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2022.08.05

分電盤(ブレーカー)の見方・確認方法まとめ!【マンションリノベ基礎知識】

【マンションリノベ基礎知識】分電盤の確認方法まとめ!

〜この記事でわかること〜

  • 分電盤=電気を分配する装置
  • 契約電力容量が分かる『サービスブレーカー』
  • 個々の配線を制御する『安全ブレーカー』
  • 感電や電気系統による火災を予防する『漏電ブレーカー』
  • 200Vの配線が取れない住戸もあるので要注意!

どの住戸にも必ずある『分電盤』、一般的にはブレーカーと言う方もいらっしゃるかと思います。
目にしたことはあっても、普段の生活ではじっくり見たり触ったりする機会は滅多にないかもしれません。

しかし、そんな『分電盤』には、実はお家の電気情報が山ほど詰まっているんです。

マンションリノベでは現地調査の際には必ず分電盤をチェックをすることになります。そこで今回は、分電盤の見方をマスターできるようにしましょう!

 

そもそも分電盤とは?

分電盤は、各コンセントや照明へ電気を分配するための装置です。
また、使い過ぎや漏電を予防する機能もあり、電気を安全に使う役目もあります。

箱型(現在は蓋付が主流)で覆われている分電盤(ブレーカーボックス)ですが、その中には配線がたくさん接続されています。

 

では早速、上記写真を参考に分電盤を読み解く3つのブレーカーを覚えましょう!
(慣れてくれば、配線を見て判断することも出来ます)

 

①アンペアブレーカー(サービスブレーカー)

②漏電ブレーカー

③配線用遮断器(安全ブレーカー)

 


(分電盤内部のカバーを外すとこの様に配線を確認することができます。)

 

分電盤で、契約している電気量が分かる?

『アンペアブレーカー(サービスブレーカー)』= 契約ブレーカー ,電流制限器,リミッター

の役割のため、電力会社との契約容量の電流制限器(リミッター)になり、この契約容量以上の電気が流れると自動的に電気が止まる仕組みになっています。これが「ブレーカーが落ちる」ということです。
スマートメーターで契約している場合は、サービスブレーカーがない場合があります。

 

契約アンペア数は、一般家庭では30A ~ 40Aが主流となっています。契約アンペアによってブレーカーの色が決まっているので分かりやすいかと思います。(電力会社によって色は異なります)

 

例:東京電力
   ⬛︎ 黄色 → 20A
   ⬛︎ 緑色 → 30A
   ⬛︎ 灰色 → 40A
   ⬛︎ 茶色 → 50A
   ⬛︎ 紫色 → 60A

 

配線の電気量をチェックしてる?

『配線用遮断器(安全ブレーカー)』 = 子ブレーカー

と呼ばれており、安全に電気を送るために、各部屋のコンセント・照明などいくつかに回路を分けて配線をします。(許容電流は一般的に20Aが多いです)『配線用遮断器』はそれぞれの配線毎に、安全範囲の電気量を超えて使用した場合に電気を遮断し、配線を守るブレーカーです。

大きい電気を使う家電製品(エアコン・電子レンジ・洗濯機・ドライヤー・IH・食洗機・浴室乾燥機など)は「専用回路配線」と呼ばれる、他のコンセント・照明と一緒にせず単独で配線にするのが一般的です。その他にも、お客様が電気容量の大きな電化製品や楽器などを使用する場合も、使用するコンセント等を専用回路配線にした方がよいか検討しましょう!

専用回路配線にする箇所は電気配線図にも記載しておくことをオススメします。

 

漏電も感知できるって本当?

『漏電ブレーカー (メインブレーカー)』= 漏電遮断器

 

の役割を担っており、電気の使用総量が規定を超えると遮断され、且つ、配線や電気器具の漏電を感知して遮断する装置です。簡単にいうと、安全ブレーカーの機能+漏電の恐れを感知する機能が漏電ブレーカーです。

 

  • 安全ブレーカー:各配線の電気量の制御
  • 漏電ブレーカー:家全体の総電気量の制御+漏電の感知

 

漏電は感電や火災に繋がることもあるので、安全に暮らすためにとても大切な機能なんです。

ちなみに…
漏電ブレーカーが遮断された場合は、漏電の可能性もあるということなので、必要に応じて専門の電気業者に見てもらわないといけません。

 

200Vを使えない場合もある!?

実は、古いマンション(住戸)によっては200Vに対応しておらず、リノベーションをしても100Vしか使用出来ない場合もあります。上記の様な条件で100V→200Vに変更したい場合は、大本の1次側の配線を引き直すマンション全体の大掛かりな工事が必要になり、専有部分での工事では対応が難しい内容となってしまいますので、現地調査の際にしっかり確認しておきましょう!!

200Vが使えるかどうかは、基本的に既存の分電盤のサービスブレーカー(もしくは漏電ブレーカー)に接続されている線の本数によって決まります。ほとんどのブレーカーでは、この本数を「単相3線」「単相2線」と言った表記でサービスブレーカーや漏電ブレーカーに記載があるので、注意して確認しましょう。

 

  • 『単相3線』:赤・白・黒の3本線 ➡︎ 200Vも使用可
  • 『単相2線』:白・黒の2本線 ➡︎ 100Vのみ。200V使用不可
    ※確実に判断したい場合は電気業者に事前に見てもらいましょう

 

『単相2線』は200Vの機器が使えないので、200V対応のIH・食洗機・浴室乾燥機・大型エアコンなどは設置できないことになります。

 

上記については、竣工図にも記載がある場合もあるので、現地調査では電気関係の図面にも一通り目を通しておきましょう!

 

最後になりますが、現地調査の際は分電盤の写真を必ず撮りましょう!
後々再確認をしやすいように、数字や文字がはっきりと読めるように全体図・各ブレーカーごとのアップなど何枚かまとめて撮影しておくことをお勧めします。

少し専門的な内容になる、かつ、マンション毎に状況が異なる(築年数によって状況が左右されやすい)ので、曖昧な情報で全てを判断せず、必ず管理人さんや管理会社等に詳細を確認し、設計前に情報をクリアにしておきましょう!

 

 

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