~この記事でわかること~
- 墨出し図は大切な「現場指示図」
- 墨出し=現場に壁や開口の位置を下書きする作業
- 墨出し図には基準線(=スタート地点)を必ず明記
- 守りたい有効寸法・揃えたいラインは忘れずに!
- 開口や住設は必要な情報を正確に!
これまでプランニングやディテールなど様々な図面に関する記事を上げていますが、今回はちょっと一般の方が聞くことがなかなかない『墨出し図』について話してみたいと思います!
マイナーと言っても、建築設計の実務経験がある人なら知っていて当たり前かと思います。ただ、初心者の方には馴染みの無い図面かもしれません。『墨出し図』はマンションリノベでも施工する上で必要となる図面なので、知らなかった方や何を書けばいいか分からない方は参考にしてみて下さい!
目次
墨出し図とは?
みなさん、そもそも「墨出し」と言う言葉を聞いたことはありますか?
イメージしやすいように簡単に言うなら、「墨出し」とは ” 現場に実寸の図面を書くこと ” で、工事の下地の位置に印を描いていきます。「墨つぼ」という道具を使って、墨をつけた糸を伸ばしてはじくことで対象に直線を描くことから墨出しと呼ばれています。
そして『墨出し図』とは ” 墨出しをする為の指示図 ” になります。
リノベーションの場合、解体した後に最初に行うのが「墨出し」です。床や壁(天井)に造作壁や開口・設備位置・床の水平ラインを書き出していきます。
経年変化などで躯体の壁やスラブは歪んでいることが多く、水平や垂直をとることは大切な前準備で、天井高や壁間の有効寸法にも影響が出てきます。では、墨出し図の一例を参考にポイントをみていきましょう!
ポイント①:基準線
墨出し図でまず明記したいのが「基準線=起点となる位置」です!
墨出しのスタート地点の様なものなので、起点の指示がないと始められません。起点が図面に無く、現場判断で墨出しをすると、揃えたい位置がズレたりや必要な有効寸法が取れなかったりする可能性もあります。躯体壁や柱など既存の何を起点に墨出しをして欲しいのかを必ず明記しましょう!
ポイント②:躯体間の推定寸法
マンションリノベでは躯体の壁や柱間は、はじめから決まっています。竣工図や現地調査を元に想定した「躯体間(CB壁含む)の有効寸法」を記入しておきましょう!
解体後に水平や垂直を出し、実際の躯体間の有効寸法が分かります。図面の想定寸法と差異があればどこかで調整が必要になりますが、差異があるかどうかも、図面に記載があれば直ぐに分かります。
ポイント③:造作壁の位置
墨出し図で重要な項目の一つが壁の位置の指示かと思います。今回の例では一般的な壁芯(壁の中心を想定したライン)の位置で寸法を取っています。また、下記内容が分かるように記入してあると、墨出しがよりスムーズになり進みやすいのでオススメです!
- 絶対に守りたい有効寸法:作図例では [ ] で囲っている寸法です。
- 調整可能な寸法:作図例では ≒を付けて記入しています。
- 揃えたいライン:作図例のトイレ・脱衣室の壁に注意書きで記しています。
ポイント④:建具の開口寸法・位置
建具は様々な種類・製品・取付け方があり、それによって開口も様々です。実際に発注するサイズと墨出し図の寸法に相違が無いかしっかりチェックして下さい!
特に既製品の建具を設ける場合は、現場での調整が難しいので、最悪の場合、壁を壊すか建具を発注する可能性もでてきます。また、開口位置が壁の端など図面で読み取ることが出来ればいいですが、壁の途中などに設ける場合は、開口位置も記入しましょう!
ポイント⑤:住設の有効寸法
キッチンやお風呂などシステムの規格の決まった住宅設備機器を設置する場合は、設置に必要な有効寸法を記入しておきましょう!いざ設置しようとしたら入らなかったなんてシャレになりません。壁に囲まれた場所に設置する規格物は特に注意して下さい。何を基準にしているのか?何を守って欲しいのか?必要な寸法は何か?設計に聞かなくても手を止めずに墨出しが出来るかを考えてみて下さい。
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