプローチする上で大事なポイントとして、お客様の情報と物件情報の2点を押さえておきましょう。

お客様の情報としては、新築の設計時と同じように希望の優先度とコストとのバランスを見て設計を進めます。その際に既存利用できる部分があるかどうかを確認します。

浴室やキッチンがリフォーム済みなどの物件の場合、再利用することで費用を抑えることができます。

また、物件情報は竣工図を確認します。この竣工図は、マンションの場合管理人に連絡して見ることができます。

ここで、アスベストの有無など設計に必要な事前情報を抑えておくことがリノベーションの設計では必要となります。

ただ、下調べをしていても、解体工事をしてみると事前の想定とは異なっていたことが発覚することもリノベーションでは頻繁に発生するので、新築よりも2週間程度余裕を持った工程が必要です。

 

写真:解体後の様子、既存の設備の状況などが把握できる

 

実際にプランニングを進めるにあたって、内装設計が主になるので、法令に捉われることが少なく自由にアイデアを出せる点がリノベ設計職の面白いポイントでしょう。

対象物件とお客様の要望が毎回違うので案件ごとに新鮮な気持ちで臨むことができます。
また、内装材や設備類など多種多様な商品を使用することが多く、たくさんのメーカーのカタログを読んで頭に叩き込み、お客様の要望に合わせて空間のテイストを考えることができます。

さらに、一般的な新築戸建住宅よりも工程が短く、法令の制限も少ないので若い設計者でもお客様の担当として仕事を任せてもらいやすいといった特徴があります。そのため、経験をどんどん積んで設計士として成長したい方にはもってこいの環境と言えるでしょう。

お客様が希望する条件に対して、ただ間取りをパズルのように組み合わせるのではなく、コンセプトを立てて提案型の設計を行えることは自由度の高いリノベ設計者だからこそ経験できるポイントです。

ということでリノベ設計者の営業工程から設計への引継ぎまでの範囲について、ご説明させていただきました。リノベならではの部分と新築でも共通する部分があったかと思いますが、これを機にリノベーション設計職の業務内容について理解を深めていただければと思います。

次の記事では具体的に物件の現地調査や解体工事後の確認などの工事工程におけるリノベ設計者の業務についてお伝えさせていただきますので、ぜひご覧ください。