この記事のポイント!
- コミュニケーション優先なら「アイランド&ペニンシュラ」
- 効率的なスペース活用なら「壁付け」
- 状況によっては設置できない方法もある?!
マンションリノベーションに限らないことですが住宅設計を行うにあたり必ずお客様が悩むポイントはキッチンの位置や向きではないでしょうか?
withコロナ時代で在宅時間も増え、おのずと増えるキッチンの利用頻度。
そんな時代であれば、住宅設計の中で「キッチン」を中心とした場作りは重要な要素になってくることが予想されますね!
今回はそんな「キッチン」の位置について解説したいと思います!
目次
アイランド
「アイランド」タイプ
一番人気が高いのはこの「アイランド」タイプの設置方法ではないでしょうか?
アイランド、つまり独立した島のように壁から離れて、ぐるっと回れる状態にキッチンを設置する方法です。
特徴は下記です。
◯:メリット
- 料理中にも他者とコミュニケーションが取れる
- 料理中にも小さいお子さんを見守れる
- 料理中にもTVや外が見れる
- アプローチしやすい
☓:デメリット
- 料理専用の作業スペースができて他スペースを圧迫
人気の理由は、お料理中にも家族とコミュニケーションを取れること、お子さんを見守ることかと思います。
また、単身のお施主様であっても料理をしながら招き入れた友人とコミュニケーションを取れたり、TVを鑑賞しながら料理を楽しむこともできます。
また、キッチンの前に腰の高さ程度の壁で囲ってしまえば、タイルなどでアクセントを楽しみやすいのもこの配置の特徴です。
その分、キッチンは隠れる形なので、キッチンはコストパフォーマンスのいいシステムキッチンを入れることでコスト調整も可能です。
一方で、デメリットはお料理専用の作業スペースを作ってしまうことにより他スペースを圧迫してしまうことです。
一日のうちキッチンに立つ機会が少ない場合は有効利用されていないスペースとなってしまうかもしれません。
お施主様へはデメリットについてもしっかり理解していただいた上で検討していただきましょう。
ペニンシュラ
「ペニンシュラ」タイプ
アイランドの次に人気なのがこの「ペニンシュラ」タイプの設置方法かと思います。
ペニンシュラ、つまり半島を意味します。片側を壁に添える形でキッチンを設置する方法です。
特徴は下記です。
◯:メリット
- 料理中にも他者とコミュニケーションが取れる
- 料理中にも小さいお子さんを見守れる
- 料理中にもTVや外が見れる
☓:デメリット
- 料理専用の作業スペースができて他スペースを圧迫
- アプローチが限定される
「アイランド」タイプ同様に人気の理由は同じです。
お料理中にも家族とコミュニケーションを取れること、お子さんを見守ることかと思います。
また、単身のお施主様であっても料理をしながら招き入れた友人とコミュニケーションを取れたり、TVを鑑賞しながら料理を楽しむこともできます。
また、こちらも同様ですが、キッチンの前に腰の高さ程度の壁で囲ってしまえば、タイルなどでアクセントを楽しみやすいのもこの配置の特徴です。
その分、キッチンは隠れる形なので、キッチンはコストパフォーマンスのいいシステムキッチンを入れることでコスト調整も可能です。
一方で、デメリットはお料理専用の作業スペースを作ってしまうことにより他スペースを圧迫してしまうことです。
ここまではアイランドと同様ですが、さらに、片側が閉ざされることにより、キッチンへのアプローチがしずらくなっています。
「アイランド」にするか「ペニンシュラ」にするかはお施主様にとっては悩みやすいポイントかもしれません。
壁付け
「壁付け」タイプ
筆者的に今後は人気が出てくるのではと踏んでいるのが「壁付け」タイプです。シンプルにキッチンを壁に据え付けるのがこの設置方法です。
特徴は下記です。
◯:メリット
- 作業スペースも他スペースとシェア
- アプローチしやすい
☓:デメリット
- 料理中に他者とコミュニケーションが取りにくい
- 料理中に小さいお子さんを見守れない
- 料理中には視界が壁のみ
圧倒的に大きなメリットは、作業スペースも他スペースとシェアできることです。
今後は単身世帯の増加や、工事単価や材料の価格上昇などで、物件価格を抑えるために面積をコンパクトにする方も増える可能性があります。
その為、スペースの有効活用の優先順位が高まり、この設置方法のニーズは上がっていくのでは,,,?!と考えている次第です。
また、作業スペースがオープンな状態なため、当然ながらアプローチもしやすくなるのも特徴です。
一方で、デメリットは「アイランド」タイプ「ペニンシュラ」タイプと比べて劣るところですが、壁に向かって料理をすることになるため、その間は家族や招いた友人と視線を交えながらのコミュニケーションができないことです。
また、小さいお子さんがいる場合はこまめに作業を止めることもあるかもしれません。
また、キッチンへ来れないようにゲージを設置する場合は全体を囲う必要がでるのもデメリットかもしれません。
また、キッチン自体がLDからハッキリ見える形になるのでキッチンの扉の色や素材の選定もしっかり他の色味やテイストとも合わせておく必要が出てきます。
「壁付け」しかできない場合も!?
物件の現地調査では、必ず確認しておきたいのがキッチンの排水を繋ぐ「縦管」のつなぎ目の向きや高さです。
「縦管」とは、マンション特有かもしれませんが上下階排水をまとめて排水を行うための管で、この菅の位置やつなぎ目の位置や向きは、専有部のリノベーション工事では工事することができない、共用部分に当たります。
例えば、このつなぎ目が高い場合はそもそも「アイランド」タイプの設置ができません。
「アイランド」タイプは床下に排水管を通さないといけないのですが、床が上がりすぎてしまい設置ができなくなってしまうのが理由です。
位置によっては「アイランド」タイプNGであっても、壁の中で排水管を通すことで「ペニンシュラ」タイプが設置可能な場合もあります。しっかり、現地調査時点でチェックしておきたいですね。
イメージ湧いてきましたか?
お客様への最初の説明は上記内容でも足りるかもしれませんが、設計を進めていく上ではさらに検討しないといけないことや確認をしないといけないことはあります。
この記事を読んだ後に先輩にも確認しつつ、しっかり対応していっていただければと思います。
是非、お役立てください!