皆さん、こんにちは!
京都の注目スポット、ACEHOTELに行ってきました。
ACEHOTELは、京都市指定登録文化財である京都中央電話局(1962,吉田鉄郎)を改修した「新風館」に、2020年に開業しました。
2001年の改修に続き2度目となる今回は隈研吾監修のもとに改修されました。一体どんな改修が施されたのでしょうか。
今回はホテルの方より特別にご案内いただき、普段は入れないような場所までじっくり見学しました。
またACEHOTELはもちろん、新風館に関してもお伝えできればと思います。
目次
ACEHOTEL京都とは?
今回アジア初となるACEHOTEL京都は先述の「新風館」の旧棟と新棟に入っています。
メインエントランスがある姉小路通、旧棟が面する烏丸通、そして新棟が面する東洞院通の3本の道から中に入ることができ、旧棟と新棟の間に配置された中庭で人々が交差します。
ACEHOTELは1999年にシアトルで誕生して以来、ニューヨークやロンドンにも展開されるなど、世界中で人気を獲得しています。
「集まりたくなる空間」として有名なACEHOTEL。当初から宿泊者ではない町の人々でもロビーを利用できる等、ライフスタイルホテルの最先端ホテルでした。
ACEHOTEL京都にはどうやっていくの?
二条城や御所まで一駅の場所に位置し、京都市営地下鉄「烏丸御池」に直結しているなど、アクセスの良い場所に立地しています。
JR京都駅からは電車で7分、タクシーで10分で到着します。
到着!
新風館には4つの入口がありますが、今回は姉小路通沿いの2つを紹介したいと思います。
姉小路通沿いのヴォールト状の天井が特徴的な旧棟メインエントランスは、長い間ここを訪れる人に親しまれてきました。新風館のサインは、建物本来の魅力を引き立たせながらも、可愛らしい佇まいですね。
姉小路通に面する新棟からホテルロビーにアクセスでき、入り口には寺社の柱上部のように組み上げられた、500mm×250mmのスギあり、とても印象的です。
実はこれらはただの木材ではなく、内部に照明等が仕込まれており、電線を隠しています。こういった工夫によって、組物の大胆な意匠を雑音無しに楽しむことができるんですね。
また、敷地中央に位置する中庭も併せて紹介します。
緩やかな傾斜を流れる水音と、風に揺れる新緑を楽しむことができる中庭。
敷地が面するすべての道路から、敷地内のストリートを通じて庭に立ち入ることができ、さらに外部階段を通じて旧棟、新棟にもアクセスできる、新風館の結節点となる場所です。
商業施設のため、様々な場所にサインがありますが、ここにも細やかな工夫がありました。
こちらの内照式サインですが、内部照明を点灯させるための電線が鉄管内を通って床に埋設されています。
天井や壁に電線を這わせてサインに接続するほうが簡単ですが、こういった工夫によってすっきり綺麗に見せることができますね。
ロビーでチェックイン
ホテルエントランスの組物はロビーまで続き、外から中へゆるやかに導かれていきます。
新棟は旧棟の天井高と同様の天井高とすることで吹き抜けに中2階を設け、ロビーからバーラウンジまでを一体の空間としています。かつて電話局だった旧棟には電話交換機が収められていたため、天井高が大きくとられていました。
お部屋に案内
客室では、柚木沙弥郎のタペストリーやミナペルホネンのテキスタイル、イサムノグチの照明を楽しむことができ、レコードを聞くこともできます。(レコードはフロビーで借りられます)
枕元には200mm程度の高さの段差があり、サイドテーブルのように使ったり、座ったりできます。
クローゼットには冷蔵庫や金庫等が納められ、開けると内部の照明がセンサーで点灯します。
下部には隣のデスクへ続く配線も納められています。
水回りの床と壁はブラックタイルで仕上げられており、洗面ボウル・棚は一体で造作されています。
アメニティは環境に配慮した製品が用いられていました。
スイートルームも特別に見学
次にスイートルームなど、今回宿泊した客室以外のお部屋を紹介します。
入口扉が小さくみえるほど、旧棟にあるお部屋は天井高が高くなっています。
左右の壁にみられる既存の梁型で、旧棟の面影を感じることができます。
また、さらにゆっくり寛げるように、お部屋内もグレードアップされています。
旧棟には空調設備などがないため、この改修で新築された廊下を通じて配されてます。
客室の他には・・・
客室以外の施設もさらに魅力的なACEHOTEL。
レストランやバーラウンジは、ロビーと吹き抜けでつながっています。
レストランでは、中庭を見渡すことができるテラス席があり、ゆっくりと食事を楽しむことができます。
照明は京都の職人さんに製作を依頼されたそうです。
ロビーからアクセスできるバーラウンジでは、天井の銅板が照明の光だけでなくお酒のボトルも反射し、夜に映える艶やかな空間を演出しています。
宿泊者専用のジムからも、中庭を見渡すことができます。
宴会場では、結婚式等も催されるそうです。
まとめ
いかがでしたか。
今回の改修では前回の改修時に比べ、新棟の外観を旧棟に馴染ませるような意匠とされており、また外部から引き込んだ3本の小路を中庭で交差させることで、新旧の境界だけでなく敷地境界まで溶け合うような空間に感じられました。
さらにACEHOTELは、現代的なデザインと同時に京都の職人の仕事に触れることができ、各仕上げを観察しているだけでも楽しめるような空間でした。
宿泊者でなくとも訪れられる場所も多かったので、是非足を運んでみてください。