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2021.02.10

【リノベを科学する】鉄筋コンクリートは何年もつの? 建物の寿命を研究する早稲田大学名誉教授・小松幸夫さんに聞いてみた

【リノベを科学する】鉄筋コンクリートは何年もつの? 建物の寿命を研究する早稲田大学名誉教授・小松幸夫さんに聞いてみた

リノベる株式会社による連載企画「リノベを科学する」

中古住宅やリノベーションに対する不明や不安、素朴な疑問をデータを用いて「見える化する」=「科学する」連載企画です。
あくまでもリノベーション事業者へオーダーするユーザーへの記事ですが、リノベーションの仕事を行う皆様にとっても知っておきたい情報です。

是非、チェックしてみてください!

 

(以下、リノベる公式noteより)


連載企画「リノベを科学する」第3回のゲストは、早稲田大学名誉教授の小松幸夫さん。今回は「鉄筋コンクリートマンションの寿命」についてお話を伺いました。

中古マンションを購入する際に「中古マンションは何となく不安…」と思われている方に安心してもらうべく、「建物の寿命」を研究してきた小松先生の元へ、ビギナー研究員・田形と、中堅研究員・千葉が伺ってきました。(取材:リノベる。スタッフ/田形研究員、千葉研究員、文:村崎恭子)


写真左:田形研究員、中央:小松幸夫先生、右:千葉研究員

田形:この企画では、中古住宅やリノベーションに対する不明や不安、素朴な疑問に、専門家の方の解説を元に、わかりやすくお答えしていきます。

千葉:今日のテーマは「鉄筋コンクリートの寿命」について。僕らのお客様にも「中古物件って大丈夫なの?」と漠然とした不安を抱かれる方が多いので、そういった不安を解消できたらいいですね。

田形:そうですね!小松先生は「建物の寿命」について約40年も研究されてきたそうで、勉強になるお話がたくさん聞けそうです。それでは先生、どうぞよろしくお願いします!

小松:ようこそおいでくださいました。よろしくお願いします!

1)そもそも、鉄筋コンクリートってどういう構造?

田形:まず、基本的なことだとは思うのですが、私自身もしっかり理解できていない部分がありまして…そもそも「鉄筋コンクリート」ってどういう構造なのでしょうか?

小松:今の一般的なコンクリートの材料である現代のセメントがイギリスで18世紀頃に発明され、それを使って建物を造ろうとしたのが鉄筋コンクリート建物の始まりですね。

田形:鉄筋とコンクリートを組み合わせたのが、鉄筋コンクリートですよね。鉄筋と組み合わせることにどんな意味があったのでしょう?

小松:コンクリートって、押される力にはすごく強いけど、引っ張られるとすごく弱くて、押す力の10分の1ぐらいの力でも壊れちゃうんです。なので、引っ張る力に対しては鉄筋に頑張ってもらう、という構造原理ですね。
田形:役割分担ですか!そもそも建物に対して引っ張る力ってどれくらいかかるんですか?

小松:建物の柱を見ていると、上から力がかかって押されるだけって思うかもしれないですけど、建物には水平方向の「梁」がありますよね。橋なんかを想像すると分かりやすいのですが、人が歩く上の部分が押されますが、実は下の方は引っ張られるんですよね。板なんかを曲げると外側が引っ張られる感じがするでしょう?鉄筋が入っていないと、そこから割れてきて、壊れちゃうんです。

 

田形:なるほど!コンクリートと鉄が、押す力と引っ張る力に対してお互いに補い合いながら、構造を保っているんですね。ちなみに、鉄とコンクリートの相性が絶妙な理由が他にもあると聞いたのですが、具体的にはどういうことなのでしょう?

小松:ひとつは、鉄とコンクリートの熱膨張率がほとんど同じだということ。

熱膨張率は、温度の上昇によって物体の体積が変わる割合を言うのですが、鉄とコンクリートの場合は温度の変化に合わせて同じ度合いで伸びたり縮んだりするので、ずっとくっついていられるんです。熱膨張率が違うと伸び方が異なり、鉄とコンクリートが剥がれちゃう。剥がれるとお互いに力が伝わらないので、鉄筋が引っ張られる力に耐えられても、コンクリートが耐えられなくて割れてしまうんです。

千葉:熱膨張率の違う素材同士の場合を図で表すと、こんな感じで割れてしまうんですね。

田形:なるほど、熱膨張率…!

小松:それともうひとつ、鉄にはアルカリ性になると錆びないっていう性質があるんですけど、コンクリートの原料であるセメントってアルカリ性なんですよ。コンクリートの中にちゃんと入っていれば鉄は錆びないというメリットがあるんです。

田形:鉄筋とコンクリートって、まさにシンデレラフィットなんですね!

小松:非常にベストマッチングな材料の組み合わせで使いやすいので、一気に世界中に普及したという背景がありますね。

 

つづきはリノベる公式noteでチェック!

いかがでしたでしょうか?つづきが気になる方が多いのでは?

このつづきは、リノベる公式note『リノベを科学する』を是非チェック!▼▼

note.renoveru.co.jp/n/n33f079132874