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2021.07.02

【リノベを科学する】給排水管や電気配線などの隠れているインフラ設備って、リノベーション工事ではどこまで修繕できるの?長谷工マンションミュージアム 館長 江口均さんに聞いてみた

【リノベを科学する】給排水管や電気配線などの隠れているインフラ設備って、リノベーション工事ではどこまで修繕できるの?長谷工マンションミュージアム 館長 江口均さんに聞いてみた

リノベる株式会社による連載企画「リノベを科学する」

中古住宅やリノベーションに対する不明や不安、素朴な疑問をデータを用いて「見える化する」=「科学する」連載企画です。あくまでもリノベーション事業者へオーダーするユーザーへの記事ですが、リノベーションの仕事を行う皆様にとっても知っておきたい情報です。

是非、チェックしてみてください!

(以下、リノベる公式noteより)


連載企画「リノベを科学する」。第8回のゲストは、新築マンションの設計・施工・分譲からマンション全体の管理や修繕、専有部の修繕工事まで、住まいに関わる幅広い事業を手掛けるマンションの専門家、長谷工グループの「長谷工マンションミュージアム」館長、江口均さん。今回は当社のセミナーを受けられたお客様からも必ずと言っていいほど質問される、給排水管や電気配線がテーマです。住み始めると隠れてしまうインフラ設備まわりについて、配管の種類から修繕頻度の目安まで、ビギナー研究員・田形と、中堅研究員・千葉が質問をぶつけてきました。
(取材:リノベる。スタッフ/田形研究員、千葉研究員、文:中野広夢)

千葉:リノベーションにおける不安や疑問点を、専門家の方に直接うかがう連載「リノベを科学する」。今年度も引き続き、よろしくお願いします!

田形:新生活が始まりましたね!今年度も読者の皆様に中古マンションの「何となく不安」を少しでも解消できるようなわかりやすい記事を発信していきます!

千葉:今回のゲストは、日本で一番マンションを作り、管理・修繕までされている”マンションのことなら長谷工”のCMでおなじみの長谷工グループの「長谷工マンションミュージアム」館長、江口均さんです!


左:田形研究員、中央:江口均さん、右:千葉研究

田形:今日は私たち、「長谷工マンションミュージアム」へお邪魔しています!とても素敵な場所ですね…。ここでどういった取り組みが行われているのか、興味津々です!

千葉:今回のテーマは「給排水管や電気配線などのインフラまわりについて」。中古マンションをリノベーションする上で不安に感じる方が多い部分です。それでは、江口さん本日は宜しくお願いします!

江口:わかりました!本日はどうぞよろしくお願いします。

1)「長谷工マンションミュージアム」ってどんなところ?

田形:まず、長谷工グループについて詳しく教えてもらっても良いですか?

江口:長谷工グループは元々工務店としてスタートし、1970年代に設計や施工はもちろん、土地情報の入手から販売協力までという独自の住宅生産システムを確立しました。現在はデベロッパーが分譲するマンションの建設に加え、販売や管理、修繕などグループ全体で住まいに関わる仕事を行っています。新築市場より中古市場の方が盛り上がってきている昨今、マンションの修繕や管理や、専有部のリフォームやリノベーションにも力を入れ始めています。

田形:マンションの建設と、マンションの修繕や管理、マンションに関わる全てのことを手掛けてらっしゃるんですね!

江口:ええ。新築マンションで磨いた最新の技術がマンション全体の修繕や管理、専有部のリフォームやリノベーションに活かせるんです。 ここ「長谷工マンションミュージアム」が入っている長谷工テクニカルセンター内には、そうした技術の研究所も併設しています。

田形:すごい……!他にはどういった施設があるんですか?

江口:一階部分にはマンションの管理人を養成する職業訓練校「技術研修センター」があります。そこには本物さながらの施設があります。

田形:素敵な取り組みですね…!

田形:長谷工グループではいつからこうした取り組みを?

