新型コロナウイルスで軒並み延期されていた都内の商業施設やホテルの開業ラッシュもひとまずは落ち着きました。今回は番外編として、国内を飛び出しアメリカ・ニューヨークのリノベ事例をレポートしていきます。
▲筆者紹介:hayato nozawa
インテリアデザイナー/ミーハー心を満たすために日々生きてます。楽観主義。ドポジティブ。寄り道が趣味。
目次
ニューヨークの玄関口から一番近いホテル
ジョン・F・ケネディ国際空港ターミナル5に併設され、おそらくニューヨークの玄関口から最も近いホテルがここ『TWA HOTEL』
外観はダイナミックな曲線が特徴的で、先に見えるエントランスの奥からは飛行機がビュンビュン離陸していきます。まずこのスケールだけでも日本国内ではあり得ないだろうなと圧倒されます…。
それもそのはず、ホテルとして開業する前はまさかのアレとして使われていた建物だったからです…。
そんなのあり!?リノベ前はなんと空港だった!
画像引用:カーサブルータス
そう!!
ここ『TWA HOTEL』は、1962年〜2001年まで実際に国際線ターミナルとして使われいてた元空港!屋号の『TWA』は実在したアメリカの航空会社「Trans World Airline」の略です。
2001年にTWA社の破産ととも空港はクローズし、その後2015年にホテルとして再活用されることが決まり、2019年5月にオープンしのが『TWA HOTEL』です。
偉大なる建築家へのオマージュ
正式名称「TWAフライトセンター」は、1994年にニューヨークの歴史的建造物指定、2005年に国家歴史登録財に認定された貴重な文化財であり、建築家エーロ・サーリネンによって設計された名建築です。
引用:カーサブルータス
家具デザイナーとしても著名だった彼の家具は、誰もが一度は見たことがあるのではないでしょうか?
残念ながらサーリネンはターミナルが完成する前年に51歳の若さでなくなっています。ホテルの至るところから感じられる偉大なる建築家へのオマージュをご紹介していきます。
エントランスから客室へつづく通路。
湾曲した白い壁と起伏のある床に赤いカーペットが貼ってあるだけの空間がまるで迷い込んだ宇宙船のようで、特にシンメトリーかつ抜け感のあるこのアングルはさながらキューブリック映画のよう。
客室はサーリネンチェアに合わせてミッドセンチュリーのレトロさに真鍮色の金物や白いテラゾのラグジュアリーを足したインテリア。
空間自体はシンプルですが、デスクの上にはオリジナルの鉛筆があったり(大量に持って帰って配りました)、TWA社があった1960年代のLIFE誌がさりげなく置かれていたりして、随所にニクイ演出がされていました。
反則技のジェット機バー
このホテルを知ったときから行きたかった場所があります。
ラウンジの窓ガラスに映る1基の小型ジェット。
なんとこれ、機体を使ったバーになっているんです。
これはもう反則です…。
本当にズルすぎる…。
小型ジェット機の内部までも徹底して統一された世界観。
帰り際にはコクピットが見れることで、このバーが空を飛んでいたんだというリアリティを与えてくれました。
まとめ
ホテルに限らず、海外のデザイン事例は日本国内では出会えないような体験をさせてくれます。
『TWA HOTEL』は一室当たりの宿泊費がなぜか安い代わりに、ホテル周辺に遊べる場所やわかりやすい観光地はありませんので、旅の最初か最後に訪れることをおすすめします!
百聞は一見に如かず。
ぜひ自分で見て、触れて、体感し、デザインの引き出しにしていきましょう。
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