必見！中古マンション市場動向とリノベーション市場拡大について

～この記事でわかること～

• 中古マンションの人気は上昇中！
• リノベーション事業を国がバックアップしている
• ライフスタイルの変化がリノベーション需要に影響する

リノベーションのシゴトに関わる者として、舞台となる「中古マンションの市場」は最大の関心ごとの一つかと思います。
中古マンションの不動産に直接関わる方はもちろんですが、マンションリノベの設計・施工に関わる方も知っておくべき重要な内容です。

そこで不動産総合研究所と国土交通省が公表するデータをもとに、現代の中古マンション人気に迫りましょう！

中古マンション市場動向ってどうなってるの？

不動産総合研究所が調査した成約件数と契約率を参照すると、中古マンションは新築マンションよりも人気が上昇中であることがわかります。
2018年の不動産総合研究所の統計では、首都圏の新築マンションの契約件数は５年連続で前年割れが続き、年間契約率も悪化しました。一方、中古マンションは新規登録件数、成約件数とも、2014年から増加または横ばいで、上昇傾向を維持しています。

中古マンションが人気な理由の1つは『立地の良さ』です。
もちろん、同エリアで新築マンションと比べると割安で手に入れられることは魅力的でしょう。

東京23区で６番目に人口が多く最も人口密度が高い杉並区において、中古マンションの価格相場は新築マンションの「約2/3」です。
新築マンションの価格が高騰する背景もあり、中古マンションは注目を集めています。

＊参考：「不動産総合研究所」
（杉並区の人口に関する調査情報は2019年11月現在のものです）

国が後押ししてくれる！？

中古マンション市場は国のバックアップを受け、更に活性化する見込みです。国土交通省が実行している、リノベーション事業を活性化させる取り組みを具体的に2つご紹介します。

①：中古住宅・リフォームトータルプラン

2011年３月、『中古住宅・リフォームトータルプラン』を公表し以下内容を掲示しました。
「中古住宅の流通を促す」
「リフォーム市場の環境を整備する」
「リノベーション業界の担い手を育成する」
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そして、具体的に以下の活動を実施しています。
・インターネットを活用しリノベーション物件の価格を公開する
・リノベーションの担い手の教育研修を行なう

※中古住宅・リフォームトータルプラン

②：住宅リフォーム事業者団体登録制度

2016年９月に国土交通省の告示によって『住宅リフォーム事業者団体登録制度』が創設されました。消費者が安心してリフォームやリノベーション会社に依頼できるように、国が安全だと判断した優良な事業者を登録して世間に公表する制度です。事業者はこの制度に登録することで世間の知名度が上がり、一方で顧客は中古住宅を安心して活用できる環境が整えられました。

※住宅リフォーム事業者団体登録制度

ライフスタイルの変化が影響？

家を買うときの選択肢の1つとして、中古マンションを買ってリノベーションすることを検討する人が、以前より増えています。背景にあるのは、人々の生活に対する価値観の変化です。

【自分らしい暮らしがしたい！】

人々のそんなニーズにリノベーションは応えます。新築マンションの場合、価格が手頃だと無難な物件になり、こだわりを求めるとそれなりの予算が必要です。一方、中古マンションはもともとの物件価格が安いので、費用をかけてリノベーションをしても新築と比べコストパフォーマンスは悪くありません。中古マンションを購入しリノベーションすれば、手ごろな価格で住宅へのニーズが満たされやすくなります！

【家族構成の変化】

リノベーションの需要が増加したのは、家族構成が変化していることも理由の1つです。国内の単独世帯の割合は、2000年代は25％〜30％でしたが、上昇を続け2015年には約35％に達しました。現代は単身者や核家族といった少人数の世帯が増加しています。しかし1990年代までは４人以上の家族が主流でした（※）。築30年を超える既存住宅は、大人数の世帯を想定して設計されているものも少なくありません。

「両親から受け継いだ家に住み続けたいが、３人家族なので使い勝手が悪い」

そんな時リノベーションすれば、古い家を活かし、家族構成に合わせた快適な住まいを実現できます！

【サステナブルな社会】

「サステナブルな社会」と「リサイクル文化」を背景にリノベーション需要は増加します。1992年にリオデジャネイロで地球サミットが行なわれ資源をリサイクルする、という考え方が急速に広まり、現代に渡り浸透中です。“古いものを活かす” リノベーションの精神は時代が求めるものです！増加する既存住宅を活かし新しい住まいを生み出す発想は根付きつつあります。中古マンションを購入してリノベーションする人は、今後も増加する見込みです。