現在、コロナの影響で現場に行きにくくなるタイミングも多いのではないでしょうか?
今回はそんな状況を解決するかもしれない、「オンライン施工管理ツール」の検証を行っているリノべる株式会社の照屋さんにインタビューしてきました。
照屋遼
リノベる株式会社 カスタマーエクスペリエンス本部 プロダクトマネジメント1部 部長
英国ラッセル・グループの大学を卒業。業務・ITコンサルティング系のスタートアップに従事後、オンラインゲーム企業や自身のスタートアップでプロダクト開発、新規事業、法人経営を経験。前職では画像系AI(機械学習)コンサルタントとして活躍し、2019年にリノベる株式会社へ参画。
目次
遠隔施工ツールって?
そもそも遠隔施工管理とはどのようなツールなのでしょうか?
遠隔施工管理とは、文字通り会社や自宅にいながら現場の監督さんと現物を見ながらコミュニケーションをとれたり、施工進捗や品質確認を行えるツールを指しています。
今リノべるでは、MRやARなどを含む様々なツールや技術を使用しながら、実際の現場とやりとりを行い、実証実験を進めている途中です。
なぜ遠隔施工管理ツールを開発しようと思われたのでしょうか?
リノベーションの施工管理では、既存の躯体による制約や細かな調整をしながら施工を行うため現場とのコミュニケーションや確認が大切になってきます。
そのため現状、設計者が頻繁に現場を訪れており、移動やコミュニケーションに伴う工数が長時間労働の原因の一つともなっています。
出発点としては、そういった業務上の痛みをテクノロジーで軽減できないか?という思いからプロジェクトを開始しました。またこれらのメリットは、将来的に現場監督さんを含む複数の現場を行き来する方々にも価値を産むものだと考えています。
なお直近のコロナの影響などにより、現場訪問に対するハードルが上がっている事情もあり、工数削減以外の効用も想定されます。
遠隔施工ツールを導入するメリット
これまでの実証実験を通して、どのような事がわかりましたか?
まだ検証中ではありますが、現場訪問の多くは遠隔施工管理でリプレースできそう、ということが分かってきした。
例えば、現場にいる方と同じ目線で映っている映像をみるだけで、電話やチャットに比べ格段にコミュニーケーションがしやすくなります。
確認したいポイントや注意点をリアルタイムかつ視覚的に確認することで、コミュニーケーションコストや品質リスクが格段に下がります。
また設計者にとっても、自ら直接確認できるので、人を介したやりとりより心理的な自信にも繋がりますね。
他にも工数を削減できるポイントはありそうでしょうか?
一番、目に見えて削減できるのは移動時間だと思います。
設計者が現場に行く回数を減らせるので、当然ですがその分工数が短縮されます。
そこで生まれた時間を、設計品質の向上や、より多くのお客様にサービスを提供することに繋がる可能性があり、提供する価値の向上につながります。
※リノべるのビジネスモデル
遠隔施工ツールの課題
実証実験を重ねる中で、見えてきた課題はありますか?
現状では、細かな意思疎通の難しさですね。
実際に現場で確認を行ってもらう方も、指示出しする設計者も初めての経験なので、言語化しづらい部分がある場合、どのように伝えればいいのか?どのように動けば効率的なのか?が手探りの状態です。
そのため、設計者が現場にいればすぐ確認できる項目も、遠隔だと説明の手間がかかる事が何度か見られました。
また現場で見る色味とカメラを通してみる色味が異なる事もあり、この辺りの解決策を確立することが価値につながると考えています。
今後の展望があれば教えてください
年度内を目処に社内で実装を目指し、ゆくゆくは社外の皆さまにもお役に立てる形を作りたいと考えています。
将来的には遠隔施工管理、移動時間が膨大な地方案件や、海外案件でも活用できるはずで、人材の居場所や現場の位置にとらわれずに、管理できる状態が実現できると思っています。
これにより各リノベーション会社や設計会社の対応できる案件の幅も広がりますし、お客様としても選択肢が広がります。リノベーション業界全体を活性化するきっかけにもなり得るかと考えています。
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