~この記事でわかること~
- 設計製図試験の概要
- 2020年度の課題のポイントとは?
- 今からでも間に合う製図試験攻略法!
さて、新型コロナウイルス感染症の影響も心配されましたが、2級建築士の学科試験は当初の予定通り7月5日に実施されましたね。受験された皆様、一旦、お疲れ様です!と言っても学科試験の合否発表が近づきドキドキと、2次の設計製図試験の追い込みで全然一息つけないですよね。
そこで今回は、リノベーションの設計をする際にも役に立つ資格の一つ「2級建築士」の2次設計製図試験の実施が9月13日に迫っているということで…
設計課題のポイントや対策についてまとめてみました!
既に知っていることも多いと思いますが復習のつもりで!また、来年以降の受験を考えている方は予習として備えていきましょう!特に独学でお一人で頑張っている方の参考になればと思います。
目次
【設計製図試験の概要】
まずは、設計製図試験の概要を説明しておきます。
【日程】
※引用:日程(建築技術教育普及センターHPより)
【試験内容】
※引用:概要(建築技術教育普及センターHPより)
詳細は公益社団法人 建築技術教育普及センターを参照
(https://www.jaeic.or.jp/shiken/2k/index.html)
【設計製図試験の課題】
※引用:課題(建築技術教育普及センターHPより)
【課題のポイント!】
今年の課題のポイントをいくつか挙げていきます。
1. 矩計図
昨年までの「断面図」「部分詳細図(断面)」の代わりに「矩計図」が要求図書に入っていて、作図枚数は減りますが作図量が増えます。平成25年の要求図書に「矩計図」が含まれているので、必ずチェックして何度かトレースして下さい。
2. シェアハウス
シェアハウスとは、建築基準法令上は特殊建築物の「寄宿舎」に該当します。
近年、戸建住宅等の既存ストックを活用して宿泊施設や福祉施設などへの転用を促進する法令改正が行われた点や、新たな住まい方として東日本大震災以降増えており、設計する機会も増えることを見越しての課題かと思われます。個室でのプライバシーを確保しながら、何をどのように共有し、居住者同士が交流をする空間を計画するかがポイントになりそうです。
また、既存の建物をリノベーションしたり手を加えてシェアハウスにすることが多いなか、あえて新築でシェアハウスを設計する意味も課題の意図に繋がりそうです。
併設する高齢者夫婦の住まいも併せて「共同で住むこと」や「プライベート空間と共有空間の構築」に配慮したプランを考える必要がありますね。
3. 距離感
今回の課題名が「シェアハウスを併設した高齢者夫婦の住まい」ですが、シェアハウスと高齢者夫婦の住まいの距離感もポイントになるかと思います。
シェアハウスの特性や現代社会から鑑みると、両者を完全に切り離すことは課題の意図とは異なるように思われます。居住者同士の交流やシェアハウスを介しての社会との繋がりを、どのようにプランに反映させるかが重要になりそうです。特に重要になりそうなのが「シェアハウス⇄高齢者夫婦の住まいの距離感」でしょう。往来はできるようにするのか?繋がりを生むために必要なことは何か?も含めて課題の意図を考えましょう!
4. 階段
階段に関して、今回はシェアハウス(寄宿舎)も含まれますので、通常の戸建と蹴上と踏面が異なります。特に蹴上は22cm以下なので注意しましょう!
引用:yamaken-blog
〜参考までに〜
恐らく該当しない可能性が高いですが、計画によっては該当する場合も無きにしも非ずなので、知っておいた方が良いキーワードも挙げておきます。確認をして頭の片隅に入れておいて下さい!
・【バリアフリー】
高齢者夫婦の住まいなのは勿論、今はバリアフリーに考慮して計画するのは当たり前になっています。必要寸法は確認しておきましょう。
・【避難距離・2方向避難】
・【準耐火構造以上の間仕切り壁】
【試験対策】
試験まで1ヶ月を切り、”製図対策をはじめていない方” や “何をしたらいいのか分からないという方” 諦めるのはまだ早いですよ!対策をいくつかご紹介致しますので、自分の弱いところや強化したいことに役立ててみて下さい!