江口:長谷工マンションミュージアムは、「集合住宅をよりたくさんの人に理解していただきたい」という趣旨で、2018年10月23日に長谷工創業80周年記念事業の一つとしてグランドオープンしました。最初は企業の方、特に取引先企業や関連会社の方のご来館が多かったのですが、ここ最近は比率が変わり、一般の方のご来館が増えてきていますね。

田形:一般の方がマンションの管理や修繕について興味を持ち、知っていくことはとても大事なことだと思います!私たちの目指すところでもありますね。

江口:「住んではいるけどマンションの管理については全然知らない」って方は多くいらっしゃいますからね。十数年に一度の大規模修繕をするから勉強したいという方も来られます。そのときは担当者をご紹介したり、勉強会を開いたりもしています。

千葉:なるほど。例えば、このパネルに書いてある内容は、マンションの性能劣化と改修の関係性ですね。マンションは、定期的な改修で性能を維持・向上していくものだということが、とてもわかりやすく記載されていますね!経年で落ちていく性能を維持することはもちろん、時代に合わせた改良、アップデートができると、安全・安心・快適性を高められる。長い目で見て計画を立てておくことがとても重要ですね。

江口:おっしゃる通り、修繕計画も先を見て、いつまでにいくらかかるのか、そのためにどれだけ積み立てないといけないのかを考えて立てないといけません。

田形:江口さんご自身は、これまでどんなキャリアを積んでこられたのでしょうか?

江口:私はずっと長谷工で入社42年目になります。マンションを中心に、現場監督、そして設計でキャリアをスタートさせ、一時期はマンションの販売なども経験しました。その後、マンションやビル、ホテルなどのプロジェクトマネジメントや設計を行っていました。その後、インテリアデザインやランドスケープなどのグループ全体の監修を行っていました。この長谷工マンションミュージアムも最初は設計担当として関わっていたんですよ。それがなぜか館長に(笑)。今は館長として、マンションの歴史や最新事情、建築工法の変遷など技術的なところから管理・修繕・コミュニティまでマンションにまつわるあれこれを知っていただくための企画を考えたり、未来のマンションを想像したり、集まって暮らす集合住宅(マンション)の理解を深めるきっかけづくりをしています。

2)リノベーションのとき、自宅の中(専有部)のインフラってどうなるの?

田形:リノベーションに関して多くの方が漠然と不安に思うのが給排水管や電気配線などの隠れてしまうインフラ設備の部分です。一般的にどのように修繕されているのでしょうか?

江口:インフラまわりはとても大事な部分ですよね。長谷工グループでは、リノベーションをする際には基本的に専有部のインフラは刷新しています。かつて給排水管は経年劣化による赤錆が大きな問題になっていましたが、時代が進むにつれ新しい素材を用いた給排水管が出てきて耐久性も上がってきました。とはいえ、老朽化は免れませんね。

田形:なるほど…。

亜鉛メッキ鋼管から銅管・鋳鉄管へと、時代を経るにつれ耐久性は向上。それでも鉄は鉄なので、30年もすると錆が水に混じるようになるという。

経年劣化した給水管。管の内側に錆が溜まっていき、最悪の場合管の詰まりや亀裂を生むこともあるそう。

現在は樹脂菅が主流で、耐久性も以前の素材に比べると格段に向上している。

江口:給排水管が長く修繕されていないと、早くて20年程でサビが出てきて、そのサビによって詰まったり、腐食がはじまり、漏水の原因になります。メンテナンスがされているかどうか、が大事になってきますね。

田形:逆に言えば、新しいものに取り替えるか、しっかりメンテナンスができていることが確認できれば安心して使えるということですよね。電気配線についてはどうですか?

江口:電気配線で一番怖いのは、漏電して出火し火災が起こってしまうこと。最近は目に見えないところで起こる火災というのもよくあるんですよね。どういったメンテナンスが行われてきたか、どういった設計だったかという情報を持っていたとしても、実際に剥がして中を見てみないとわからないのが現実です。

田形:なるほど…。そもそも、専有部のインフラの修繕は大体どれくらいの周期で行うべきなのですか?

江口:耐久年数からいって、20~30年ぐらいでしょうか。リノベーションの適齢期と言われているのがちょうどそれと同じぐらいなので、リノベーションの際にまとめて行った方が良いでしょう。安く済ませようと修繕を先送りし、後回しにする方もいらっしゃいますが、大ごとになってしまってからでは余計にコストがかかります。

千葉:リノベる。でも20年以降の中古マンションをリノベーションすることが多いので、専有部の配管などインフラ設備に関しては標準的に全て修繕しています。部分的なリフォームと比べてコストはかかりますが、安心してお住まいいただくためには絶対に必要ですよね。

 

 つづきはリノベる公式noteでチェック!

いかがでしたでしょうか?つづきが気になる方が多いのでは?

このつづきは、リノベる公式note『リノベを科学する』を是非チェック!▼▼

note.renoveru.co.jp/n/nab83ee54f540