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2023.08.21

【建築散歩】期待以上の体験価値!星野リゾート青森屋

期待以上の体験価値!星野リゾート青森屋

皆さんこんにちは!

さっそくですが、星野リゾートのホテルに泊ったことはありますか?
一度は泊ってみたい憧れのホテルではないでしょうか。
星野リゾートは現在、色々なブランド(星のや、リゾナーレ、界、OMO)がそれぞれのエリアやターゲットに基づき展開されていますが、今回紹介する【星野リゾート 青森屋】はいくつかあるどのブランドにも属さないシリーズの施設になっています。
建築、リノベの観点だけではなく、地域ならではの体験価値にも焦点を当てた記事になっておりますので、普段の旅行の視点や楽しみをちょっと広げたい、という人にもお勧めです。

星野リゾート青森屋とは?

・青森県三沢市にある老舗温泉施設だったものを、経営破綻に伴い星野リゾートが2008年に再生したものです。
いつリノベーションされたかをあまり認識しないまま現地を訪れてその空間や体験に圧倒されていましたが、実は14年も経っていることに途中で気づき驚きでした…!!

・青森のテーマパークをコンセプトに、ソフト・ハードともに青森を体験できるような施設です。
なぜか期待値があまり高くない状態で訪れたメンバー一行は朝から夜まで1日どっぷり青森の建築を見て回り、19時頃のチェックイン。
夕食やねぶた祭りのショー、インフィニティ露天風呂、、と興奮冷めやらぬ体験が続きましたが詳しくはこの後…!

星野リゾート青森屋にはどうやっていくの?

①バス :三沢空港からの無料送迎バス
②車  :三沢空港からレンタカーやタクシー利用
③新幹線:新幹線JR八戸駅またはJR新青森駅から「青い森鉄道」で三沢駅
※三沢駅から星野リゾート青森屋までは徒歩4分

おすすめしたい3つのポイント

一つ目は、メンバー一行がまず興奮したビュッフェレストラン。
チェックインを終え部屋に荷物を置きながら我々は、ふむふむビュッフェか、よくある感じのあれだねと思いながら向かっていました。
まあそんな想定は軽く超えられまして、のれそれ食堂(「のれそれ」は青森の方言でとても、目一杯、という意味)に着くと入口から早速、割烹着姿のお母さんが焼く青森産の魚介やお肉の郷土料理の炉端焼きが目に飛び込んできました。
それ以外にも青森の地産料理が贅沢に並べられており、シズル感も演出され、メンバー一行これがよかったあれがよかったとおすすめし合いながら料理を楽しみました。

二つ目は、みちのく祭りやで行われたねぶた祭りのショー。
東北初上陸の私は、ねぶた祭なるものを初めて体験しました。
ショーでのエンターテイメント感にすごくレベルの高さを感じました。
しかもこれは毎日1回催されているので、いつ行っても楽しめます!
若い人の活気ある踊りと年配の人の卓越した楽器演奏があり、星野リゾートの社員以外の地域雇用といった、経済循環にもつながっているであろう良い施設だなと改めて感じました。
色々な記事を読んでいると、開業に向けて東京ディズニーランドやその他いろんな施設へスタッフと一緒に視察に行き体験したのだとか…たしかに納得の体験…


引用:星野リゾート青森屋HP

三つ目は、浮湯の露天風呂。
当日天気も良かったからか星空満点のインフィニティ露天風呂という文句なしに素晴らしかったです…
つくりはほとんど変えずに外の植栽や照明計画、中についても照明計画とちょっとした造作で手を入れたのかな、という印象です。
既存で使えるものはよく見せることを意識して使う、という普段リノベでよくすることがここに限らず散りばめられている印象です。

事業的観点からみる内装のポイント

改修案件でよく悩まされるのが事業性とのバランス、、
お金は気にしなくていいからいいものを作っていこうという機会はなかなかありません。
そういった視点からいくつか。

ミニマムに仕上げた客室と、魅せられるように作られた共用部。
客室は老舗旅館の雰囲気を感じるような既存の雰囲気を残した仕上げ。
要所に青森の工芸品を取り入れているような作り方の印象です。
水廻りはオーバーヘッド付きのシャワーブース。
大浴場が2つあることを考えるとこれで十分な印象で、見た目としてもちょっと良い印象になりますね。
共用部はねぶたショーの会場やのれそれ食堂、チェックインのエントランス等があり、モダンな色合いでの全体の統一と、ねぶたやリンゴをモチーフにした楽しげな内装で、メリハリの利いた計画だなと感じました。

秀逸な動線計画…!

どこに行くにも、じゃわめぐ広場(「じゃわめぐ」は青森の方言で血が騒ぐ、の意味)をハブに通っていくような計画になってます。
メインの区画として、客室やみちのく祭りや(ねぶたショーが開催される会場)、浮湯(温泉)、のれそれ食堂、がありますが
そのハブとなるじゃわめぐ広場には色んな寄り道したくなる仕掛けがあります。
夜遅くなると営業するヨッテマレ酒場やりんごのガチャガチャ、蛇口からリンゴジュースが出たりと、
そこには他にも色々と青森らしさを体験できることがありました。
ただ通るだけの場所にとどまらず、色々と目移りしてしまう仕掛けがあることで、なんとなくそこでの楽しそうな体験が何倍にも増えた感覚が我々にもありました。

建物だけにとどまらない、敷地内に広がる体験

実はこの施設、これまで紹介した建物の約5倍くらい広さの公園があります…!
都会にはない贅沢さですし、地方だとしてもなかなかこんな敷地の広さはない気がします。
青森の伝統的な茅葺や曲屋の建物があります。
我々は歩いてみて一周30~40分くらいかかりましたが、馬車で回るような体験もできるようです。
足湯にはタオルが置いてあるのも嬉しいですね。細かいですがこういった気遣いはさすがだなと感じました。
建物内でも色々と楽しめる要素がありましたが、外にもこれだけの体験ができるなんてすごすぎる…!
特に夜暗くなってから着いた我々は、朝早くにはじめてみて広がる景色にまた感動が押し寄せました。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
普段我々は「まちの新しい価値になる」をコンセプトに建物の利活用をメインとした事業を展開しております。
そういった観点で見ても今回の施設は、既存建物や敷地の価値を発見、再定義し、付加価値づけが効果的にされており、
さらには「星野リゾート」のメインの強みである他と差別化した体験価値が得られる運営…参考になる部分も多かったです…

もし青森に行く機会があればぜひ一度訪れていただきたいです。