〜この記事でわかること〜
- 住宅用火災警報器には〔煙式〕と〔熱式〕の2種類が!
- 設置が必要な部屋は、居間や寝室など多数。
- 種類によって離隔距離が変化する!
設計をすると、仕上げや照明など意匠的なところに目がいきがちですが、忘れてはいけないのがお部屋の警笛部隊、住警器こと、「住宅用火災警報器」。
住宅火災の避難を促進するために居室への設置が義務化されています。
この記事では、「そもそも住宅用火災警報器ってなんぞや?」「どうやって設置するの?」「設置ルールは?」などなど、分からない方向けに解説していきます!
目次
自火報と住警器とは?
マンションによっては、自動火災報知設備(以下、自火報)の感知器が設置されていますので、機器の種類に応じて取り付けのタイプが変わります。
住警器との違いは、おおまかに以下の通り。
種類(大別) | 方式 | 特徴 | 取付 |
---|---|---|---|
住宅用火災警報器 | 主に電池式 | 警報器単体で火災を感知し警報を発する。電池式のため10年を目安に電池交換が必要。 複数の住警器と連動して作動する機種もある。 | 個人で取付可能 |
自動火災報知設備の感知器 | 主に有線式 | 自動火災報知設備の機器の一部で、火災を早期検知し、居住者や管理人に火災を知らせる検出装置。 感知器に連動した受信機を通して、非常ベルや放送設備、防火設備や火災通報に信号を送られる。 | 防災設備の専門業者に依頼 |
住警器も自火報の感知器も基本的な設置基準は、一般的なマンションにおいてはほぼ同じ。
知らなかった方は、まとめて覚えちゃいましょう。
煙式と熱式どっちがいい?
住警器、自火報の感知器ともに、〔煙式〕と〔熱式〕があります。
〔煙式〕の方が〔熱式〕よりも火災を早く感知することができるため、台所以外は〔煙式〕を設置推奨しています。台所は、煙のでる調理や湯気によって誤作動するおそれがあるので〔熱式〕が採用されることが多いようです。
どの部屋に必要なの?
主に以下居室の天井または壁に設置します。
- 居間
- 寝室(主寝室・子供部屋 等)
- 階段(戸建て・メゾネットマンション)
- 台所
その他にWICや洗面所等、市町村条例により、これ以外の場所にも設置が必要となる場合があります。管轄の消防署等で確認してください。
※マンション竣工時の自火報の設置計画により住警器の設置基準と異なる場合があります。現状の消防法の設置基準および設計方針により、適宜住警器を設けてください。
離隔距離を把握しましたか?
消防法に準拠し、感知器や住警器を正常に作動させるためには、設置基準を守らないといけません。
感知器の種類と設置場所によって離隔距離が異なります。
以下の3つの基本を押さえておきましょう。
- 壁や梁との離隔距離:〔煙式〕600mm以上 /〔熱式〕400mm以上
└ 天井面に設置する場合。 - 空調や換気吹出口からの隔離距離:1,500mm以上
└ お引き渡し後にエアコンを設置される場合、特に見落としがち! - 天井からの離隔距離:天井面から150mm以上500mm以内
└ 壁面や梁面に設置する場合。
居室に1つずつとは限らない?
居室の天井に梁や垂れ壁などの段差がある場合は、同一感知区域にできません。つまり間取りによっては、ひとつの居室に2つや3つ必要になることがあります。感知器や警報器の種類によって、段差の高さは以下のように異なります。
感知区分される天井からの段差高さ:〔煙式〕600mm以上または〔熱式〕400mm以上
例えば、天井躯体現しにする場合、梁せいが600mmないし400mm超える際は注意。改修前に設置していなかった居室でも感知器または住警器の追加が必要になる場合があります。