「デザインの始め方」とは?
いざ、リノベーションの設計をはじめようとしても何から手を動かし始めるんだろうと漠然と不安を持っている方も多いのでは?
マンションリノベーションで住宅設計をしていた編集部メンバーにとっても大きな困り事だったデザインの始め方。
要望により設計に特徴が出やすい内容を厳選し、何を考え始めないといけないかのTipsをお伝えします。
「どうやってデザインすればいいんだろう、、」「図面にどうやって落とし込めばいいのか、分からない、、」そんな方は必読の記事です。
目次
「自転車楽しみたいんですけど…」
ライフスタイルが多様化された現在、住まいに求めることも多種多様となってきています。
その中で特にマンションリノベーションはそのソリューションとして選ばれることが多く、住宅設計の中でも様々要望に当たり悩むことが多いです。
例えば…
「自転車楽しみたいんですけど…」
マンションリノベーションは都市部の好立地で、物件を購入する方が多いです。そうなると必然的に自転車の利便性が増し、生活の脚や趣味のアクティビティとして自転車を活用するお客様に出会う機会が多く出てくるかと思います。
当然、生活の脚としての利用でママチャリ程度であれば外部の駐輪場に置いてしまっていいかと思いますが趣味の自転車となれば高額なモノも多く、痛まないように室内で保管を前提になってくるでしょう。
部屋の中で自転車を扱うとなった状況で、何を考え始めればいいでしょうか?
このようにはじめての要望とぶつかると、相当数の時間を割いて何から手を動かし始めればいいか考え、その先でリサーチを行ったことを今でも覚えています。
ここからは少しでもその工数を削減できるよう、何を考えるべきか、何を注意すべきかTipsをご紹介させていただきます。
①種類、大きさ、台数を確認
自転車の種類によって、当然大きさは変わります。ロードバイク、マウンテンバイク、BMX、ミニベロ(小口径車)、折り畳み自転車…タイヤが小さい、BMX、ミニベロや折り畳み自転車なら小型なのでそこまで影響がない場合もあるかと思いますが、ロードバイクやマウンテンバイクは図面上に実寸でレイアウトしてみればお分かりになられるかと思いますが、なかなかの大きさです。また、幅も効いています。持って出し入れを行いますの自転車の幅+肩幅分は通路幅を確保しておきたいところです。
しっかり確認を行い入居後にお客様が困らないような設計を行う必要があります。お客さまに実際に持ち運ぶ時の幅を可能であれば計測をお願いすると精度も上がります。
また、複数台を所有されている方も少なくありません。しっかり確認を行いましょう。
②利用・メンテナンス頻度を確認
上記も含め、利用頻度やメンテナンスの頻度は早い段階で確認を取っておく必要があります。使用の頻度が多ければ玄関に配置するゾーンがあった方が便利です。しかし、メンテナンスの頻度が多ければ、家族とコミュニケーションを取りながら、TVを観ながらメンテナンスを楽しみたい方もいます。つまりゾーニングに影響が出る話です。
また、自転車のメンテナンスは油などで手がだいぶ汚れてしまいます。その中でドアを開けてから洗面所で手を洗っていてはその間で汚れがついてしまいます。
専用の洗面台を廊下に面して配置したりするのも検討に入れても良いかもしれません。
③自転車の優先順位を確認
暮らしの中で、自転車の優先順位がどの程度あるかもゾーニングのタイミングで確認が必要です。極端な話、お客様にとってコアな部分であれば自転車を中心としたコンセプトを立て、全てをそこから考え始めることも選択肢に上がります。リビングの目立つところに配置してそれをつまみに食事をする方もいるかもしれません。
④仕上げに注意
上記の通り、自転車のメンテナンスや配置場所には汚れがつきものです。例えば配置する場所は汚れても気にならないようなモルタル仕上げにしてみたり、掃除のしやすいタイルや塩ビタイルなどもおススメです。ただ、タイルの目地は汚れが落ちづらいので濃いめが良いでしょう。また、壁についても同様に掃除のしやすさを配慮しておく必要があります。既述の通り、自転車のメンテナンスをする上で手を介して汚れがどうしてもついてしまいますし、立てかけるだけでも黒ずんでしまうでしょう。お客様へ説明をした上で、これもエイジングだ!と思えれば白の塗装でも良いかもしれません。
⑤金物について
自転車の配置方法は金物によって多くの種類が検討することが可能です。
まずは、自転車に自立可能な脚を設置して床置き、次に、壁掛け金物が検討に上がるかと思います。横位置の設置用金物が一番ポピュラーかもしれません。縦設置タイプもありますのでスペースによっては検討しましょう。最後に、天井吊り下げ金物です。滑車で天井付近まで引き上げるタイプです。
工夫すればDIYでも可能です。先行して設置箇所には補強をしておく必要がありますので予め設置箇所は確認をしておきましょう。
また、相手がコンクリート躯体であれば工事の中で取り付けを行いましょう。そこで注意が必要なのが、一般的にコンクリート躯体にアンカーで金物を固定するのは強度的に問題ないと言われますがコンクリートには部分的に空洞がある場合もあり、外れやゆるみが生じることもある事や、マンション周辺の持つ固有な振動で必ずネジにはゆるみが生じますので定期的な設置個所のゆるみの確認を必ずお願いしましょう。