~この記事でわかること~
- 基本の請求方法は「オンライン」「FAX」「電話 / メール」の3つ
- 多くのメーカーは、オンラインからサンプル請求が主流
- サンプル請求の際は、納期を必ず確認
- サンプルはあくまで見本!実際の仕上がりと異なることも多いので要注意!!
”来週の打ち合わせまでに、このサンプル請求してもらえる……?”
必ず一度は先輩デザイナーから、こんなタスクを課せられることがあると思います。慣れてくると色々なサンプルを問題なく請求できる様になりますが、若手デザイナーのうちはサンプル請求を依頼された際に、「どうやって請求すれば……?」と時間を要してしまうことも多いかもしれません。
そこで、今回はサンプル請求の基本をまとめてみましたので、慣れないうちはサンプル請求前に一度この記事に目を通してみると良いかもしれません。
それでは、早速確認していきましょう!
目次
サンプルの納期はどれくらい?
リノベーションにおいてサンプルが必要になるタイミングは様々です。
ほとんどの場合は設計打ち合わせの2〜3回目以降にかけて、実物サンプルを見ながら仕上げを検討する際に使用されることが多いかと思います。
大手のメーカーはとても対応が早く、サンプルを請求してから2営業日前後で手元に届く(地域によって大幅に前後あり)ものも多くあります。そのため、週末の打ち合わせに向けてサンプルを用意するのであれば、その週の月〜火曜日に依頼をしても問題なく間に合う場合もあります。
ただ、中小規模のメーカーやオーダー対応等の場合は、送付までに時間を要することもあるので、必ず余裕を持って打ち合わせの2週間前にはサンプルを請求する様にするのが良いでしょう。
※上記はあくまで参考の所用日数ですので、詳細はメーカーに要確認のこと
また、多くの場合は、実寸大のサンプルではなく「カットサンプル」という建材の一部を切り取ったものを取り寄せることになるため、サンプルと実際の仕上がりのイメージが異なるということも大いに起こりえます。実際に、
”クロスのカットサンプルを使って施主と打ち合わせをしていたが、仕上がりイメージしていたものと全く異なり、貼り替えの対応が必要になった”
”フローリングのカットサンプルが実物よりも節や色差の少ない部分だったため、実際の仕上がりに施主からクレームが出た”
等というケースは、リノベーションだけでなく空間設計の仕事では良く起こってしまうクレームのトップ10に入るのではないでしょうか。
そのため、デザイナー自身もサンプルと仕上がりとの差を事前にしっかり確認(オンライン上の施工事例やメーカー担当者へのヒアリング等)し、必ず施工前に仕上がりが多少異なる旨を重ねて施主に説明しましょう。(※議事録にも、しっかりとその旨を記載すること)
サンプル基本の請求方法3つ
サンプル請求は、大きく分けて「オンライン」「FAX」「電話 / メール」の3つの方法で行うことができます。
それでは、それぞれの請求方法について概要を確認していきましょう。
1. オンライン
昨今、サンプル請求の基本はオンラインが主流となっています。
クロス大手のサンゲツ、メラミンやポストフォームのAICA、輸入建材・住設を扱うサンワカンパニーなど、多くのメーカーがオンラインでサンプル請求を完結できるシステムを導入しています。
オンライン請求の基本フローは下記の通りです。
①メーカーホームページでアカウントを作成
↓
②対象のサンプル品番を入力
↓
③送付先を指定
↓
④完了!
次に、オンライン請求のメリット・デメリットをまとめてみました。
◎メリット
・時間を問わずいつでも手軽に請求ができる
・送付先を登録することで入力の手間が省ける
・サンプル請求履歴を確認できる
・デザイナー用と施主送付用を同時に請求できる
◎デメリット
・初回請求の際は、メーカー毎にアカウントの作成が必要
・アカウント / パスワード等の管理が必要
・一度に請求できるサンプル数に限りがある場合がある
・特注対応等の細かな指定は対応していないことが多い
全体から見て、オンラインで請求ができるのであれば一度アカウントさえ作ってしまえば、クロスやメラミン等は圧倒的にオンラインをオススメします。
ただ、フローリング・タイルの特殊加工等の特注品のサンプルは一般的なオンラインサンプルフローでは対応していないことが多いので、問い合わせフォームや電話/メール等で別途請求する必要があります。
2. FAX
今時、FAXを使うの……?
と思われるかもしれませんが、中小規模のメーカーや地方の工場などに直接依頼をする際は、FAXはかなり有能だったりします。
FAX用のドキュメントを作成して、印刷して……という手間はかかりますが、FAX対応のメーカーの場合、返信FAXで納期や欠品情報を送付してくれるので、情報が的確かつ手元に記録も残るので、古風に感じますが効率的な手段と言えます。
FAX請求の基本フローは下記の通りです。
①FAX用のサンプル請求ドキュメントを作成
(メーカー毎に先方のFAX番号や自分の情報を記載したテンプレートを作成しておくと便利です)
↓
②ドキュメントを印刷
↓
③先方にFAXを送付
↓
④完了!