1. まずはトレース
さて、試験時間は5時間ですが、エスキス&チェック1時間+作図は4時間と言われることが多いです。作図のスピードアップは必須ですので、とにかくトレース=模写です。1枚でも多く模範解答を見ながら描き写して、作図のコツを掴んでスピードを上げていきましょう!手描きでの作図に慣れていない方は必須です。
2. エスキスの繰り返し
設計製図試験でみるのは文字の如く、“設計” と “製図” です。その一つ “設計”で大切になるのがエスキス=計画・プランです。先ほども言いましたが「エスキス&チェックで1時間」が目安になるということは、エスキスを30分程で描き上げるのが理想です。課題は既に発表されているので、エスキスを毎日でも繰り返し行い、プランニングの型を身につけましょう!
習うより慣れろですね。
3. 課題内容の理解チェック
作図スピードも上がりエスキスのコツを掴んでも、求められている内容(今回は課題内容/実戦ではクライアントの要望)を理解し、それに合った(それ以上の)提案・作図をしなければいけません。
課題練習は、課題を読み解き→エスキス→作図で終わるのではなく、作図後にチェックまですることが大切です。
- 要件は満たプランになっているか
- 法令は遵守しているか
- 図面の表記や表現は合っているか
をチェックし、出来ていない箇所や間違っている箇所はどこかを自己判定をしましょう。自ずと、チェックすべきポイントも分かるようになりチェックに掛かる時間も短くなります。また、自分のウィークポイントも見えてくるので弱点強化にも繋がるはずです。
余談ですが、既に設計の仕事に従事している方ならお分かりかと思いますが、実戦ではこの理解力が本当に重要になってきます。
4. コツを摑んで心に余裕を
試験の設計製図には『コツ』があります。この『コツ』は年齢・性別・経験問わず、自分の努力次第で掴むことができます。それは、ひたすら過去の課題や今年の課題の模擬を繰り返すことです。
コツが掴めれば自信に繋がり、心にも余裕が出てくるはずです。2級建築士の設計製図試験に限ったことではありませんが、心に余裕があることが本番では結構重要になります。冷静に課題内容を読み解くことができ、製図作業にスムーズに入ることができるでしょう。余裕を持って(少なくとも平常心で)当日を迎えられるように模擬試験をコツを掴むまでやりましょう!
【見た目から入るのも大事!】
試験対策ではないのですが、試験会場に持ち込む製図道具も愛着があるものや好きなデザイン・色のものだと、気分が落ち着いたりやる気が出たりする方もいるんじゃないでしょうか?基本の製図板・シャープペンシル(鉛筆)・消しゴム・三角スケール以外に、あると便利な製図道具をご紹介します。まだお持ちでない方は、試験勉強の合間に好みの道具を探してみてはいかがでしょうか。
◆電卓
◆三角定規
◆勾配定規
◆フローティングディスク
◆テンプレート
◆字消板
◆ドラフティングテープ
◆製図用ブラシ
※携行できるものの詳細は公益社団法人 建築技術教育普及センターHPにてご確認下さい。
(https://www.jaeic.or.jp/shiken/2k/notes_on_the_day.html)
【使える参考書】
【令和2年度版 2級建築士試験 設計製図課題集】
引用:株式会社総合資格学院
価格:¥3,000 (税別)
編著:総合資格学院
発行:株式会社総合資格学院
【令和2年度版 2級建築士試験 設計製図テキスト】
引用:総合資格学院
価格:¥3,800 (税別)
編著:総合資格学院
発行:株式会社総合資格学院
【2級建築士 設計製図試験課題対策集 令和2年度版】
引用:建築資料研究社
価格:¥2,400 (税別)
編著:日建学院教材研究会
発行:建築資料研究社
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