次に、FAX請求のメリット・デメリットです。
◎メリット
・先方の対応が素早い
・返信FAXで納期・欠品情報等を確認できる
・特殊加工等の細かな依頼も可能
◎デメリット
・FAX用のドキュメント作成に手間がかかる
・FAX番号の入力ミスが起きやすい
・送信できる時間が限られてしまうことがある
・送信されたかどうか確認がしづらい
FAXでの請求は、少し手間がかかりますがフローリングの塗装色の指定や、納期の指定など細かな希望を伝えることができるのが利点と言えます。ただ、ペーパーレスが推奨されているこの時代、FAXするだけのためにわざわざ紙を1枚無駄にして印刷をするのは………という場合は、何かの裏紙を使用する・または次の「3.電話 / メール」の方法でサンプル請求をする形が良いでしょう。
3. 電話 / メール
最後は、最も一般的な電話 / メールでの請求方法です。
メーカーの営業担当やサンプル請求先の番号・アドレスが既に分かっている場合は、この方法で請求することが多いかと思います。また、オーダー対応の工房や小規模の工場でホームページはあるけど、サンプル請求の詳細が記載されていないという場合は、代表の電話番号に連絡しサンプル送付に対応しているか先方に確認をするのが確実でしょう。
電話 / メール請求の基本フローは下記の通りです。
①連絡先を確認
↓
②対象のサンプル品番を記載したメールを作成 or TEL
↓
③先方にメールを送付
(電話でサンプル請求に対応している場合も、品番の聞き間違え等のミスがない様、先方のメールアドレスを聞き同じ内容を後からメールで送付するようにしましょう)
↓
④完了!
次に、電話 / メール請求のメリット・デメリットです。
◎メリット
・電話で直接依頼ができるので確実・迅速
・特殊加工等の細かな依頼も可能
・担当がいる場合、当日・翌日に届けてもらえることもある
◎デメリット
・電話のみの場合、品番の聞き間違え等が発生しやすい
・メールのみの場合、先方に読んでもらえているか定かでない
・電話 +メールの場合、依頼に時間がかかる
メーカーの担当者と連絡を取ったことのある場合は、メールのみでもやりとりが完結することもしばしばですが、初めて依頼する小規模の工場などの場合、問い合わせフォームから連絡するだけでは確認までに1週間以上かかる場合もあり定かではないため、
①電話で対応可否を先方に直接確認
②メールで依頼内容を記録として送付
という2ステップで必ず行うようにしましょう。
以上の様に、三種三様のメリット・デメリットがありますので、まずはどのメーカーでどの様な請求方法が可能なのかを確認する様にしましょう。
可能なものはオンラインで時間短縮、細かなものはFAX / 電話 / メールで個別に対応という形に請求方法を上手く区分分けできると効率よくサンプル請求を行える様になるかと思います!
リノベでよく使うメーカーのサンプルはここから!
それでは最後に、リノベーションで良く使用されるメーカーのオンライン請求先をいくつかご紹介します。サンプル請求の参考にしてみてください。(2022.7月現在の情報)
◎クロス
▼サンゲツ ビジネスユーザーログインページ:
biz.sangetsu.co.jp/member/business/
▼シンコール ビジネスユーザーログインページ:
www.sincol.co.jp/business/
▼ルノン プロフェッショナルメンバーズログインページ:
ssl.runon.co.jp/members.php
◎タイル
▼名古屋モザイク カタログ・サンプル請求ページ:
www.nagoya-mosaic.co.jp/catalogue/inquiry.html
▼平田タイル サンプル請求ページ:
tiles.hiratatile.co.jp/cart
▼アドヴァン カタログ・サンプル請求ページ
www.advan.co.jp/eshop/catalog/
◎木建材
▼朝日ウッドテック プロユーザーログインページ:
pro.woodtec.co.jp/user/login
▼ニッシンイクス サンプル請求方法ページ:
www.nissin-ex.co.jp/sample-howto
▼マルホン サンプル請求ページ:
www.mokuzai.com/cart/inquiry
◎塩ビタイル
▼東リ サンプル請求ページ:
www.toli.co.jp/catalog/select.html
▼田島ルーフィング カタログ・サンプル請求ページ:
tajima.jp/CGI/index.php?c=contact&m=main
▼川島織物セルコン ビジネスユーザー向けログインページ:
www.kawashimaselkon.co.jp/support/business/
また、近年話題の空間デザイン検索サービス「TECTURE」では、空間事例の検索に合わせて、その事例にピン付けされた素材を見ることができて大変便利です!
素材の詳細ページには、各メーカーの連絡先のリンクも記載されているので、事例の検索とサンプル請求を同時に行うことができるので、使用したい建材を探しながらサンプル請求をしたい場合に使用してみるのも良いかもしれません。
▼TECTUREトップページ:
www.tecture.jp/
さて、今回はサンプル請求の基本をご紹介しました!
覚えてしまえばとてもシンプルなので、提案に応じて様々なサンプルを請求することができるかと思います。
今回の内容はあくまで総括的な方法になりますので、詳細の請求先やメーカーごとの営業担当の有無などは、各所属の請求方法を確認する様にしてください。
それでは、また次の記事でお会いしましょう!
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